これをご覧のかたでしたら、まあそんなものだと納得するでしょうか。
「「セクハラ、痴漢、強姦が日常的に行われているから…」」
(はてなブックマーク)
セクハラ、痴漢、強姦が日常的に行われているから、言葉だけでも、女性を蔑視し、攻撃するぞと脅すヘイトスピーチは、現実味を持った恐怖感を与え、女性にとって脅威となる。単なる言葉の問題ではないのだ。他のマイノリティについても、同じである。
— 沼崎一郎 (@Ichy_Numa) 2011年11月22日
たとえば、満員電車の痴漢は「日常的」と、
まことに遺憾ながら、言わざるをえないでしょうね。
電車で通勤・通学したことのある女性でしたら、
ほとんど全員が経験しているのではないかと思います。
痴漢対策として、一部男性の大嫌いな「女性専用車両」が
あるくらいですから、頻発しているのはたしかでしょう。
セクハラも、職場の上司や同僚など、身近な場所で、
身近な人間関係において起きることです。
したがって、セクハラのほとんど起きない恵まれた環境に
いるかたでも、実感を持つことができるでしょう。
じゅうぶん「日常的」と言えるだろうと思います。
強姦が日常的かどうかについては、つぎの記事があります。
岡山県内の4大学の女子大生を対象に、
性的な被害にあったかどうかを尋ねた調査です。
これを見ると、女子大生全体の44.8%(266人)が、
性的な被害を経験したと答えています。
また19.0%(113人)が、性被害で深く傷ついた経験があるとしています。
「女子大生の4割超、性被害経験…岡山4大学調査」
性被害の内訳を見ると、強姦と呼べるものもあります。
そして経験した学生の割合がこれだけあるということは、
ほとんどの女子大生は、自分も強姦にあうかもしれない可能性を、
日頃から意識しているのではないかと思います。
はじめの沼崎氏のツイートの主旨によると、
「日常的」というのは、ことばの脅しだけで
「現実味を持った恐怖感を与え」うるということです。
したがって、単純に頻度が高いということはもちろん、
現実のこととして実感を持ちやすいとか、
日頃から危険を意識せざるをえない、ということは、
これらが「日常的」と言えるだろうと思います。
ところで、このように「性犯罪が日常的」と言われると、
それをおもしろくないと考える男性がいるのですね。
そのひとりが、小倉弁護士です。
10月31日エントリと、11月12日エントリでご紹介した、
ミスコン擁護にひた走ったかたです。
小倉弁護士は、公務執行妨害の認知件数の約半分だから、
強姦は日常的ではない、などと言っています。
これに対しては、強姦はもっとも泣き寝入りが多く、
公務執行妨害は泣き寝入りがきわめてすくないので、
認知件数を比較しても意味がない、という反論があります。
強姦の認知件数は平成21年で約1400件。公務執行妨害(約3000件)の約半分。日常的ではない。RT @Ichy_Numa: セクハラ、痴漢、強姦が日常的に行われているから、
— 小倉秀夫 (@Hideo_Ogura) 2011年11月23日
ちなみに、強姦は最も泣き寝入り率が高いと考えられている犯罪のひとつ、公務執行妨害罪は最も泣き寝入りが考えにくい犯罪。
— モトケン (@motoken_tw) 2011年11月23日
性被害は届けを出しにくく、泣き寝入りが多いことは、
これをご覧のかたには、言うまでもないだろうと思います。
さきの読売の記事を見ると、「深刻な被害を受けた人でも
8割が警察に届けて」いないとあります。
