9月2日に閣僚のメンバーが決まり、野田内閣の発足です。
たんぽぽ、お前はなにか言うことがないのかと、
おっしゃるかたもいるだろうと思います。
わたしが紹介したいのは、つぎの記事です。
書いてあることは、いちいちごもっともで、
わたしが付け加えることはないくらいですが、
せっかくですので、すこしだけお話をしておきたいと思います。
「政治未熟がまだ続く」
問題点のひとつは、野田氏が増税を打ち出したことです。
震災対応が急がれるときに、国民の財布のひもを
締めさせる思考が理解できない、バブル崩壊のとき
大蔵官僚にだまされて緊縮財政を訴えた、橋本大蔵大臣の
二の舞にならないかと、記事では懸念しています。
ふたつ目の問題は国会の「ねじれ」対策です。
これは菅政権の問題点なのですが、野田政権も「大連立」などと
言っていて、この体質を引き継ぎそうだと見ています。
実際、野田氏は、最初に出馬を表明したときは、
菅政権の方針を引き継ぐ方針を打ち出して、
なんのために菅が辞任するのか、わからなくなることを言っていました。
これでは支持が集まらないと見て、軌道修正をしたので、
「増税」も「大連立」もトーンダウンしたのではありますが。
>「ねじれ」対策
「ねじれ」国会対策としては、野党勢力を分断すればよく、
復興関連法案の成立のために、「3党合意」で政権公約の
見直しをする必要はなかったと、記事では主張しています。
これはわたしもまったく同じ意見です。
なんで民主党はこうしないのかと思うくらいです。
そして民主党が政権交代をかけて戦うべき相手の
自民党は参議院82議席で民主党の106議席より少ない。
そう考えれば赤字国債法案と再生エネルギー買取法案の成立には
野党勢力の分断を優先するのが常道で、三党合意による
民主党マニフェストの見直しなどする必要はなかった。
じつは、参院で浜田和幸を引き抜いたことで、
社民、共産の賛成があれば、復興関連法案は可決できたのでした。
自民、公明にはむしろ否決させて、復興の足を引っ張る
真の存在はだれなのかを、国民の前に知らしめるのが
得策だったと、記事では指摘されています。
これも、わたしは同じ意見です。
結局「3党合意」によって、自民と公明を結束させてしまい、
民主党の政権公約は見直しになり、目玉政策だった
「子ども手当て」は、来年度の廃止が決まるのでした。
「政権公約の否定は、民主主義の最大の否定」と
記事では手厳しいのですが、わたしもやはり同意見です。
イギリス議会政治の基礎を作ったディズレーリが言うように、
選挙公約を守らない事は民主主義の最大の否定なのである。
それを民主党は軽く見すぎている。
三党合意はただの稚拙な政治技術の結果だと私は思う。
野党と言っても一枚岩ではなく、利害に差はあります。
そこを利用すれば、もっと分断できるのではないか思います。
とくに、社民・共産と自民・みんなの党は、かなり異質です。
左右両側に野党があるのですから、自民党政権よりも
野党間の分断は容易ではないかと思います。
民法改正だって、国民新党は反対しているので、
議員立法で提出すれば、自民党は猛反対でしょうが、
公明党の賛成は取り付けやすいでしょう。
自民と公明の分断もできますし、なぜこの方法で、
民法改正法案を可決させようとしないのかと
お考えのかたは、たくさんいるのではないかと思います。
記事では、自民党が与党だったとき、「ねじれ」国会を
克服したことが引き合いに出されています。
このときの幹事長が、ほかでもない小沢一郎氏です。
小沢氏は、野党どうしを分断させて、消費税の存続と、
PKO法案の可決を実現させたのでした。
このような経験のある小沢氏から見れば、
(自分でも「ねじれ国会は経験がある」と言っていた。)
「3党合意」なんてやっている菅政権の「政治未熟」ぶりは、
もどかしいやら、情けないやらではないかと思います。
今回の代表選で、民主党は野田氏を選んだのですが、
その理由が、増税と大連立を支持したのではなく、
小沢一郎氏の影響力が強まるのを警戒したかららしいです。
「ねじれ」を克服できない「政治未熟」の議員たちが、
「ねじれ」を克服できる政治家を、わざわざ遠ざけたわけですよ。
「これ以上政治未熟を見せられたくない」記事作者としては、
あきれるやら、嘆かわしいやらではないかと思います。
(比喩が巧みですからね。『どじょう内閣』もそうですし、『モーニング娘。の中の天童よしみ(民主党内の小沢氏の比喩)もそう』)
まだ発足したばかりですし、様子を見守ったほうがいいと思います。
『政治主導』といっても、どこまで政治家が関わるかがポイントでしょうね。
基本的には
『トップが基本方針を示し、常にそれぞれの部署の人員と資金を調整し、常にフィードバックを行う』
という感じになるでしょうか?
