2011年09月16日

toujyouka016.jpg CEDAWフォローアップ

8月の末なので、すこし前ですが、女子差別撤廃委員の
フォローアップについて情報が入ったので、お話したいと思います。
民法改正とポジティブアクションに特定されたものですし、
どうなったのかとお思いのかたも多いと思います。

「UN CEDAW 国連女性差別撤廃委員会へのフォローアップ報告とNGOレポート」
「女子差別撤廃委員会の最終見解(CEDAW/C/JPN/CO/6)に対する
日本政府コメント(仮訳)」

「国連女性差別撤廃条約へ送付したNGOレポート」

 
民法改正に関してですが、日本政府のレポートはずいぶんと簡潔です。
「国会には提出しなかった」「検討を進めるとした」のように、
なにがあったかを書いているだけです。

最初のエントリでは、民法改正が遅れて、義務違反状態に
なっていることへの説明が必要だと、指摘しています。
日本政府のレポートには、その説明がぜんぜんないのでした。
民法が改正されていない現在の状態は、すでに義務違反状態なのであるから、
そのことについての説明・弁明が必要なはずである。
少なくとも、なぜ民法の改正が遅れているのかについて、
説明しなくてはいけない。


NGOのレポートは、政権交代以降、現在にいたるまでの経緯が、
とてもくわしく述べられています。
(奇しくも、政権交代と総括所見がほぼ同時期なので、
総括所見以降=政権交代以降になっていますね。)

「最大の欠陥は、ポリティカル・ウィルの欠如」としているだけあって、
政治の動きはていねいに追跡しているのでしょう。
これをご覧になれば、そういえばこんなこともあったなと、
いろいろと思い出してくるのではないかと思います。

NGOレポートの主要点を挙げると、つぎのようになります。
1.から3.が鳩山政権時代で、4.以降が菅政権時代の動きです。
そして、1.、2.、4.、6.、7.、8.、10.、12.、13.の
9つが政府与党の責任であり、1.、3.、10.以外はすべて否定的な内容です。

1. 政権交代後、千葉景子が法務大臣に就任し、期待感が膨らむ
2. 亀井静香が反対し、閣議決定が頓挫する
民主党が政権を取ってはじめて、法案提出されない年になるという、
皮肉な結果に終わる。
3. 嫡出・非嫡出の欄が未記入でも、出生届けを受理するようになった。

4. 2010年7月の参院選では、反対派の合意が得られず、
民主党は民法改正を選挙公約からはずす。
5. 自民党、国民新党、たちあがれの3党が選択別姓反対を選挙公約にする

6. 第3次男女共同参画基本計画策定の過程において、
法改正の必要性の直接的表現が削除になる
7. 2011年の通常国会では、予定法案にもならなかった。
8. 政治不信の加速と、夫婦別姓訴訟の提起
9. 婚外子差別の違憲訴訟が、当事者間の和解で却下

10. 第3次男女共同参画基本計画にもとづき「監視専門調査会」を設置。
CEDAW総括所見の進捗状況を監視。
11. 各教科書会社が夫婦別姓に関する記述を見送る

12. 法制審議会の答申を経てたなざらしになっているのが、
民法改正法案だけとなった。
13. 2011年は、与党内の調整もほとんど行なわれていない。
14. 2011年は、野党からの議員立法提出もない。

posted by たんぽぽ at 22:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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