2011年12月31日

toujyouka016.jpg 慰安婦平和の碑

従軍慰安婦の水曜集会と言われるものがあります。
これは、もと慰安婦たちや支援者たちが、毎週水曜日に、
慰安婦問題の解決を求める集会を開く、というものです。
すこし前ですが、12月14日に、ソウルの日本大使館前で
行なわれたデモで、ちょうど1000回に達しました。

1000回目のデモのときは、これと連動して、
日本でも、人が手をつないで鎖を作り、
外務省の建物のまわりを取り囲むことがなされました。

「来週の水曜日は」
「慰安婦問題解決訴え「人間の鎖」で外務省包囲=来月」
「外務省囲みシュプレヒコール=元慰安婦支援の団体ー東京・霞が関」
「台湾でも韓国の水曜デモ1000回目と連帯するアクション」
「ゴーゴー・ソウル 2011 Go Go Seoul 2011」(写真が出ている)

 
この1000回集会の際に、慰安婦平和の碑と呼ばれる、
従軍慰安婦だった少女をモチーフにした像が建てられました。
ソウルの日本大使館の向かいのところにあります。
以下の記事にその写真が出ています。

「元慰安婦、1000回目の集会〜「平和の碑」の前で」

ところがなにを思ったのか、日本政府はこの少女像を
撤去するよう、韓国側に伝えていたのでした。
8日の記者会見で、藤村修官房長官が明らかにしたのですが、
「好ましくない」、日韓関係に「否定的な影響を与える」
などと言っています。

「日本の慰安婦平和碑設置中断要請、韓国政府「難しい」」

しかし、本当に否定的な影響を与えかねないのは、
少女像を撤去させることで、過去と向き合おうとしない、
日本政府の不誠実な態度だと思います。
真の友好親善を願うなら、このような記念碑は、
日本政府から積極的にお金を出すなどして
支援してよいくらいでしょう。

ついでながら、この少女像を建てたのは市民団体です。
市民団体の建てた記念碑を、政府が外交ルートを通して
撤去させようというのは、過剰反応だとも言えます。


韓国政府は日本のこのような要求には、応じるはずもないです。
18日の野田首相との会談では、韓国の李明博大統領は、
(それまであまり言及しなかったらしい)慰安婦問題に触れ、
日本側に誠意ある解決を求めました。

さらに、「誠意ある措置がなければ第2、第3の像が建つ」
とまで言ったのでした。
韓国大統領は、かえって強い態度に出てきたわけで、
日本政府が「余計なこと」をしたことが、
逆効果になったわけです。

「少女像「遺憾」、武藤大使が撤去要求=「被害者の思い反映」と韓国側」
「慰安婦問題「首脳会談で協議」=仲裁委での解決も模索ー韓国」

「韓国大統領、日本に従軍慰安婦問題の解決促す」
「「永遠に負担抱え続けることに」李大統領、慰安婦問題で」
「「第2、第3の少女像も」=韓国大統領」


日本政府(野田政権)はいまのところ、これ以上傷口を
広げることは、とくにしていないようです。
「慰安婦の補償問題は解決済み」とは主張しましたが、
「慰安婦なんて売春婦にすぎない」のような、
歴史修正主義者の主張を持ち出したりはしていないからです。

2007年に安倍政権が、アメリカ下院での慰安婦非難決議
可決を妨害しようとしたことがあったのですが、
このときは歴史修正主義者の主張まで持ち出したので、
国際的非難が轟々となったのでした。
野田政権が立派な対応をしているのではないですが、
安倍政権ほどおろかではないみたいです。


日本政府は、1965年の日韓基本条約で、植民地時代の
補償は解消しているから、慰安婦問題も解決済み、
という立場を続けています。
韓国側は、慰安婦問題は日韓基本条約に含まれないとして、
日本政府による謝罪と賠償を求めています。

これまで、日本側からは、アジア女性基金のような
人道的レベルでの補償はあったのでした。
ところが、日本政府からの公式な賠償は
いまだになされていはいません。
韓国政府やもと慰安婦たちは、日本政府からの
公式な賠償がほしいことは言うまでもないでしょう。

「朝日の社説を批判するー元「慰安婦」問題について」


国際的には、女子差別撤廃委員会や、自由権規約委員会、
拷問禁止委員会など、いくつかの国際条約にともなう
委員会から勧告を受け続けています。
国際社会は韓国の主張を正当と考えているわけです。

