2006年08月27日

toujyouka016.jpg 婚外子切り捨て

「民法改正運動の展開」の下の、
「婚外子差別撤廃の切り捨て」を、かなり修正加筆する。

 
「夫婦別姓雑感」のような主張の難点は、
「理想をめざすべき」という、お説教に落とすことだと思います。
市民活動家たちは、「現実の改善が大事」という、
強力な反論を準備しているので、簡単に言い返されてしまい、
おそらくは、ギャラリーへの説得力も、ないのだろうと思います。

婚外子を切り捨てたところで、反対派議員たちの
理解を得るのは絶望的で、市民団体の戦略こそ非現実的、
というふうにしたほうが、得策だろうと、わたしは思います。
ところがどうも、「夫婦別姓雑感」の著者は、
反対派たちの頑迷きわまりなさを、度外視しているようで、
それでこのあたりが指摘できないのも、あるのかもしれないです。

posted by たんぽぽ at 16:22 | Comment(12) | TrackBack(0) | 更新記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
はじめまして、リンクをたどって来ました。
エントリーを読んでビックリしています。

自己の権利を主張する市民運動家が、
他の人権侵害に荷担しかねないようなことをするなど、通常ありえません。

この夫婦別姓をいう人達は
市民運動家を自称しているにしかすぎないでしょう。

こういう人達がさして批判されていないとすれば、
それはその運動が孤立しているからではないのでしょうか。

国会質疑を御紹介しましょう。

馳 浩文部科学副大臣

「(婚外子差別について)子供は親を選んで生まれてくることができないがゆえに
いち早く改正すべきではないかという論があったと思いますし、
私もそれに賛同しておったものであります。
ただ、審議会から上がってきた答申がどうしても
夫婦別姓の問題が象徴的でございましたので、法案として最終的にまとまらず」

夫婦別姓と一緒だったから、「最終的にまとまらず」
婚外子差別の解消ができなかったと、
副大臣は言っています。

「この課題だけでも法案として出すべきではないのか、
あるいは、あのとき法制審議会で出てきた課題すべてを出さなければいけないのか、
この仕分も私は必要だと思うんですよ。」

婚外子差別解消が先行するとしても、
夫婦別姓を実現するための現実的方法として、
「婚外子差別の切り捨て」を主張した市民運動家は
「夫婦別姓を落とすな。」とは言えませんよね。

天ならぬ、人権に唾したのは、自分達ですから。

………………………………………………………
第164 - 参議院 - 少子高齢社会に関する調査会- 1号 
2008(平成16)年2月8日             

Posted by アクエリアス at 2006年08月28日 10:52
馳浩だなんてタイムリー、引退試合を行ったばかりなので・・・ってふざけているワケではないのですが、場外乱闘のイス攻撃で森前総理に直撃だったそうで何か象徴的です(?)。今後は政治家一本絞って、婚外子差別問題に積極的に取り組んでいただきたい、と思います。
それにしても、民法改正から夫婦別姓が切り離される、なんてこともありうる話なんですね。
Posted by うがんざき at 2006年08月28日 22:25
アクエリアスさま、いらっしゃいませ。
(レス、ちょっと遅くなっちゃって、ごめんなさいね。)

コメントくださって、どうもありがとうございます。
(このエントリに、コメントがいただけるとは思わなかったよ。)


くだんの市民団体は、代議士を招いての集会もよくやっていたし、
ロビーもさかんだったし、かなり密な活動をしていましたよ。
当人たちが、自称していたかどうかはべつとして、
第三者的には、「市民活動家」らしかったと、わたしは思います。

>こういう人達がさして批判されていないとすれば、

「夫婦別姓雑感」を書いたかたも、見ての通り、
婚外子差別撤廃の切り捨てに、徹底して反対したんだけど、
そのせいで、その市民団体のメンバーから、除外されたらしいです。
「さして批判されない」のは、都合の悪い人は排除するからでしょう...

>それはその運動が孤立しているからではないのでしょうか。

ネットにかぎって言えば、主流をしめていたと思います。
(全体の中で、孤立していたかどうかは、わたしにはわからないけど...)

