これも、ずいぶん前からの続きで、とても恐縮なんだけど、
3月26日のエントリでお話した、民主党オンブッド会議の報告書では、
健康保険や、厚生年金に、加入する義務があるのに、加入していない、
パートやアルバイトが多いことが、指摘されています。
オリジナルの記事は、04年9月3日の朝日新聞にあります。
「社会保険 パート7割加入漏れ、多く『扶養扱い』」
これは、求人広告会社アイデムが、03年11月に行なった
アンケートをもとにしていて、顧客の会社の、
パートとアルバイト2579人(うち、男性418人)が対象です。
健康保険と厚生年金は、労働時間が正社員の、
4分の3(週30時間)以上であれば、パートやアルバイトといった
非正規社員でも、加入する義務があります。
ところが、これにあてはまる、754人のうち、
健康保険と、厚生年金に加入しているのは、
それぞれ、34.1%と31.7%にすぎないのでした。
非正規社員の約3分の2が、入る必要のある社会保険に、
入っていないことになりますが、この原因のひとつには、
「正社員以外は社会保険に加入させなくてもいいという思いこみ」
(慶応大学清家教授のコメント)も、あるとされています。
さきの754人のうち、269人が主婦なのですが、
そのうちの36.4%が、「配偶者が加入している年金の
被扶養配偶者になっている」のでした。
これは、おそらく、厚生年金の保険料を、払いたくない企業が、
自分の会社の社会保険に、パートで雇っている主婦を加入させないで、
配偶者の扶養家族扱いにして、扶養者の勤める会社に
払わせているのではないかと、考えられています。
(一種のヒッチハイクと言えるでしょうか...?)
ご存知のように、健康保険や厚生年金は、
被扶養者になっている配偶者(いわゆる専業主婦)は、
「第3号被保険者」となり、みずからは、保険料を払わなくても、
医療費や年金の給付を、受けられるようになっています。
これらを負担するのは、だれなのかというと、
医療費は、扶養者(専業主婦ならその夫ですが)の、
勤める会社の、健康保険組合です。
厚生年金は、加入している人たち全員で、すこしづつ肩代わりします。
(扶養者が代わりに払っていると、思っているかたも、
いらっしゃるかと思いますが、そうではないですよ。)
参考資料:
2004年9月3日、朝日新聞
「社会保険 パート7割加入漏れ、多く『扶養扱い』」
ま、加入率あげたところで、すでに保険として破綻している制度なんですけどね(こっちの方が問題)。
納付を世帯単位から個人単位へ変えて、公平性を確保していくということをサッサとやってほしいもんですが。
扶養者が代わりに払ってると思っている人もいるって、、ここまで無知でいいんでしょうかぁ。
(いかにも、民間的な発想って、思ったけど...)
http://news.goo.ne.jp/news/nishinippon/shakai/20060531/20060531_news_007-nnp.html
なんでも、民間から人材を引き抜いてくるのは、
小泉くんのおはこらしいですね。
(大胆な人事をやって、新しい血を入れたぞって、
思わせようと、いうんでしょうけれど...)
http://blog.livedoor.jp/th302d/archives/50614006.html
組織の体質に問題があるなら、人を入れ替えるのも、
それなりに、効果があるんでしょうけれど、
この場合は、制度自体の欠陥が、原因ですからね...
人間をどう入れ替えてもだめで、抜本的に制度を改めないと、
どうにもならないんだと思います。
(個人単位の一元化で、わかりやすくするくらいは、
わたしも必要だと思いますよ。)
>扶養者が代わりに払ってると思っている人もいるって、、
それとも、最近は、いくぶん減ったのかな...?
(ひとむかし前は、そう思っているかた、結構いたみたいなんだけど...)
それにしても、パートの主婦を、「扶養」扱いにして、
夫の勤める会社に、年金を払わせるのは、「ヒッチハイク」でも、
払っている人がいるだけましとも、言えるんですよね...
(会社が倒産を装って払わない、なんてのもあったのだよ。)