ドイツのユダヤ人に対する補償などを見てもわかるように、
一般に国際社会、とくにヨーロッパにおいては、
戦争責任や戦後補償に関して、きわめて潔癖な態度を取ります。
そして日本軍による慰安婦制度の被害国は、
韓国だけでなく、中国、東南アジア、イギリス、
オランダ、アメリカなどもあります。

慰安婦問題で日本に味方する国はないと言ってよく、
実際この問題では、日本は国際的に孤立しています。
ところが「外国から女性差別を批判される」話題は、
メディアがあまり取り上げないこともあって、
多くの日本人は、日本が国際的に追いつめられていることを
よく知らない状況になっています。

posted by たんぽぽ at 21:19 | Comment(33) | TrackBack(2) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
仰る通りです。実名匿名関係なく、差別感情丸出しの脳内妄想を吐き出す人は論外なのですが、行われた事実関係自体を知らない人が恐ろしく多いと思っております。
Posted by Fox_Oedo at 2012年01月03日 19:20
Fox_Oedoさま、いらっしゃいませ。
わたしのブログにコメントをくださり、ありがとうございます。

>行われた事実関係自体を知らない人が恐ろしく多いと

そうなんですよね。
国民の多くが知らないから、世論が盛り上がることもなく、
解決の道へ向かわないのもあるのだろうと思います。

そして、この問題で日本が国際的に孤立して、
かなり深刻な事態になっていることも、知らない人が多い。
そのうち取り返しのつかないことになるのではないかと心配です。
Posted by たんぽぽ at 2012年01月03日 23:32
たんぽぽさん,今年もよろしく。

私も全く仰る通りと思います。

「事実を無かったことにしたい」人々は「事実そのものは人道的に恥ずかしい」と思っているのです。ですから否定する”ウソ”の論拠に飛びつくわけですね。
そういう人たち(否定する論拠を捏造する人も含め)は「事実そのもの」を直視できない,気持の弱い人なんでしょう。論理的には「やってはいけない」ということを知っている人たちということになります。日本人がそんなことを犯したことに堪えられないわけです。(不勉強な人は度外視)
ナイーブといったらいいのか不誠実というべきなのか・・・

その他に,「事実はあったかも知れないが,あの連中は日本が何度謝っても,何度も謝罪を要求する」と思っている人たちもいます。
しかし,公的に謝罪しても,よってたかってそれを否定するので(議員クラスが),韓国側は「一体どっちなんだ!」ということになります。

事実と直面したくない人に言いたいのは,「人道的に恥ずかしい罪」を犯すのは,古今東西,日本人だけではないので,安心して?「事実を直視して」,その事実に対して心からの反省と謝罪をするべきではないか?ということです。
Posted by アルバイシンの丘 at 2012年01月04日 10:04
否定派?の焦点は日本軍が組織的に関わってやったのではない。そのような公文書はない。ということなので、彼らが守りたいのは日本ですらなく旧日本軍の「名誉」というちっぽけなものなんだと思いますよ。
Posted by pulin at 2012年01月04日 12:39
アルバイシンの丘さま、
新年明けましておめでとうございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。


ご指摘の通り、慰安婦問題の「否定」については、
ふたつのパターンというかレベルがあることになりますね。
ひとつは「事実をなかったこと」にしたい人たちであり、
もうひとつは、事実はいちおう認めるけど、
「賠償を終わったこと」にしたい人たちですね。

野田はすくなくとも「賠償を終わったこと」に
したい人ではあるわけですね。
(「事実をなかったこと」にまでしたいのか
どうかはわからない。)

前者タイプについては、これまたご指摘の通り、
慰安婦制度という事実をうしろめたいと考えていて、
それゆえ「なかった」ことにしたいわけですね。
「あれが本当ならとても悪いことだ」という意識は
持ち合わせているのでしょう。

