ツイッターで話題になったので、ご紹介したいと思います。
「イタリアで婚外子が急増 20年には50%に」
(はてなブックマーク)
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ヨーロッパの国はどこも婚外子の割合が高いのですが、
ご紹介の記事の最後を見ると、こんなことを書いています。
わが国でも、夫婦別姓制度が導入されると
これまでの家族概念が崩れ、同棲カップルが増加し、
婚外子の数は欧米並みに急増する可能性がある。
これについては、つぎのページを見ればじゅうぶんでしょう。
「婚外子が少ないから健全?」
「婚外子(非嫡出子)の割合」

ヨーロッパの国は、どこも日本より格段に婚外子が
多いのは事実ですが、これは差別されないからであり、
それだけ「社会が健全だ」ということです。
そもそも「嫡出」という概念が廃止されていて、
婚姻の内外にかかわらず、子どもはおなじ扱いになります。
また法的保護や社会保証も、日本より整っています。
「できちゃった」としても、なんとか子どもを
育てていけるくらいの保証を、行政はしているようです。
また、フランスにはPACS、スウェーデンはサムボという、
事実婚を保証する制度もあります。
イタリアは、ヨーロッパの中では、婚外子の数が
すくないのですが、2000年に10%程度だったのが、
2007年には20%を超えたとあります。
遅ればせながら、イタリアでも、婚外子に対する、
差別的な社会通念が薄れ、また社会保障も
整ってきたのだろうと思います。
一般にカトリックの国は、婚外子に対する風当たりが
強いみたいですが、なにかのきっかけで差別を解消する
政策がなされると、きゅうに婚外子が増え始めるようです。
くだんの記事は、日本でも民法改正によって
「これまでの家族概念が崩れ」れば、婚外子差別が
解消に向かうと、歓迎しているのでしょうか?
それとも、外国の婚外子の扱いを理解せず、
自分たちの基準を安直にあてはめて、
「ヨーロッパは家族が崩壊していていて、
民法改正で日本もそうなる」などと言いたいのでしょうか?
ちなみに、この「婚外子の数」は、ずいぶんむかしから、
民法改正反対派が言い続けてきたことです。
もちろん後者の曲解のほうで、外国は不健全だと言うのですが、
反対派にとっては、あたまの中に入っていきやすい
ことなのかもしれないです。
関連エントリ:
「同棲が多い理由」
スウェーデンでは、平均初婚年齢のほうが、
平均第一子出産年齢より高かったりしますよ。
(わたしの想像ですが、婚姻届けを出すのは、
より社会福祉を得やすくするためとか、
便宜のためという感覚なのかもしれないです。)
いっつも思うのですが、何でこう言葉のニュアンスだけで、論理的にも完全に破綻している主張を、堂々と述べちゃうんでしょうか、仮にも新聞記者であろうと思われるこの人達は・・・。
選択的夫婦別姓法案が成立すれば、私のような事実婚夫婦の少なからぬ割合の人達が、別姓で婚姻届を提出するでしょう。その夫婦に子供がいれば、現在、非嫡出子であるその子が嫡出子になるので、普通に考えれば非嫡出子の人数は減るでしょう。
だいたい、たんぽぽさんの仰られるとおり、仮に非嫡出子が増えたとして、それがどうだと言うのでしょうか。
本当に
>「ヨーロッパは(特に記事に書かれていたイタリアなどは)家族が崩壊していていて、民法改正で日本もそうなる」
と思っているんだったら、新聞記者なんだから、取材と言うことで、日本在住のイタリア人にでも、前段の部分を確認してみればいいじゃん。ザッケローニ監督とかさ。
まぁ、彼はそんなことはしないだろうけど、一度、プロに蹴っ飛ばされるくらいの方が、いいんじゃない?
