昨年の大晦日から年明けにかけて、
すさまじいものがあったので、ご紹介したいと思います。
http://togetter.com/li/88371
http://twitter.com/pukuma/status/20666557940105216
(はてなブックマーク)
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女が男よりダメなことは何なのかを本気で考えることは
男女の格差社会を改善するために必要なこと。
それに目をつぶって、女性蔑視だ差別だと感情的反感で
議論を封印するから社会がよくならない。
そして、ただの女性優遇のような誤った風潮が蔓延する。
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この主張のおかしさは言わずもがなでしょう。
そのように男女の格差が現れるのは、
もともと社会が男性のカチカンにもとづいて
作られているから、多くの女性にとって
不利であるからにほかならないです。
個人の努力で解決しえない社会構造の問題なのに、
男女間の能力差のせいと考えているわけです。
本人(女性)の責任ではないのに、責任を押し着せているわけで、
行きすぎた自己責任論とも言えるでしょう。
そもそも差別とは、差別する加害者に責任があるのであって、
差別される側の責任ではありません。
一種の被害者落ち度論でもあると言えそうです。
本質的な解決をするには、差別する側の意識が
改まらないかぎり、無理だと思います。
仮に女性の「ダメなこと」を直したところで、
べつの「ダメなこと」を見つけ出して、
やはり差別を続けるのではないかと
(DVとおなじように)、わたしは思いますよ。
ツイッターの発言主は、吉村哲彦氏。
自己紹介を見ると、島根大学生物資源科学部で、
森林科学部門の教授をしているとあります。
生物学の先生なら、女子院生や、女性の研究者も
まわりにたくさんいそうに思うのですが、
それでもこんなことを公言しているのでしょうか?
(女性研究者支援のツイートなんかを見ていると、
本当に言っている可能性、なきにしもあらず。)
・女性用トイレは個室型としなければならないため、ある施設内に同じ人数用のトイレを作る際、男性用に比べ占用面積が広くなり、その施設の面積効率が下がる。
・平均的に見て一人当たりの頭髪量が男性に比べて多いため、シャンプーの使用量が多く、環境への負荷が大きい。
で、これが分かったら、どのように「男女の格差社会を改善する」ことに役に立つのでしょうか?
全く意味不明。
まぁどこの会社にも、トンデモ社員はいるものです。
ある程度の大きさの企業の正社員ならば、組合に守られるので、いくら発言がトンデモでも、それだけで解雇されることはまず無いでしょう。
ただし、そういったトンデモさは、給与や査定に確実に響くので、大抵、そういうヤツは会社内では肩身が狭く、隅っこの方でおとなしくしているものです。
その点、国公立大学の教授とかってのは、トンデモ野郎にとっては、実に居心地が良いんでしょう。
「何らかの研究をしている。」と言う形さえ取っていれば、それが世の中の何の役にも立たない内容であっても、それなりの報酬は保障される。
学生の学費だけが頼りの私立大学と違って、そのトンデモぶりが大学の評判を落としそうになっても、大学側からあまり強く自制を求められることもない。
義務教育用の機関ではないので、学生の指導がでたらめでも、セクハラ等の犯罪にならなければ、特に問題にはならない。
他の教授連中と敵対しないように、そこそこ気を付けてさえいれば、こんなウスラトンカチでも、平気でデカイ顔をしていられる訳ですな。
島根大学の吉村くん。
高崎経済大学の八木くん。
皆さん、お気楽でよろしいですな〜。
女性のスポーツマンには、スポーツをしない一般男性は勝てないかと…この発言をした彼には、実生活で色んな人にお会いしていない「狭さ」を感じます。
この森林科学の先生だけど、京都大学の出身で、
たぶん40歳になる直前くらいで、教授になってますね。
想像するにエリート街道を歩いて来て、
業界でも有能とされているんじゃないかと思います。
http://forest102.life.shimane-u.ac.jp/yosimura/self_j.html
それでどんな困難でも、本人の努力で解決できる、
なんて思い込んでいる、「自己責任論」の
大好きなかたなのかもしれないです。
すくなくとも、この先生は、社会的に強者の立場に
あり続けたわけで、おそらくそういう人生を
送って来たことが考えられます。
それゆえ、本人の努力でどうにもならない壁、
というものが、想像できないんじゃないかと思います。
ましてや、個人の力では解決しえない、
社会構造にもとづく差別があるなんて、
なおさら思いもよらないのかもしれないです。
それゆえ、女は差別されて不利な状況に
置かれているのではなく、本質的におとっているからだ、
などと考えるのだろうと思います。
こういう「自己責任論」が大好きな人間というのは、
研究者にはままあるタイプだったりしますよ。
具体的には、女性研究者支援が気に入らないんだと思います。
研究予算の一部が、そちらに取られるので、
自分の使えるお金が減るのがむかつくんだと思います。
生物系のかたですから、まわりに女性研究者も
多いと思うので、あちこちで眼につくのでしょう。
女性研究者支援の中には、一部「アリバイ作り」的な、
数合わせもあるので、それが過剰に意識されるのかもしれないです。
それでも、女性にとって研究者になることは
ハンディがありますから、全体としては
税金を使ってサポートして、それを埋めることが
必要なのは、言うまでもないでしょうね。
ところが、上のコメントでもお話したように、
かかる差別の社会構造が理解できないかたなので、
自分が不当に搾取されているとしか、感じないのだと思います。
某研究都市では、そのような恨みや政治的意図、「ムラ」社会的な雰囲気の中で殺されたと噂されている研究者もいるのですが…私の恩師の知る範囲なので詳細は語りません。狭い研究室の中で、感覚も狭くなるんでしょうか。もしそうだとしたらとても残念です。
社会的に強者の立場にあるようなので、
ものごとは本人の努力でなんでも解決できると
思っているんじゃないかと思います。
それで、世の中の多くの人にとっては、
本人の努力でどうにもならない「壁」があることが、
想像できなくて、だめなのはそいつの努力がたりないからだと、
「自己責任」にするんだと思いますよ。
研究者業界という狭い社会の中で、
視界が狭くなっているのはたしかでしょうね。
そして残念ながら、というか、ゆゆしいことに、
こういうタイプはありがちだったりします。
この方の言っている事を読むと、被害妄想の傾向があるように思いますが。
つまり、自分が評価されないのは、女性や年寄りが不当に優遇されている結果だと思いたいんじゃないかと感じたのですが・・・・。
もちろん私はこの方の精神の健全性を疑っておりますが。
コメントどうもです。
>たんぽぽさんとはまったく反対の感想です
そういうふうにお考えのかたが多いとは思うけど、
経歴を見ると、やはり陽当たりのいいところを
歩いて来た、という感じなんですよね。
こんなふうに、大学のブランドで、
就職で有利に扱われたことを、笑いながら自慢したりするし。
http://twitter.com/pukuma/status/25754093230235649
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JR西日本には農学部は採用してませんと電話で言われたが、
大学名をきかれて京大ですと言ったら
会ってくれると言われたり。笑
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こうやって選民意識に酔っていられる、というのは、
まわりから常づね評価されてきて、
それを当たり前と感じているんじゃないかと思います。