>ナイーブといったらいいのか不誠実というべきなのか

不誠実と言っていいでしょう。


後者については、慰安婦問題に関して、
日本政府からの公式な賠償がないことや、
国際条約違反で勧告をいくつも受けていることを、
ご存知ないかたも多いと思います。

韓国が要求することばかりが取り上げられるので、
いつまでもしつこく賠償請求を繰り返しているかのような
印象だけ残るのだろうと思います。


>「人道的に恥ずかしい罪」を犯すのは,古今東西,日本人だけではないので,

残念ながら、事実を直視しない人たちというのは、
そういう事実があると、「外国もやっているんだから、
日本だってかまわないんだ」と相対化して開き直り、
日本の加害性を薄めようとするのですよね...
Posted by たんぽぽ at 2012年01月04日 22:23
pulinさま、
このエントリにコメントありがとうです。

慰安婦の「否定派」の中には、日本軍や日本政府が
関わっていたことを否定する人たちもいるようです。
でも軍や政府の関与に関しては、資料的裏付けがあるので、
むしろ「強制連行の事実はなかった」と主張する
パターンが多いようです。

わたしもよくわからないけど、「否定派」の中には、
自分自身が日本国と一体化している人たちがいるようです。
それで従軍慰安婦のような、日本の国家や軍の犯罪があると、
自分自身の旧悪をえぐられたかのようになって、
躍起となって否定するのではないかと思います。
Posted by たんぽぽ at 2012年01月04日 22:25
現実に韓国人や朝鮮人の友人がいるので、こういう問題の時にそういう友人たちと「困ったねえ」と話したりすることもあります。

韓国・朝鮮の政府たちはいくらそちら側の人々をまとめてもまとめきれない。結果、国を通したり通さなかったりしてばらばらに日本に要求しようとする。それを見て、日本人は朝鮮半島に対する悪印象をより強くしていく。

あちらさんがまとめきれないのは当然です。感情というのはその時々で集団心理が暴走してしまうものですし、集団心理や集団ヒステリーというのは止めるのもとっても大変でしょう。内部で止めようとすれば敵視されてしまうからです。

この問題は、彼らに近づけば近づくほど色んな面を持っていることに気づかされます。あちらさんの政府がまとめきれない戦後の感情であったり、あちらで主流となっているキリスト教の「許せ、さもなくばあなたも許されない」という教えと感情の葛藤であったり、市民同士のトラブルを外部に持っていくための言い訳であったり。また、日本には戦後処理の厳密さが「終戦直後」にはなかったことや決定権がなかったこと、更に多重に要求されているのではないかという疑いの目であったり。

これらは言ってみれば、「あなた方は将来どうすればよいと思うのですか」というものが、この問題に関わりを持つすべての人に問われているのだろうと思います。


個人的な、本当に個人的な答えですが…政府としての日本は、相手に「あなたがたは私たちを許さないでしょう、それを知っています」と発言することを恐れてはいけないと思っています。恨みというのは、その人がその心の中に持っているものであり、他の人が立ち入ることができるようなものではないからです。私たちにはおそらく、「相手が遺恨を持ち続けることを許す」以外にできることはありません。恨んでいる相手は既にこの世にいないことが多いでしょうし、何より恨んでいるからといって、本当に「恨みを晴らすためにその人やその一族にことを起こそう」としている人はいないでしょうから。
Posted by mmm at 2012年01月06日 22:20
被害者としてではない人が加わっている理由と、彼らが感情的になっていて、八つ当たりに近いものであろうことが推測される理由をちょっと書いてみます。

韓国は、長老派系キリスト教社会です。そして、キリスト教の教会では「日曜礼拝」が行われていることは日本でもどんな人も知っているでしょう。でも、水曜日も行われているんです(また、その水曜日の集会は主に「女性の集まり」であることはたぶん日本でもクリスチャンでなければ知らないかもしれません)。あちらは厳格な儒教を持っていることを思い出してみてください。女性たちの中でも、年上の人には逆らえません。逆らったら教会の中で強い立場にある年上の「被害者」たちから教会から追い出されてしまいます。それはとても社会的にマズいことなのです。

こういった「(個人的な)人間関係のルール」が日本よりずっと厳格であり、「宗教的にどこにも所属していない人は信頼されない」という他の国での価値観を見るとわかりやすいかもしれません。無関係な人も巻き込んでの事態にあることを、日本側にいる私たちは心して知っていた方がよいかと思います。

※個人的な感想です
Posted by mmm at 2012年01月06日 22:34
mmmさん,ちょっと文意が理解できなかったので教えて下さい。

『無関係な人も巻き込んでの事態』ということについてです。以下のような事態が生じているということですか?