ほかに、小林美佳氏による犯罪被害者の講演会を見ると、
自分のところに相談に来た2000人の被害者のうち、
警察に届けているのは20人しかないとあります。
そして裁判になっているのは5人しかいません。
膨大な件数が暗数化していることになるでしょう。
「犯罪被害者等施策講演会(第4回)」
そうしたら、小倉弁護士はこんなことを言ってきました。
「強姦が日常的」というのは、「男性は日常的に強姦をしている」と
言われていると感じているようです。
私たち日本人男性は、ろくな根拠もなしに、日常的に強姦を行っているとレッテル張りされてしまっているんだよね。RT @Return_TaroRX:
— 小倉秀夫 (@Hideo_Ogura) 2011年11月23日
これがじつは、小倉弁護士に限らず、性犯罪が日常的と言われて
不愉快になる男性の通性なのではないかと思います。
「お前も危険な強姦魔だ」と言われている気がするので、
「強姦が日常的」というのを否定したくなるのでしょう。
ここで言っているのは、性被害にあった女性が
決してすくなくないということと、多くの女性にとって、
性犯罪が日常的なものとして実感できる、ということです。
加害者の男性が多いかどうかは、なんとも言っていないです。
おそらく、被害者の数>>加害者の数と思われるので
(ひとりの男性が複数の女性に被害を与える)、
小倉弁護士が思い浮かべるような危険な男性は、
男性全体の中では、比較的少数なのだろうとは思いますよ。
そんな意識を変革しないと犯罪は減らないでしょう。
鉄道事業者は痴漢が減少すれば女性専用車両をやめるわけではありません。つまり、痴漢が頻発していなくても女性専用車両が行われている蓋然性が存在するわけです。
よって、「女性専用車両があるということは、痴漢が頻発しているということだ」という解釈は正確ではありませんので慎むべきです。
このホニャラ弁護士(後述の理由によりあえて仮名にします)は、つぶやきを発信しつつ、ネット上で営業活動をしているように思えます。
私が弁護士に持つイメージが偏っているのかもしれませんが、「男尊女卑を公言してはばからない弁護士」なんて、かなりの少数派なんじゃないでしょうか?
だとすると逆に言えば、女性への性犯罪で訴えられた男性被告(彼が冤罪だと信じている場合を除く)にとっては、このホニャラ弁護士は、数少ない自分の真の味方ってことになりますね。
ツィートでの発言を思い出し、ネットサーフィンで事務所の連絡先を探しだして、弁護を依頼するヤツもいるんじゃないかな。
供給過小のシェアに売り込めば、弁護士料も高く設定出来そうです。「先生に見捨てられたら、俺はどうすればいいんだよ!」って力関係に、容易に持ち込めそうですから。
ホニャラ弁護士にとっては、己の心情に沿った仕事で、顧客が増やせて報酬も吊り上げられる。一石ニ鳥にも三鳥にもなる可能性のある、ツィートなんじゃないでしょうか。
このエントリにコメントありがとうございます。
やはりよくある、「差別をカテゴリー間の構造の問題として
捕えることができず、個人のふるまいとしか理解できない」
というパターンなんでしょうかね?
そうだとしたらその差別観は、弁護士として問題ありだと思います。
女性専用車両は、痴漢対策として警察の要望を受けて、
鉄道会社が導入をしたものです。
よって、痴漢が多いために女性専用車両が導入された、
というのは自明のことだと思います。
>痴漢が頻発していなくても女性専用車両が行われている蓋然性が存在する
この「蓋然性」とは具体的にはどんなことでしょうか?
