2006年09月09日

mar0006.gif韓国の少子化

諸外国の、合計特殊出生率の推移を、見ていると、
韓国の少子化が、とりわけ急激なことが注目をひきます。
1970年は4.5と、開発途上国並みでしたが、2005年には1.08と、
日本やヨーロッパ諸国を抜いて、最低レベルの出生率となっています。

現代のいわゆる「先進国」の、少子化の原因は、
どこもおなじようなのですが、韓国の急速さには、
なにか、独自の事情があるのでは?と、思っていました。

そうしたら、『現代韓国と女性』(新幹社、春木育美著)という本に、
このあたりの事情が出ていることが、わかりました。
本当は、本を読むところなのでしょうが、時間の都合で、
朝日新聞8月27日の「読書」欄の、小林良彰氏の書評を、
ご紹介することにします。
宮乃さまのブログに一部が引用されている。)

 
韓国では1970年代に、強力な人口抑制政策がありました。
これによって、子どもの数が減ってきて、
ひとりあたりに、多くの教育費がかけられるようになり、
大学進学率が、男女とも80%を超すまでになりました。
これにともなって、社会に出て働き続ける女性も、
きゅうに増えてきたもののようです。

ところが、社会の制度や意識は、むかしのままで、
こうした女性を受け入れられるよう、整備されていないのでした。
大卒が増えたことで、就職難となったのですが、
このしわよせは、やはり女子学生に多く来て、
4年制大学を卒業した女子のうち、正規職に就けるのは
40%くらいにすぎなくなっています。

また、出産や育児のサポートも、多くの職場で守られておらず、
子どもを産んで、職場をいったん離れてしまうと、
90%くらいの人が、もとの職場に戻れなくなっています。
それで、子どもを産まないで、そのまま仕事を続ける
女性が多くなり、急速な出生率の低下をもたらしたのでした。

女性の社会進出が、他国にも増して急速だったのに、
これを受け入れる社会の対応が、ほとんどできていない、
というのが、韓国の特殊な事情だったようです。
「少子化の国際比較報告書」「本文2」の資料でも、
韓国は、女性の労働力率が低くて、出生率が低いという、
C2タイプに入っているのも、このあらわれと言えるでしょう。


それでも、教育のレベルが上がったことは、
民度の上昇も、もたらしたのでしょうか?
改善を求める市民運動も、激しく展開されているようで、
05年に男権的な身分登録の、戸主制の廃止が決まりました。
また、大統領によるトップダウンによって、
公務員へのポジティブアクションや、国会議員のクォータ制が導入され、
女性の首相も出てきています。

産まれてくる子どもが、女子だと堕胎するという、
開発途上国的な体質が、いまだにあるものの、
変革が急激に進んでいるのも、たしかなようです。
あと10年くらいしたら、日本と韓国とで、立場が入れかわるかもと、
21世紀のはじめくらいに、わたしは思っていたのですが、
本当に2010年ごろには、そうなるかもしれないです。

posted by たんぽぽ at 17:37 | Comment(0) | TrackBack(1) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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