長老派キリスト教系の従軍慰安婦だった人は,水曜日に女性ばかり教会に集まるので,そこで年下の(だから被害者ではない)女性たちを,日本政府への抗議活動に(強制的に)参加させている,その結果,抗議活動に
『被害者としてではない人が加わっている』
『感情的になっていて、八つ当たりに近いものとなっている』

という意味ですか?
そして,そうだとすると,なぜ狩りだされた年下の女性たちは『感情的に』なるのでしょうか?

すみません,興味深いので教えて下さい。
Posted by アルバイシンの丘 at 2012年01月06日 23:01
mmmさま、コメントありがとうございます。
拝読したけれど、わたしにはよくわからなかったです。

わたしが思ったことを述べると、日本軍・政府による
従軍慰安婦制度は、深刻な人権侵害であり、
その観点での補償が必要とされるもので、
恨みとか感情のレベルを超えた問題だろうということです。

日本がなすべきこととして「相手が遺恨を持ち続けることを許す」
というのは、おそらくそうだろうと思います。
ドイツのユダヤ人に対するホロコーストは、
おそらく永遠に批判されることであり、
それに対して、半永久的に補償しなければならないことと
認識されているのではないかと思います。

>水曜日も行われているんです(また、その水曜日の集会は
>主に「女性の集まり」であることは

この水曜日の女性の集まりは、従軍慰安婦の
水曜集会と関係があるのでしょうか?
Posted by たんぽぽ at 2012年01月08日 18:40
アルバイシンの丘さま、コメントありがとうございます。

>ちょっと文意が理解できなかったので教えて下さい。
>『無関係な人も巻き込んでの事態』ということについて

わたしも、ふたつ目のコメントのそのくだりが、
よくわからなかったです。

直接の被害者でない「若い」世代の人たちも、
慰安婦問題で引きずられている部分はある、
という意味なのかな?と。
Posted by たんぽぽ at 2012年01月08日 18:42
mmmさんの,

「相手が遺恨を持ち続けることを許す」

という表現に大きな違和感を感じています。恐らく,

「相手が遺恨を持ち続けることを仕方ないと思う」

程度のことではないかと思いますが,いかがでしょうか?

それから,韓民族の情念を構成する重要なメンタリティ要素として「恨(ハン)」というものがありますが,それについてです。
私は当然ながら,元従軍慰安婦たちも『恨(ハン)』の情念で動いておられると思っています。
私の(不十分な)理解に拠れば,以下のmmmさんの文章はこの『恨(ハン)』という情念とは合っていないように思えるのです。

『恨んでいる相手は既にこの世にいないことが多いでしょうし、何より恨んでいるからといって、本当に「恨みを晴らすためにその人やその一族にことを起こそう」としている人はいないでしょうから。』

大変おこがましいのですが,もしよろしければ,私が書いた古い記事がありますので御覧になってみて下さい。(繰り返しますが,私の理解も不十分であることは重々承知しています。)

<恨(ハン)というものは”晴らす”というようなものではない>
<キリスト教的に言えば『受難』の感覚に近いのではないか>
などということを書いています。(コメ欄)

朝鮮人軍夫の沖縄戦2008年12月21日
http://papillon99.exblog.jp/9884766/#9884766
Posted by アルバイシンの丘 at 2012年01月08日 22:47
アルバイシンの丘さま、
コメントありがとうございます。

>韓民族の情念を構成する重要なメンタリティ要素として
>「恨(ハン)」というものが
>http://papillon99.exblog.jp/9884766/#9884766

エントリのご紹介、ありがとうございます。
なるほど、韓国・朝鮮のかたには、「恨(ハン)」という
メンタリティがあるのですね。

従軍慰安婦問題の被害は、ドイツの戦争被害国の人たちと
比較されるけれど、韓国・朝鮮の人たちは、
ドイツの被害者とはまたちがった
メンタリティがあることになりそうですね。


わたしには、いささかむずかしいお話ですね。
(じゅうぶん理解できないところがあります。)
Posted by たんぽぽ at 2012年01月09日 23:44
>わたしには、いささかむずかしいお話ですね。
(じゅうぶん理解できないところがあります。)

これは当然のことだと思います。むしろ,彼らにとっては,私のようになまじわかった気になっている人間が一番迷惑なのかもしれない,という惧れ(畏れ,怖れ)を私なりに持っているつもりです。