「『政権公約の否定は、民主主義の最大の否定』と
記事では手厳しいのですが、わたしもやはり同意見です。」うーん、確かに「政権公約の否定」がその政党によって直接なされたならそう言えるんですが…そうしちゃうと、国会が与党だけで構成されているかのようで、某社会主義国みたいです。実際は国会議員の党議拘束が強すぎて、それぞれの議員さんの意見が反映されていない感じがしています。本当に自民党や公明党の中には、民主党の意見に反対する人ばかりなのでしょうか。子どもへの福祉(子ども手当・児童手当)の元ネタは確か公明党のはずですが、すっかり鳴りを潜めていますね。どうしたんでしょうか…
まあ、党云々の話より、犯罪者になりかねない人物(小沢氏)をこれから動く内閣の中に置くのはちょっと…と思います。あれはあれでいいんじゃないですか、自民党の歴史は長いですが、「成熟した政治」ができるわけではないことが景気悪化と共にバレてきましたしね。
原発問題で反原発派から社民共産の株が上がっているところに、民主党と組むのは得策じゃないでしょうね。
こちらにコメントありがとうございます。
>まだ発足したばかりですし、様子を見守ったほうがいいと思います
そうですね。
増税や大連立もトーンダウンしてますし、
まだなんとも言えない、というところですね。
「3党合意」は堅持すると言っていて、残念なのですが、
子ども手当て廃止に最後まで反対を続けた
小宮山洋子を厚生労働相で入閣させたりして、
こだわりはあるのかなと、ちょっと思ったりもしています。
>『政治主導』といっても、どこまで政治家が関わるかがポイントでしょうね
鳩山、菅の失敗をふまえて軌道修正を計ってますね。
わたしが見た限りでは、評価できそうです。
>増税の話って、
税と社会保障の一体化にともなうものですね。
>「政権公約の否定」がその政党によって直接なされたなら
直接なされたようなものですよ。
回避する手だてはあったのですし。
>子どもへの福祉(子ども手当・児童手当)の元ネタは確か公明党のはずですが、
公明党の考えは、子ども手当てはだめだけど、
児童手当ならいい、ということではないかと思います。
つまり自分たちがしてやったことならいい、ということですね。
国民の福祉よりも、自分たちのメンツが優先されるのでしょう。
>犯罪者になりかねない人物(小沢氏)を
無罪になる可能性も高いですよ。
現時点で、証拠不十分な実態が、いくつも出て来ていますし。
「疑わしきは罰せず」なのですし、小沢氏を入閣させないにしても、
党員資格停止処分は解除するべきだと、わたしは思います。
来年の春に小沢氏が無罪になったとしたら、
党員資格停止処分に賛成した人たちは、どう釈明するのかと思います。
社民、共産は協力するのか、という心配はたしかにありますね。
でも、補正予算くらいでしたら、協力するのではないかと思います。
震災復興のための予算、という性格を全面に出せば、
いまの自民、公明よりは懐柔しやすいだろうと思います。
反対すれば「震災復興の足を引っ張っている」ことになるのですしね。
>無罪になる可能性も高いですよ。
そうですかねー、確定していない人物ですよ…。大事な局面ですし、慎重になってていいと思いますけどね。入閣キャンセルは政治界から追放しろってわけではありませんから。こう考えちゃうのは、やっぱ臆病なんですかね。
>党員資格停止処分は解除するべきだと、わたしは思います。
うんうん、それは納得です。日本ではどこかの党員になるか、党から支援を受けないと政治家でい続けることはできませんしね。
>公明党
ここ数日でちょこっと小耳にはさんだんですが、YES児童手当、NO子ども手当、という公明党の態度が創価学会の一般信徒の反感を買っているようです。うん…エリアをまとめている人からの噂なので信憑性は高いです。
有罪だって確定してませんからね。
推定無罪という大事な原則を
政党が、それも与党が軽んじるって怖いと思います。
>そうですかねー、確定していない人物ですよ…。
有罪も確定していないですよ。
(さくらさまのコメントと同じことだけど。)
有罪も決まらないうちから、処分するというのは、
とてもこわいことだと思います。
本当に慎重であれば、処分なんかしないでしょう。
小沢氏を入閣させることはないだろうと思いますが、
その理由が、「有罪になるかもしれない」であっては、
ならないと思います。
>公明党の態度が創価学会の一般信徒の反感を買っているようです
おや、これは意外ですね。
もっと党の方針に忠実なのかと思っていたけど。
(母体は創価学会であって、公明党ではないけど。)
実質的に制度の後退になるので、一般信徒層のあいだでは
不利になる人が多いのかな?
コメントありがとうございます。
>有罪だって確定してませんからね。
>推定無罪という大事な原則を
>政党が、それも与党が軽んじるって怖いと思います
そうそう、わたしもおなじ意見ですよ。
菅政権時代の民主党執行部の法感覚は、
いったいどうなっているのか、という感じです。
ところが、世論調査を見ると、小沢氏の
党員資格停止処分に賛成のほうが多いんですよね。
「推定無罪」の原則は、一般にはあまり理解されていないようですね。
それと、党員資格停止処分というのは、最長が6ヶ月で、
無期限というのは、党則にはなかったと思いました。
党の内規とはいえ、党則にない処分をほどこす
というのも、怖いことだと思います。