女優の後藤久美子さんがイタリア系フランス人のF1レーサーと結婚しましたよね、今はお子さんもいらして向こうで暮らしているようですが、確かご主人は再婚だったはず。今、さらりと「再婚」って書きましたが、戸籍上ではどうなっているのでしょう?事実婚とも聞いたような気がするけど、戸籍では元・奥様の名前が載っているのかもしれないな、なんて想像しました。
>婚姻届けを出すのは、
より社会福祉を得やすくするためとか、
便宜のためという感覚
結婚と同棲の違いって結局ここですよね。
私が結婚したのは「そろそろ新婚旅行に行きたいねえ」と思って会社で結婚休暇が貰えるからと言う理由でした(^^ゞ
自営業や自由業だったら、今でも入籍してなかったかも?昨今は「できちゃった婚」が普通に定着しつつありますが、これも子供の社会福祉のためという理由かも知れません。
法律婚の夫婦の子供は,親が離婚しても嫡出子であり続けますよね。
事実婚夫婦が子供を授かって,婚姻届,出生届,離婚届(ペーパー離婚)とたて続けに提出すれば,親は事実婚でも子は嫡出子ですよね。
ってなると,「嫡出子ってそもそも何?」って感じがとてもします。
「男女」とか「人種」とか,それなりに定義が明確な物であっても,それを理由に差別することは当然許されざることですが,「嫡出」とか言う,実は何を定義してるのかも良く分からん概念に基づいて法律が差別しているって,まぁ本当に呆れて言葉も出ません。
はよ変えろ。本当に他国の手前,恥ずかし過ぎっから。
ペーパー離婚して母子家庭手当もらったりしている人がいたりなんかする今、「結婚って何なのか」を日本はもうそろそろ新しく定義しなくちゃいけませんね。これは、国が市民(≒国民)を把握できていないことを示します。国が欺かれたままにしようとするなら、家族が崩壊する前に国が崩壊しているとも言えるような…現状把握ができないようになっているなら、国を立て直すとかそんなことも無理だと私はヒッソリ思っています。
新聞記事は、最後の1文を肯定も否定もしない、
という書きかたにしているけれど、産経新聞ですからね。
婚外子が増えるのは、家族崩壊でけしからんと
言いたいと思われます。
>選択的夫婦別姓法案が成立すれば、
>私のような事実婚夫婦の少なからぬ割合の人達が、
>別姓で婚姻届を提出するでしょう。
ふつうに考えて、それまで夫婦別姓のために
事実婚だったかたが、婚姻届けを出すのですから、
婚外子は減るはずなんですけれどねえ。
一部の反対派は、夫婦別姓=事実婚と
かんちがいしているのかもしれないです。
>取材と言うことで、
そうそう、そこまで言うなら、ヨーロッパに行って、
婚外子の多い社会が実際にどうなっているのか、
取材すればいいのだと思います。
ところがなぜか、実施調査というのを、
反対論者たちはしないみたいなんですよね(苦笑)。
>事実婚夫婦の間に出来た非嫡出子は,
>民法改正後,この夫婦が別姓で婚姻届を提出しても,
>嫡出子にはならないのかもしれませんね。
現行法でも、子が産まれたときは婚外子でも、
あとからでも親が婚姻届けを出せば、嫡出子になります。
なので、民法改正後に夫婦別姓で婚姻届けを
出した場合も、嫡出子になるはずと思いますよ。
一度親が婚姻届けを出して子が嫡出になると、
おっしゃるとおり親が離婚しても、嫡出子のままですね。
わたしも、外国の離婚手続きはくわしくないんだけど、
「日本は世界でもっとも離婚しやすい国だ」
というのは、よく言われますね。
この「離婚しやすい」は、法的手続き上のことで、
届けを出すだけで離婚が受理される、ということだと思います。
(あとのmmmさまのコメントで、外国では裁判や宗教が
関与することにすこし触れられている。)
>女優の後藤久美子さんが
>イタリア系フランス人のF1レーサーと結婚しましたよね
「婚姻届を提出しない結婚生活」と書いてあるけど、
日本では婚姻届けを出していないかもしれないですよ。
そうだとしたら、日本の戸籍は単身者のままになります。
http://taraxacum.seesaa.net/article/163041090.html
たぶん、PACS(民事連帯契約)ではないかと思います。
フランスやスイスで生活するので、あちらで結婚していると
認められれば、福利厚生的にもじゅうぶん、
ということなのかもしれないです。
>私が結婚したのは「そろそろ新婚旅行に行きたいねえ」と
>思って会社で結婚休暇が貰えるから
いつも、貴重な体験談、ありがとうです(笑)。
でもまじめなお話、そのくらいドライになっても
いいのだろうと、わたしは思いますよ。
制度は人間のためにあるのですから、
市民が自分の都合に合わせて利用する、
という感覚のほうが、このましいように思います。
>婚外子が増えることに一体何の問題を見出しているのか
婚外子イコール私生児とか、不倫の子とか、
そういうイメージでとらえているのかもしれないです。
あるいは、彼らの「理想の家族」に含まれないものは、
夫婦別姓でも婚外子でも、みんなひとくくりで、
「家族崩壊=けしからんもの」なのかもしれないです。
>「裁判所」や「宗教」、それに準じる「結婚式場」
>「親族などの人々」からのお墨付きが
やはりというか、外国は届け出だけでは
離婚できないところも、すくなからずあるのですね。
日本の離婚は手続き上は「届け」だけで、
「いちばん簡単に離婚できる国」と
言われるゆえんなんだと思います。
>国が欺かれたままにしようとするなら、
国民の家族生活の実態が変化して、
行政がちゃんと把握できなくなっている、
というのも、よく言われることなんだけどね...