でもわかりたいなあ,と思って努力はしているんです。
Posted by アルバイシンの丘 at 2012年01月10日 00:08
コメントまことにありがとうございます。

>>わたしには、いささかむずかしいお話ですね。
>(じゅうぶん理解できないところがあります。)
>これは当然のことだと思います。

異質の文化に出会う、というのは、こういうことなのかな、
という気がしています。

「異質なもの」というのは、ちょっとかかわったくらいなら
なおさらだけど、かなり長くおつきあいしても、
なかなか理解できないものなんだと思います。
日本国内にいると、そうした「異質な他人」の存在は、
なかなか実感できないけれど、とくに外国人に出会うというのは、
本来そうしたものなのかもしれないです。

わたしも、わかりたいという気持ちはあるんだけれどね。
「理解できないものがある」という事実を
受け止めるのも大事かな、とも思っています。
Posted by たんぽぽ at 2012年01月10日 19:12
しばらく来れなくてすいません!ただいまー

ええと、まず一つ目に「年下の者は年上の者に従順でなければならない」といった儒教の教えがあることと、二つ目にムラ社会的な「(年下の人が年上の人と)同じ感情を持たなければそれは敵だ」という感覚を前提にしてあちらさんの狭義での社会が成り立っていることを前提にお話ししますね。二つ目はご多分に漏れず日本も同じですけどね。

>アルバイシンの丘さん
「なぜ狩りだされた年下の女性たちは『感情的に』なるのでしょうか?」これですね。「私たちが被害を受けたのに、あなたは怒りを感じないのか、それならお前は敵だ!」といった感情です。そうしないと「敵」と見なされてしまうムラ社会的な背景がチラリと見えませんか?

>「相手が遺恨を持ち続けることを許す」
>という表現に大きな違和感を感じています。恐らく,
>「相手が遺恨を持ち続けることを仕方ないと思う」
アルバイシンさんの表現で合っています。これは「(相手の遺恨を)受け入れる」という意味合いで書いています。こういった被害加害といった問題では、「恨まれるのも嫌だからといって莫大なカネを出した」としても、たぶん相手は許そうとしないでしょう。しかし現実、それしか補償の方法が無いわけです。つまりは、そういった感情が残るのは当然で、それを受け止めるしかないんです。紹介された記事は後で読んで感想を書いてみますね。ありがとうございます。

感情関係は以上で。

聖書の読み方はそれぞれの教派によって違うかと思いますが、集まった人が1行ずつ「今日の分」を音読します。その後、時間のある人はお茶会に参加します。なぜ水曜日に慰安婦についての集会が行われるかはこの時間にみなさんが集まっている(この時間が全員空いていることがはっきりしている)からでしょう。これは…つまり、「それは被害を受けた人の問題だから、私は運動に参加しないことにします」という自由な態度を許さないことになります。ここに、そうしたい人にとっての「困ったね」があります。

あの運動に参加していても自由な中で選択している人は、一体どれくらいいるだろうかと思います。
Posted by mmm at 2012年01月11日 10:45
>アルバイシンの丘さん
受難についてのコメントを拝見しました。

受難への認識もそれぞれの教会で異なるものなのかな…という感想を持ちました。受難なくして奇跡は起きず、忍耐なくして前には進まないといった認識で生きています。難病にかかって「ハレルヤ、主の御力がこの体に現れている」と言える人がいたり、逆に絶望を感じる人がいたりなんかするんですが。

ハンとは晴らすようなものではない、ということですが、彼らはどうにか晴らそうともがいているように感じます。結論の出ない個人差のある感情についての話ですから、この辺りでお開きにしましょうか。自分の表現だけで疑問が解決できたかは…まったく自信がありません(汗)。