それと、エントリとは別の団体で、もうひとつ、
選択別姓の実現だけめざしているという、市民団体があります。
なんでも、「婚外子差別を広げかねない」と言われて、
「われわれを批判するな」と、いきり立ったそうだけど。
(こういう強引さは、シングル・イシューの団体に、ありがちみたい。)
http://macska.org/article/123
http://taraxacum.seesaa.net/article/13334959.html


それから、国会質議、どうもありがとうございます。
(2006年=平成18年ですな。 ちょっと探しちゃったよ。)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/164/0083/16402080083001a.html

選択別姓を切り離して、婚外子差別撤廃だけ実現しよう、
という動きも、あることはあるのね...
そうなったとして、その市民団体の人たちが、
なんて言うのかは、わたしにはわからないが...
(「私たちも負けずに、声を挙げましょう」かな...?)
Posted by たんぽぽ at 2006年08月29日 20:50
うがんざきさま

少子化対策の中で出てきていますね。
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/164/0083/16402080083001a.html

馳浩副大臣の「ただ、審議会から上がってきた答申が
どうしても夫婦別姓の問題が象徴的でございましたので、
法案として最終的にまとまらず、与党としても提出されず」
のくだりは、民法改正から、婚外子差別のことが、
切り離されたことを、言っている感じですね....


>民法改正から夫婦別姓が切り離される、なんてこともありうる話なんですね。

選択別姓は、狂信反対派が、法務部会で毎年にぎりつぶして、
実現しないという、「実績」を作りましたからね...
婚外子差別撤廃の実現のためには、選択別姓といっしょなのを、
負担に思う人が出てきても、おかしくないのかもしれないです。
(かかる選択別姓の「実績」は、切り離しの際、説得力を持つかも...)

でも、婚外子問題だけを、めざそうとしても、
選択別姓のときと、おなじ事態になりそうだけど。
(「やっぱり家庭の在り方とか日本の文化というものが
一つありますですね。」などと、中野副大臣は、受け答えているし。)
Posted by たんぽぽ at 2006年08月29日 20:52
ご丁寧なお返事ありがとうございます。

>選択別姓を切り離して、婚外子差別撤廃だけ実現しよう、
という動きも、あることはあるのね...

民法改正運動の中で、婚外子差別撤廃の実現のために、
選択別姓を切り離すのが現実的な運動のやり方であると主張している人は
いないように思います。

そもそも、婚外子差別は法学会等で憲法理論上の問題とされ議論が積み重ねられています。
親子法が家の為→親の為→子の為へと進化していく過程の問題であるとも認識されています。
たとえば法定親子関係については、
全世界的に、嫡出推定や父の専権による認知(父権による主観主義)から
父性の推定(子の身分占有等による事実主義)へと転換していっています。
婚外子のみならず全ての子について、
子の福利のための親子法をという流れがあるのです。
当たり前にも、そこでは嫡出概念そのものが廃棄されています。

それから、相続分差別については裁判による解決も考えられます。
すでに高裁レベルでの違憲判決が二例確定しています。
最高裁は立法解決を促す付言判決を二度出しています。
これは、最高裁の立法府への最後通牒とも言われています。

また現在、政府は国連人権理事会(強制力を持つべく昇格しました。)に提出するために、
子供の権利、女性差別、人種差別の各条約についての報告書を作成中です。
こちらも、要注目でしょう。




Posted by アクエリアス at 2006年08月29日 22:18
こんにちは、レス、ありがとうです。

>民法改正運動の中で、婚外子差別撤廃の実現のために、
>選択別姓を切り離すのが現実的な運動のやり方であると
>主張している人は いないように思います。

婚外子は、選択別姓ほど、自分たちのやりかたでうまくいくと、
確信持っちゃう人は、いなさそうだけどね。
(なんて、内情にくわしくないので、どうなのかな...?)
じつは、心当たりがなきにしもあらず、なんだけど、
影響力は小さいし、それこそ孤立している感じなので、
ご紹介はやめておきますね。

