2006年06月11日

事実婚にも体外受精

これも、4月24日のニュースなので、
思いっきり時期を過ぎたお話で、とても恐縮なんだけど、
民法改正の関連としては、大きなニュースなので...
「事実婚カップルへの体外受精を日本産科婦人科学会が容認

これまでは、体外受精のような高度な不妊治療は、
戸籍上の夫婦にかぎるとされていました。
これを、産科学会が公式に、事実婚の夫婦にも認めるとしたものです。
(「結婚していること」、という規則は残ります。)
具体的な手続きは、いままでは、戸籍の確認を、
病院が求めていたものが、それが不要になり、
結婚しているかどうかは、本人たちの申告だけになります。

 
いままで、産科学会が、戸籍上の夫婦にかぎっていたのは、
婚外子の法的な立場が不安定なことなどを理由に、
「婚外子の誕生を公式に容認するわけにはいかない」という、
考えに、もとづいていたからでした。
婚外子を産むことに手を貸すのは、非倫理的と考えていたのでしょう。
かなり法律婚主義的な、考えかたとも言えます。

それが、「社会的に夫婦と認められている男女に
治療機会を提供しないのは『医の倫理の問題を生ずる』
といった理由から、『原則には固執しない』」という
考えかたに、変わったもののようです。

最近になって、事実婚の数が増えてきて、
まがりなりにも、社会的に認知され、法的権利も整ってきたからでしょう。
産科学会の倫理基準も、それに応じて、変化することになったようです。
「現状でも『戸籍謄本がなければ(体外受精は)できません』と
断ることはできない。カップルが『夫婦だ』と
言えば認めざるを得ない状況だった」(吉村泰典倫理委員長)


じつは、事実婚夫婦にも、体外受精というのは、
これまでも、秘密裏に(悪い言いかたをすれば「ヤミ」で)、
行なわれることが、あったのでした。
「事実婚を選ぶカップルは増えており、03年には、
がん治療を受ける女性とその婚約者の間で
体外受精が試みられたことが明らかになるなど、
事実が先行していた状況もあった。」(06年5月8日、毎日)

ああいうところや、そういうところの匿名掲示板でも、
事実婚夫婦にも、治療を受けさせてくれる
病院の情報について、意見交換がなされることもあったのでした。
(会則に反して治療するかは、病院の裁量によるし、
病院側も、会則違反なので、おおっぴらには言えないことになります。
そのため、この手の意見交換は、おのずと、
匿名性の高いところが、使われるようになります。)

倫理委員のコメントにも、現状でも、戸籍謄本がないとできないと、
断わることはできない、とありますが、産科婦人科学会の
今回の会則の変更は、こうした既成事実を、
あとから追認するだけとも、言えるかもしれないです。


参考資料:
『妊娠しやすいカラダつくり』
「事実婚カップルへの体外受精を日本産科婦人科学会が容認」
06年4月24日 asahi.com
「体外受精、事実婚カップルも 学会が指針改定」
06年4月24日 YOMIURI ONLINE
「体外受精、事実婚カップルも容認」
06年5月8日 MSN毎日インタラクティブ
「体外受精:事実婚カップルへの実施を容認−−日産婦」
posted by たんぽぽ at 18:26 | Comment(2) | TrackBack(1) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
TBありがとうございました。こちらからもTBさせていただきました。

今日の夫婦のあり方は多様化しているし、これからもどんどん形態が様々になっていくように思います。
生殖方法も多様化していくと思うので今回の決定は画期的で嬉しく思います。
Posted by アズキ at 2006年06月14日 20:27
アズキさま、いらっしゃいませ。
わたしのブログに、コメントとトラックバック、
どうもありがとうございます。

まあ、わたしに、遠慮なく言わせちゃうと、
やっと産科学会も、事実婚を認める気になったか、
というところなんだけどね...(苦笑)
(すでにあちこちの病院が、秘密裏に治療をやっていて、
あとからの追認という感じですし...)

それでも、病院探しに苦労しないで、すむようになったし、
事実婚の権利が広がったのですから、
よろこばしいことなのは、まちがいないですね。
Posted by たんぽぽ at 2006年06月15日 00:54

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事実婚カップル体外受精容認
Excerpt: 事実婚カップルへの体外受精、産科婦人科学会が容認 (読売新聞) - goo ニュース画期的。産科婦人科学会って頭が固かった印象が…。事実婚で、体外受精となったら、法的には立場が弱そうだなぁ。それが認め...
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Tracked: 2006-06-14 18:07