ゆるしを優先すべきではないかという倫理と、そうではいけないという社会構造やハンの葛藤はまだ続くように思います。私は何についても前者を求めているので、彼らが望むままを毅然とした態度を維持しつつ受け入れるのがよいだろうと思っています。
Posted by mmm at 2012年01月11日 11:03
mmmさん,ご回答,どうもありがとう。
なんかとても重要なことを書かれているように感じるので,もう少し教えて下さい。

mmmさんは

『被害者としてではない人が加わっている理由と、彼らが感情的になっていて、八つ当たりに近いものであろうことが推測される』

と書かれましたが,彼らの抗議行動というか『慰安婦問題の解決を求める』行動が,『感情的』で『八つ当たりに近いもの』になっていると感じておられるのですか?
Posted by アルバイシンの丘 at 2012年01月11日 21:48
>アルバイシンの丘さん
>>『被害者としてではない人が加わっている理由と、彼らが感情的になっていて、八つ当たりに近いものであろうことが推測される』
>と書かれましたが,彼らの抗議行動というか『慰安婦問題の解決を求める』行動が,『感情的』で『八つ当たりに近いもの』になっていると感じておられるのですか?
YESです。

既に彼らのお国の人が「八つ当たり」と感じる、と漏らしているのです、私たちにはため息をつく他ありません。場所は変わりますが、中国出身の「母は慰安婦だった」という男性が最近日本大使館に火炎瓶を投げ逮捕された事件がありましたが、彼のお母様はそれを望んでいるでしょうか?そのような振る舞いを見ると、やはりそうなのかなと思わざるを得ません。被害を受けたら何をしてもよいのでしょうか。同時に、もしあちらさんが「ちゃんとした解決を」と思うのであれば賠償などを1回で済むように調整するお仕事もあちらの政府が大事にするべきですが、そうではなかったからこそ2度3度と深刻な事態を引き起こすのでしょう。
Posted by mmm at 2012年01月12日 11:06
あ、ちなみに韓国は自由な社会として認識されていますが自由ではありません。一部の政治家や政府への批判は「隠れて」行われなくてはなりません。最近では韓流ブームに乗って、イメージが変わっているようですが実は相変わらずです。

ある韓国人の友人が韓国語のネットラジオのトーク番組(?)を聴いていたので、「これはどんな番組?面白い?」と尋ねると…「国内じゃうかうか聴けないラジオなんだ、政権だけじゃなくて国を批判する番組だよ」と。アメリカから発信されているそうです…2005年前後でもそうでしたから、今もまだそうなんでしょうね。大きな変化を耳にしませんし。とても残念ですが。

彼もまた、こういった問題で日韓関係がいちいち不安定になるのが不愉快だと漏らしていた一人でした。1970年代以降に生まれた世代は上の世代に盲目的に従順であるか、うんざりしているかのどちらかのようです。
Posted by mmm at 2012年01月12日 11:17
うむむmmmmm・・・・

これは新手の反韓印象操作のような気配が漂って来ましたなぁ・・・

このようにデリケートな話を『個人的な感想』のレベルで書けるなんて・・・

中国出身の男性の話も紛れ込んでいるし。
『彼らのお国の人』とか『ある韓国人の友人』というのも曖昧な表現で、とてもローカルな話だし。(だから具体的に反論できない)

そして,それをまとめて印象付ける次の部分,

『1970年代以降に生まれた世代は上の世代に盲目的に従順であるか、うんざりしているかのどちらかのようです』

はその世代を知らない日本人が聞くと、「ふうん、そんなものかな」と思えるでしょうが,私の実感とは大違いですモンね。
Posted by アルバイシンの丘 at 2012年01月12日 23:53
mmmさま、
コメントをたくさんくださり、ありがとうございます。
わたしのお返事が遅れてもうしわけないです。

>「敵」と見なされてしまうムラ社会的な背景がチラリと見えませんか?

>私は運動に参加しないことにします」という自由な態度を許さないことに

従軍慰安婦の補償を求める韓国側の運動も、
いろいろと問題はあるのかな?
どんな運動にも問題がないことはないでしょうし、
従軍慰安婦の補償問題のように、規模が大きくて
蓄積のあるものなら、あってもおかしくないでしょうけれど。

韓国の人たちも「一枚岩」ではなく、比較的若い世代だと、
慰安婦問題に興味のないかたも結構いるのでしょうね。


>「恨まれるのも嫌だからといって莫大なカネを出した」としても、

賠償についての、韓国の人たちの考えですが、
アジア女性基金は人道的レベルの補償であって、
政府による公式な補償でないから、納得しないのだと思います。

政府からの公式の賠償をすれば、「誠意をしめした」と
受け止めてもらえるのではないかな?
その意味では、基準ははっきりしていると思います。
Posted by たんぽぽ at 2012年01月14日 14:05
アルバイシンの丘さま、
コメントをたくさん、ありがとうございます。
わたしのお返事が遅くなってもうしわけないです。