名前の苦痛は日常的で、間断なくあってストレスになるし、
選択制に反対する人の考えは、まったく不可解だからでしょう。
変な陰謀論が飛び出したり、活動家のあいだで、
集団妄想(集団ヒステリー)が、発生したりしやすいのかもしれないです。


>国連人権理事会

ことしに入って、人権委員会を改組したとかいうのね。
(日本でとくに問題とされているのは、従軍慰安婦と、死刑制度なんだ...)
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=124
http://www.amnesty.org/un_hrc/japan.html

「強制力」というのは、具体的にどんななのかな...?
(調べたけれど、わからなかった...)
Posted by たんぽぽ at 2006年08月30日 23:23
>こんにちは、レス、ありがとうです。

こちらこそ、ご丁寧にありがとうございます。

>選択制に反対する人の考えは、まったく不可解だからでしょう。

現行の戸籍は夫婦とその未成熟な子を単位とするとし、実質的には「氏」を単位に編制されています。夫婦別姓を認めるとその原則が崩れ、引いては個人単位や、結婚、出生の事件毎の登録へと進むと見ているのでは?

戸籍が家族単位であることで、いわゆる「戸籍感情」を生じさせ、行政に対する萎縮効果があります。家族に家族を監視させ、「戸籍を汚す」ようなことを非難させる。これでは、近代的個人の形成は難しいです。お上は安泰ですけれど。

ただ、これは正面切って言えないので、情緒的な理由を言い立てばらまいている。その情緒的理由に付和雷同する人とは、論理的会話は当初から不可能です。
この手の反対派は、権力の動向に反応しているだけですから。

ところで、人権運動、女性運動との連携は考えていないのですか?

>名前の苦痛は日常的で、間断なくあってストレスになるし、

選択別姓が認められないことの被害をこのように理解しているなら、
婚外子とされることの被害はどのように理解しているのですか。

選択別姓が認められないことで、就学、就職、結婚等において差別されることはあるのですか?
また、婚外子に対する社会的差別はどう考えているのですか?

「婚外子差別を切り捨てる」ということなら、人権運動との連携は無理ですね。





Posted by アクエリアス at 2006年08月31日 10:25
夫婦別姓を望む人たちの中には、婚外子差別はまた別の問題だ、という人は結構いますよね。別姓が法的に認められれば自分の子供は嫡子になるわけですから関係ないと言われればまあそうですよね。私にとっては夫婦別姓実現があまり関係ないのと同じかもしれません。
ただし、”民法改正”を目的として運動していた人達が戦略的に婚外子差別を切り捨てたのなら大いに問題ですね、これは間違いありません。

現実にはどうでしょう。私は婚外子差別こそ人権問題に大きく関わることですので、こちらの方がどちらかといえば、実現性はやや高いように思いますけれど。婚外子問題に取り組んでいる某団体は裁判を起こし必死でやってきてます。まあ、ここでとりあげられているような、政治家だけに目をむけて活動してきた某別姓運動市民団体とは真剣度があまりに違うかな、と思います。
Posted by うがんざき at 2006年08月31日 12:58
レスありがとうございます。
しかしながら、あきれています。

>別姓が法的に認められれば自分の子供は嫡子になるわけですから
関係ないと言われればまあそうですよね。

この人達の夫婦別姓を求める理念はなんなのですか?

第159回 - 衆議院 - 憲法調査会基本的人権の保障に関する調査小委員会- 1号
平成16年02月19日
○参考人中央大学教授内野正幸君
憲法十四条は、実質的平等ではなくて、
形式的平等を原則的に命じるものである。
その際に、合理的区別を例外としているということであります。
……中略……
いわゆる非嫡出子、婚外子というふうに呼ぶこともできるんですけれども、
婚外子への差別は違憲であるというふうに書きました。
……中略……
選択的夫婦別姓ですけれども、
これは憲法十四条が要請するものであるとは考えておりません。
立法政策的に望ましいものとして、その実現、推進を図るべきだと思うわけです。

婚外子差別は違憲→法改正を、夫
婦同姓は合憲→立法政策でどうぞ。
ではどうする。夫婦別姓の圧倒的世論を創り出すしかないじゃないですか。
社会的圧力から夫の氏にせざるをえないという現状から、
女性が婚姻によって生来の氏を失う実質的、精神的不利益を訴え世論を喚起する。