どんな「蓋然性」があるのかわからないです。
「日常的に起こりうること」と表現されるのは当然だと思います。性暴力は暴力のひとつ、暴力も当然「どこでもいつでも起こりうること」ですしね。
地下鉄は、ダイヤを乱されるのも嫌なので女性専用車両やめないと思いますよ。3分に何本も来る電車を順調に流せない状況が作られるのは、鉄道会社にとっても客にとっても迷惑でしょう。警察だって人をそちらにばかり割くことができませんしね。やっぱり、性暴力は多いんですね。
このエントリにコメントありがとうございます。
性犯罪の加害者は、O先生に(伏せ字にしておきますね)
弁護を頼めば強い味方になってくれる、というのは、
ツイッターでも言われていましたね。
でも「営業活動」をするほど、戦略的でもないように思います。
既得権益層にいるので、女性の権利に鈍感になっているという、
ままあるパターンではないかと思います。
わたしもよくわからないけど、西村真悟みたいな人もいるので、
弁護士の中にもときどきいるタイプなのかもしれないです。
http://lacrima09.web.fc2.com/teardrops/against/sense.html
最初の議論のときは、わたしから横リプライしたんだけど、
http://togetter.com/li/207244
2回目の議論のときは、わたしはだれにもリプライしていなくて、
O弁護士から突然議論をしかけて来たのでした。
http://togetter.com/li/209555
自分の名前や「ミスコン」などで、検索をかけているみたいです。
議論で負けたくないというタイプなのかもしれないです。
あるいは、「女なんかにやられたと思いたくない」
というタイプだったりするのかもしれないです。
このエントリにコメントありがとうございます。
そうですよね、性犯罪・性被害が「日常的に起きている」と
表現することに、なんら違和感はないですよね。
>鉄道会社にとっても客にとっても迷惑でしょう
なるほど、女性専用車両の存在は、
大多数の乗客の利益にもかなっていると言えますね。
それで、まがりなりにも受け入れられていて、
反対の力があまり強くならないのかもしれないですね。
首都圏は鉄道会社が消極的で、女性専用車両の導入が
遅れていたんだけど、いったん導入してからは定着していますね。
女性専用車両は役に立っている=痴漢がそれだけ多い、
ということなのだと思います。
「ウエディングドレス」などミスコンがどういう性質のものであるかのまさにテンプレだと思うんですが。
帰ってきたミスコン(慶応大学)
多くの女子アナウンサーが輩出し、女子アナの登竜門と言われることもある慶応義塾大学の学園祭・三田祭の「ミス慶応コンテスト」。今年、2年ぶりに開催された。
純白のウエディングドレスに身を包んだ候補者が舞台に登場すると、会場のテンションは一気に上昇。
https://aspara.asahi.com/blog/real/entry/iAQF7MGIzb
ご紹介、ありがとうございます。
いまの(?)ミスコンは、ウェディングドレスを着るんだ。
古典的(?)な、水着姿ではないのですね。
たしかに、ウェディングドレスを着せるというのは、
「オトコの願望」をしめしていると言えそうですね。
性犯罪者の罰って軽いと思います
実は、知り合いの女の子が彼氏と性行為をしている映像を
インターネット上でバラまかれて
その彼氏とは、もう別れたようですが
その女の子は
泣き寝入りのようです
僕は関係ありませんが
知り合いの女の子ということでショックでした
その男の人は、罪にとわれていない
というのは納得できません
コメントありがとうございます。
おともだちの女の子、ずいぶんとひどい目にあったのですね。
泣き寝入りしたのも、おそらく相当に傷ついて、
告発する気力は残っていなかったのでしょう。
あなたも、とてもショックだったとのこと、
心中お察し申し上げます。
カレシがカノジョのわいせつな写真を公開する、
(あるいは、公開すると脅す)というお話は、
ときどき聞くことがありますよ。
ある種の男性の常套なのかもしれないです。
>その男の人は、罪にとわれていない
>というのは納得できません
わいせつな画像でしたら、ネットに公開するだけで
犯罪になるので、第三者による通報もできるとは思いますが...
性犯罪は被害者が泣き寝入りすることが多いので、
なんらおとがめを受けずに、日々を暮らしている加害者も
たくさんいる、ということだと思います。
とても悲しいことだと思います。
あと、わたしのブログでコメントをなさるときは、
不特定多数を連想させるものではなくて、
ユニークはハンドルをお使いいただけたらと思います。
(ここでコメントをするためだけに、
にわかに作ったハンドルでも構わないです。)