>これは新手の反韓印象操作のような気配が漂って来ましたなぁ・・・

わたしは、そのようにはいちおう考えてなくて、
mmmさまのお話は、韓国の従軍慰安婦の補償を求める運動にも、
いろいろと内部の問題がある、ということだと
受け止めたんだけれどね...

mmmさまのお話にある、中国人男性のことのように、
「そういう考えかたはどうかな?」と思うものもあるし、
「1970年代以降に生まれた世代」のことが、
どの程度一般性を持ちうるのかとか、
わたしには判断できないことでもあるけれど。
Posted by たんぽぽ at 2012年01月14日 14:09
>新手の反韓印象操作のような気配

いやー、私も断定には一抹の躊躇いは感じているんです。もし大きな誤解であったらいつでも深くお詫びする覚悟はできています。

そう思いつつも、mmmさんの最初のコメでかなりの心証を得てしまいました。(Posted by mmm at 2012年01月06日 22:20)
今読み返すとよくわかりますが、この方のスタンス、マインドは私の言う
『「事実はあったかも知れないが,あの連中は日本が何度謝っても,何度も謝罪を要求する」と思っている』
人のようです。
間違わんで欲しいが、それはそれで良いのです(特に強調しておく)。ただそれだけのこと。mmmさんがそういう人であったって、ちっとも構わん。だが、それを言うために廻り道の印象操作は許されんわけです。(ホントに印象操作とすれば)

さて、そういう時、多く使われる手法は、一種の“専門知識”を使うことどす。これはかなり効き目がある。部外者は、発言が頓珍漢なことになるのを恐れてなかなか発言がしにくくなります。ここでも、長老派だの水曜日の集会だの、それに当たるものがありますな。

すると次のような印象操作も割りとやりやすくなります。
=========================
>アルバイシンの丘さん
「なぜ狩りだされた年下の女性たちは『感情的に』なるのでしょうか?」これですね。「私たちが被害を受けたのに、あなたは怒りを感じないのか、それならお前は敵だ!」といった感情です。そうしないと「敵」と見なされてしまうムラ社会的な背景がチラリと見えませんか?

なぜ水曜日に慰安婦についての集会が行われるかはこの時間 にみなさんが集まっている(この時間が全員空いていることがはっきりしている)からでしょう。これは…つまり、「それは被害を受けた人の問題だから、私は 運動に参加しないことにします」という自由な態度を許さないことになります。ここに、そうしたい人にとっての「困ったね」があります。

あの運動に参加していても自由な中で選択している人は、一体どれくらいいるだろうかと思います。
Posted by mmm at 2012年01月11日 10:45
======================

今となっては、“ムラ社会的な背景がチラリと見えませんか?”などはなんの根拠もなく、単に印象を与えようとしているように見えてきます。mmmさんの話がまともであるためには、
・『元慰安婦問題の解決を求めている元従軍慰安婦たち』が、ほとんど水曜日に集会を持つ宗教である長老派の信者であること、
・支援者はほとんどそこに集う若い女性信者であり、しかもそのほとんどがいやいや狩り出されていること、そしてその意趣返しの方向として八つ当たり的に日本に向けられていること、
・そして(たんぽぽさんの疑問でもある)水曜日の集会が長老派の集会の都合で決められたこと、
などをmmmさん自身が努力して示さなくてはいけないのです。二番目は示すのが難しいでしょうね。(だったら逆に、どうしてそう主張できるのかな?)
一番目と三番目は客観的に証明できそうな気がするのでぜひ根拠を探して示してもらいたいどす。

逆に私が強調したいこと。
元従軍慰安婦たちの抗議の矛先が『日本人そのもの』ではなく、『日本政府』に向けられていること、民間基金の見舞金では解決にならないこと(を示していること)、の意味です。
これは決して『恨みをはらすため』の行動では説明できない。『恨(ハン)』の情動ではないかなぁ・・・

細かいことを書けば長くなりますので、この辺でやめて反論を待つことにします。(長文すみません)
Posted by アルバイシンの丘 at 2012年01月14日 23:44
>アルバイシンの丘さん
>たんぽぽさん