反対派たちは、現実を見るより、自分たちの信じる
「理想の家族」を幻視し続けたいみたいですね(悲)。
ちなみに、離婚した夫婦に子がいる場合両方の面倒を見なくてはという認識が働くようで、介護問題で子どもが苦労しているのを目にしたことがあります。よほどでなければ、しないに越したことはありませんね。
>裁判をやらなくてはならないのが基本なので
日本で言えば、家庭裁判所の認可を得るのと
おなじくらいかそれ以上の感覚や手間になるということかな?
現行法で、夫婦別姓を実践するために、
「ペーパー離婚」をなさるかたがときどきいるけれど、
これは手続きは書類だけで離婚できる、
日本ならでは、ということになりそうですね。
>介護問題で子どもが苦労しているのを目にしたことがあります
なるほど。
そういえば、諸外国は原則共同親権だけど、
このあたりの意識に関係してくることもあるのかしら?
>なるほど。
>そういえば、諸外国は原則共同親権だけど、
>このあたりの意識に関係してくることもあるのかしら?
そうですね…もちろん意識にもかかわってきますが、現実に対応しようとするとこれは国内国外問わず存在する問題です。歳を取った両親二人が同居を拒否するため介護をするために移動するのも一苦労とか。実際、親のどちらかが再婚していない上二人とも生きている場合、こういう問題は必ず起きると思います。
ペーパー離婚は離婚と呼ぶべきものなのかどうか、私自身理解できていません。ペーパー離婚して母子家庭手当をもらって全員で暮らしている人々を目にしています。ただ、こういう手段は日本でしか取られないものだと思います。海外でこんなことをすると、手間や金額は確かに日本以上の大きさで迫ってくるはずです。
とうとうふたりっきりになりましたね。(笑)
いえ、サイドバーの新着コメント欄だけど。
>現実に対応しようとするとこれは国内国外問わず存在する問題です。
たしかに、離婚したら、親はそれぞれの国に
戻っていることも多いでしょうからね。
そうなると介護のための移動だけで、
外国旅行の繰り返し、ということになりますよね...
(両親とも子の滞在国で暮らしていたとしても、
離れて暮らせば、国内とはいえそのつど旅行になるし、
じゅうぶん負担のかかることだけど。)
>ペーパー離婚は離婚と呼ぶべきものなのかどうか
とくに夫婦別姓のための場合は、書類上は離婚だけど、
本人たちの意識の上では、離婚ではないですね。
意識と書類上の扱いが、わりとはっきり区別できるのも、
離婚手続きが簡単ゆえ、というのもあるのでしょう。
>ペーパー離婚して母子家庭手当をもらって
この点に関しては、日本のペーパー離婚は、
「福祉を受けるための便宜」という割り切りが
できていると言えますね。(よしあしはべつとして。)
>海外でこんなことをすると、
外国では、手当をもらうために、書類上の離婚をする、
という考えは、とても出て来なさそうですね。
なんにしても、新しい「結婚」の概念が作られていくだろうことははっきり言えます。結婚を不要なものとして見ている(税金上の優遇も無くなったという点ではそうかもしれません: ただし将来的に夫婦間の相続に問題が発生する)人もいるからです。
隠れている問題に、多くの人が興味を持つようにと動くのは難しいですね…なかなか報われませんが、一度関心を持つと無関心ではいられないと思います。一緒に、地道に書き続けましょう^^
悲しいかな、わたしのブログは、あまり興味を
持ってくださるかたがいないのです。(悲)
おなじ話題を扱っても、よそさまは人気があるけれど、
わたしは相手にされない、ということも過去によくありました。
それでも、わたしのブログに来てくださった奇特なかたには、
なにか得るものがあればと思って、精一杯書いております。
というわけで、これからもよろしくです。