反対派を説得しようとするのは、時間と労力の無駄でしょう。
彼等を圧倒するだけの世論で包囲する。
そのために幅広く運動と連帯する。(ネット中心では無理です。)

この人達は、その時どんな主張を展開できるのでしょうか。

「婚外子差別問題は私達に関係ありません。
夫婦別姓さえ実現すればいいんです。」とでも言うのですか。
こんな人達と連帯して、落ちぶれたい運動体はないでしょう。

ただこの人達とは別の、
夫婦別姓と婚外子差別の撤廃を共に目指す民法改正運動もあるようですね。



Posted by アクエリアス at 2006年08月31日 21:41
アクエリアスさま

いや、わたしは、反対派が実際に、どんな理由で
反対しているかを、言っているのではないです。
反対派たちが、反対するということが、
ふつうの人たちにとって、想像を絶することだ、ということです。

>ところで、人権運動、女性運動との連携は考えていないのですか?

「連携は考えていない」のは、エントリやコメントで、
お話している、市民団体が、ですか...?

どちらの団体も、自分たちの活動が、人権運動や女性運動と
思われるのを避けたがる傾向があります。
(ようは、そのように思われると、反対派議員たちに、
悪く見られそうだから、だけど。)
そんな人たちですから、いわゆる人権団体や女性団体とは、
連帯なんてしたがらないでしょうね。

それとも「連帯」って、わたしに言っているのかしら...?


>選択別姓が認められないことの被害をこのように理解しているなら、
>婚外子とされることの被害はどのように理解しているのですか。
>「婚外子差別を切り捨てる」ということなら、
>人権運動との連携は無理ですね。

これは、わたしに訊いているんですか...?
それとも、「くだんの市民団体の考えを、
たんぽぽはどう思うか?」という、ご質問ですか...?
Posted by たんぽぽ at 2006年08月31日 23:15
アクエリアスさん

>夫婦別姓の圧倒的世論を創り出すしかないじゃないですか。
社会的圧力から夫の氏にせざるをえないという現状から、
女性が婚姻によって生来の氏を失う実質的、精神的不利益を訴え世論を喚起する。

本来的意義ではそうなりますが、現状はどちらかといえば、精神的不利益よりも、実務上の不利益(仕事上の不都合や、一人っ子同士の結婚で家業を継ぐなどの場合などなど)にフォーカスする傾向が、ここで揚げられている市民団体や最近の人たちのスタンスに見受けられます。たんぽぽさんのご指摘の通り、人権運動や女性運動と思われたくないのです。何より彼らはフェミニズムと揶揄されることを恐れています。
つまり、いかに与党のおっさん達に認めてもらうか、という視点に立てば、フェミニズム的なものを捨てるしかない、という考え方なのでしょう。
私から見ればライトタッチですね。これではキャリアウーマンなどにしか、改姓しなくてもいい根拠がなくなり、多くの人に共感は得られないのでは。
要は政治家に目を向けすぎて、市民に目の届かない市民運動になっていってしまったのでしょう。
アクエリアスさんの言う通り、ネットだけの運動ではだめでしょうね。
Posted by うがんざき at 2006年09月01日 12:33
うがんざきさま
コメントいっぱいくださって、どうもありがとうございます。

じつは、くだんの市民団体(エントリのほう)の人たち、
「選択別姓は、人権問題だと思いますか?」と、
ずばり、掲示板で訊かれたことが、あったのだよ。

人権問題というのは、動かしがたい事実なので、
すっかり否定は、できなかったみたいだけど、それでもなんとかして、
人権問題でない面を前に出そうと、がんばっている感じでしたね。
(ああ、おしまいに出てくるのは、
選択別姓反対派だから、参考にしてはだめだけど。)
http://www.geocities.jp/taraxacum_off/log/3-2/huright.html

学生さんの質問だったんだけど、
市民団体の人たちのお答えを聞いて、どう思ったかは、
これっきり、掲示板に現われなかったので、わからないが...
Posted by たんぽぽ at 2006年09月01日 20:04

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