委員会からの回答が集められたサイトがあります。
「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」
先日8月のフォローアップについて、女子差別撤廃委員会からの
見解も出ているので、ご紹介したいと思います。
http://www.gender.go.jp/teppai/6th/commission_opinion_e.pdf
http://www.gender.go.jp/teppai/6th/commission_opinion_j.pdf
最後のほうに、このようなことが述べられています。
すこし長くなりますが引用します。
http://www.gender.go.jp/teppai/6th/commission_opinion_j.pdf
委員会は民法及び戸籍法の差別的規定に関する
パラグラフ18の勧告について、一部履行されたものと判断する。
民法及び戸籍法の一部を改正する法律案(仮称)は
婚姻適齢の男女統一、選択的夫婦別氏制度の導入、
嫡出である子と嫡出でない子の相続分の同等化を内容とする一方、
女性のみに課せられている6ヶ月の再婚禁止期間の
廃止を規定しておらず、内閣でまだ採択されていない。
それゆえ、委員会は日本政府に対し、1年以内に
以下の追加的情報を提供するよう、勧告する。
a) 男女共に婚姻適齢を18歳に設定すること、
女子差別撤廃条約16(g) の規定に沿って夫婦氏選択を認めること、
嫡出である子と嫡出でないの相続分を同等化することを
内容とする民法改正案の採択について講じた措置
b) 女性のみに課せられている 6か月再婚禁止期間を
廃止する法律規定の準備及び採択に講じた措置
ひとことで言えば、「1年以内に民法改正をしろ」ですよ。
ずばり言われてしまった、というわけですね。
「女子差別撤廃条約16(g) の規定」とは以下の内容です。
苗字について男女で平等な個人的権利を
保証することが、かっこ書きでしめされています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/3b_004.html
1 締約国は、婚姻及び家族関係に係るすべての事項について
女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとるものとし、
特に、男女の平等を基礎として次のことを確保する。
(g)夫及び妻の同一の個人的権利(姓及び職業を選択する権利を含む。)
「パラグラフ18の勧告」とは、2009年の女子差別撤廃委員会の
総括所見のうち、民法改正に関することです。
http://taraxacum.seesaa.net/article/126241063.html
18. 貴締結国が、民法改正の実現のために、
ただちに行動することを、委員会は催促します。
つまり、結婚できる最低年齢を、男女とも18歳にすること、
女子のみにある再婚禁止期間を廃止すること、
そして、選択的夫婦別姓制度を導入することです。
さらに、婚外子とその母親に対する、民法と戸籍法で定められた、
差別的規定を廃止するよう、委員会は催促します。
また、世論調査の結果ばかりを理由にしてはならず、
法体系の一部として、条約の条項と整合が取れるよう、
国内法を整備しなければならないこと、したがって民法改正は、
条約に批准した国が義務としてなすべきである、ということを、
委員会は指摘しておきます。
わたしの予想ですが、これでも、1年以内に民法改正の
実現はしないのではないかと思います。
いまの民主党政権は、民法改正の実現を推進すると、
世論の反発を受けて支持率が下がると、思っているフシがあります。
また、連立している国民新党の反対を押し切って、
閣議決定ないし議員立法で発議することもないでしょう。
いつも審査のたびに、おなじような勧告を受け続けて、
いつまで引き延ばすのかと思いますが、女子差別撤廃委員の勧告を、
現政権がさほど重視するとも思えないです。
来年2012年の通常国会も、予定法案に上がらない
可能性も高いと思います。
わたしのブログにお越しくださり、ありがとうございます。
>延々とこんな勧告を受け続けていて
条約は守らなければならない、という意識が希薄だと思います。
実効的な罰則がないので、このままいつまでも、
だらだらと引き延ばすのではないかという気がします。