前のエントリでご紹介の、市民運動出身の宰相の特徴として、
考えをおなじくする人たちとの行動に慣れていて、
考えが異なる人たちの扱いに、不慣れであることがあったのでした。
http://thomas-aquinas.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/201191-9a8f.html
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憲法を守るため、脱原発の理念を守るためなら命をかける。
同じ志を持った仲間となら、それでいけるんです。
でも、統治はそれだけではあかん。
立場の違う人たちと、どう付き合うか。
そこを訓練しておかないと、いざリーダーになった途端に立ち往生してしまう。
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こうした事例を見ると、この正反対のサンプルとして、
小泉純一郎を、わたしは思い浮かべるのでした。
http://kinpy.livedoor.biz/archives/51632793.html
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小泉純一郎は逆だ。弱い立場でも吠え続けた。戦い続けた。
だから多くの抵抗も受けた。それも党内から。
自分が不利な状況下で戦わざるを得ないとこに追い込まれ、
そんな中でも勝ってきた
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小泉純一郎氏は、もともと自民党内では反主流派でした。
まわりは、考えがおなじ人というのはすくなく、
とうぜん論敵だらけで、批判も多く受けることになります。
そのような不利な状況でもあえて闘ってきたので、
自分が権力の座についたときは、あのような実行力を発揮したのでしょう。
このような「強さ」は、市民運動出身の人には、
なかなかないことで、対称的なのだろうかとも思います。
小泉はとうぜん批判の受けかたも熟練していたでしょうし、
立場の違う人たちの扱いも(彼なりに)心得ていたのでしょう。
実際、コイズミは、わたしが菅氏の問題点と考える
自己保身とは無縁だったと思います。
コイズミの政策や政治信条は、批判するところが多いですが、
この種の「強さ」は評価せざるをえないと、わたしは思います。
その小泉さんですが,取り敢えず以下の二つが菅さんと対照的なものとして挙げたいものです。
1.小泉さんの成功はやはり国民を味方につけたから。小泉さんの眼線はやはり国民を見ていたのです。ただし,決して国民の幸福をどうにかしてあげよう,という意味でなく,こいつらをどう騙そうかという動機だけど(^o^)/。
2.宰相の地位を惜しげもなく賭ける覚悟を持っていたこと。要するに本気で喧嘩する度胸を持っていたのです。その喧嘩は国民の眼を意識したものでしたが,勝てるという見通しは決して立たなかったはずです。その中で喧嘩を始めた度胸は大したものです。
残念ながら菅さんは・・・もうやめときますが・・・
>仰る通り,菅さんを考えるのに小泉さんと比較するのは最も良い方法だと思います
おお、比較の対象が一致しましたね。
>1.小泉さんの成功はやはり国民を味方につけたから
コイズミが国民を味方につけるようになったのは、
闘いを続けるうちに、身につけた戦略だろうと思います。
党内で支持者がすくないので、外部に支持を求めるということだけど。
でも、味方につけると言っても、国民のためになにかする、
というよりは、自分の闘いのために利用する、
というやりかたではありましたね。
>2.宰相の地位を惜しげもなく賭ける覚悟を持っていたこと
このあたりの思い切りも、少数派としての闘いを
続けていたからだろうと思います。
党内での既得権がすくないので、失なうものもすくない、
それで持てるものを、惜しげもなく賭けられたものと思います。
コイズミは、衆院で郵政法案が通過したとき、
ちょっと浮かない顔をしたそうです。
たぶん、解散総選挙の口実にするつもりでいて、
衆院で否決されると思ったのでしょう。
なので、コイズミは、郵政選挙には勝算があると思って、
狙ってやったんだと思いますよ。