2011年08月14日

toujyouka016.jpg 高校無償化存続の要望

野党・自民党は子ども手当てに続いて、
高校無償化も廃止にしようと、策動を続けているのでした。
これに対して、抗議する動きがあるのでご紹介します。
高校無償化の存続と、さらなる拡充を求める要望書です。

「高校授業料無償化の存続と充実に関する緊急要望書-
「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク」」


 
くわしくは、エントリを見ていただくとして、
理由は大きくつぎの3つになっています。
========
(1)高校授業料無償化は、「ばらまき」政策ではありません。
(2)制度導入の成果がみられるとともに、
依然として厳しい状況にある生徒が多くいます。
(3)東日本大震災および原発事故により、
進学を諦めざるをえない状況に置かれている子ども・若者がいます。

【要望事項】
高校授業料無償化を存続させるとともに更なる充実を図り、
すべての子どもが「教育を受ける権利」を保障してください。
========

とくに(2)で、前のエントリでお話した
経済的理由による高校中退者の数が減っている
という文部科学省のデータをあげています。
自民党は、高校無償化に反対するのなら、それに代わる、
同等以上の成果がある対案を、出す必要があるでしょう。


それにしても、やっとこういう動きが出て来たか、という感じです。
子ども手当てや高速道路の無料化も、
もっともっと要求してもいいと、わたしは思います。
廃止されたり後退したりするのは「国民からの要望がないから」
というのもあると、わたしは思うのですよ。
(民主党のていたらくを批判するのはたやすいですが。)

「財源がたりないからしかたない」なんて言っていないで、
「たりなければよそから取ってくればいい」
くらいの意気込みが、必要ではないかと思います。
自民党もなんだかんだで風を気にしますから、
「福祉国家の4K」が、国民から支持されているとわかれば、
もっとおとなしくなるのではないかと思いますよ。


付記:
高校無償化存続の「緊急要望書」を出している、
「「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク」は、
子ども手当ての「国会への勧告」にも参加していますね。

posted by たんぽぽ at 22:58 | Comment(5) | TrackBack(1) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
自民党は給付型奨学金制度を掲げ、高校無償化の撤回を主張しています(奨学金制度拡充の主張は自民党だけではありませんが)。
しかし、奨学金の拡充のために、なぜ無償化を廃止しなければならないのでしょうか。
なぜ、無償化と奨学金の二者択一にしなければならないのでしょうか。
基本的に授業料を無償にし、その上で低所得者への支援を奨学金等で行うべきではないかと思います。

そもそも日本は教育への公的支出が少なく、私的負担が非常に高いのです。無償化+奨学金拡充をしても「教育に税金を出し過ぎ」にはなりません。
無償化と奨学金の二者択一は、限られた支出のパイの奪い合い、低所得者と中以上の所得者の対立を煽るようなものではないでしょうか。

子ども手当でも、「手当より保育所だ」と言って手当を批判した人たちがいました。しかし、自民党の方針は「乳児は家庭で育てるべき」なんですよね。保育所不足は0歳から2歳の低年齢で顕著ですから、自民党は保育所増設に熱心にはならないでしょう。

手当か保育所か、無償化か奨学金か、といった二者択一でなく、どちらも必要であり、子ども・教育への公的支出を全体に増やすことが必要だと思います。
Posted by kiriko at 2011年08月15日 01:39
ていねいなコメント、まことにありがとうございます。

>自民党は給付型奨学金制度を掲げ、

対案はあることはあるのですね。

>奨学金の拡充のために、なぜ無償化を廃止しなければならないのでしょうか

自民党の思惑は、自分たちの政策はよくて、
民主党の政策はだめ、ということじゃないかと思います。

奨学金制度は、自民党政権時代にいったん予算がついて、
増額まであったんだけど、高校無償化のあおりで、
取り消されてしまったみたいです。
(おそらく、高校無償化が気に入らない官僚が、
交換条件的に予算を取り上げたんだろうと、憶測するけど。)
http://benesse.jp/blog/20091125/p305.html


>基本的に授業料を無償にし、その上で低所得者への支援を
>奨学金等で行うべきではないかと思います。
>そもそも日本は教育への公的支出が少なく、私的負担が非常に高いのです

おっしゃる通りだと思います。
無償化と奨学金と両方あっていいくらいなのに。
二者択一でしか考えられない、という発想は、
いかんともしがたいものがあります。
Posted by たんぽぽ at 2011年08月15日 21:57
追記:
エントリをすこし加筆修正した。
Posted by たんぽぽ at 2011年08月15日 21:58
高校の無償化存続には賛成します。
しかし同時に、大学の奨学金制度を充実させる政策も出さないといけない気がします。
『子供の教育を社会全体で負担する』というのが高校無償化の理念なのですから。
Posted by SPIRIT(スピリット) at 2011年08月23日 19:43
SPIRIT(スピリット)さま
こちらのエントリにコメント、ありがとうです。

>しかし同時に、大学の奨学金制度を充実させる政策も

大学は奨学金も必要だけど(返還義務のある
奨学金しかないなんて、奨学金とは言えないんじゃないか)、
高い授業料をなんとかしてほしいとも思います。

諸外国では大学の授業料も無償のところがありますからね。
毎年のように授業料が急騰するのは、日本くらいだと思います。
Posted by たんぽぽ at 2011年08月24日 23:16
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