印象操作というのは…斜め上の反応でした。自分が問題を引っ掻き回しているようですいません。よく考えてみれば、私がこれを話して、読み手の方が確認するために必要な固有名詞は確かに求められるのは当然ですよね。でも、明確に出してしまうと情報の出所(私の人間関係)が意図しない範囲にまで分かってしまうのですよね。

そういった理由で、反論を全部丁寧に行うのは後のことを考えると不可能だと気付きました。そのために私が全部間違っている、あれは全部作り話ですということにしても構いません。その迷惑のかかり方が私には責任が取りきれません…こういう場ですべてお話しするには、勇気が足りません。中途半端な「反論」で申し訳ありません。

端的に「被害者たち」だけが「被害者の会」としてまとまっているだけなら恐らくひび割れはなかったはずなんですが、若い世代が被害者と実の親子か否かによって、若者側の意識の差は相当です。国が違っているとはいえ自由を教えられながら儒教的なしがらみにとらわれる同世代の友人たちが抱えている苦痛に同情しています。しかし私は日本人でしかないし、信仰においても外部の人間なのでそれについて何も言えそうにありません。

印象操作のように読めたんでしょうか。何かを伝えるというのは本当に難しいです…被害者の方々・関係者の方々には本当に申し訳ないのですが、私にとっては慰安婦問題より学生時代の友人たちの心の問題の方がずっと身近すぎて、巨大なものになって迫ってきます。知っていながら解決へ導くような立場にない自分の無力さをしっかり突きつけられたように感じます。反省させてください。
Posted by mmm at 2012年01月16日 23:19
mmmさん、なんかレッテルを貼ったみたいで申し訳ない。
いや、固有名詞を出さないと信ぴょう性がない、なんて言ってないのですよ。

上に書いたように、例えば水曜日の集会は長老派の集会の都合で決められた、なんていうのは客観的な情報ですから、そのようなものを必要かつ十分に示していただければよいのです。

たとえば『真偽不明だけどこういう噂を聞いた』というレベルなら、もう少し根拠が欲しいですね。
Posted by アルバイシンの丘 at 2012年01月16日 23:57
すみません。ちょっと念のために。

>『真偽不明だけどこういう噂を聞いた』というレベルなら、もう少し根拠が欲しい

と書きましたが、なぜならそういう噂をホントは聞いてなくても書けるからです。するとどんなネガティブなことでも『噂を聞いた』という枕詞をつければ広めることができます。それはとても危険ですよね。
Posted by アルバイシンの丘 at 2012年01月17日 00:33
>アルバイシンの丘さん
すいません、韓国教会主催のこういった集いのためのページはあるらしいのですが、いかんせん私は韓国語がまったくできないものですから…北京語か英語で経緯について書かれた見つけましたらまたご報告させていただくことにします。

水曜日の祈祷会・集会は、日曜日の礼拝と同じように、日本でも韓国でもどの国でもどの教会でも当然のことのように行われていることなので、もしお時間がありましたら検索してみてください。

http://mmmimpact.blog.shinobi.jp/Entry/9/
まとめている途中ですが…
Posted by mmm at 2012年01月17日 13:54
アルバイシンの丘さま、mmmさま、
コメントありがとうございます。

ああ、いえいえ、「問題を引っ掻き回している」ということは
ぜんぜんないですので、遠慮なく会話を続けられたいと思います。

しばらくわたしが見ないうちに、どんどん会話が進んでいきましたね。
もともとわたし自身が、よくわかってないこともあって、
会話にあまり入っていけなかったりします。
ていねいにお返事ができなくて、まことにもうしわけないです。

思うところはあるのですが、うまく言えないこともありますし、
わたしはこれ以上は申し上げないでおくことにします。


コメントを差し上げない代わり、というわけではないけど、
「従軍慰安婦の補償問題は、いまだ未解決であり、
韓国が日本に謝罪と賠償の要求を続けるの正当である」
ということをしめす資料をご紹介しておきます。
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-775.html
Posted by たんぽぽ at 2012年01月17日 21:53
>たんぽぽさん
少しずつまとめ中です。どうもすいません(汗)。

もちろんあの問題は解決への途中のままです。彼女ら自身が日本政府と話し合うのは当然です。

…あの問題を引きずることで他の要素(儒教的な倫理観や教会などの環境)が絡まり、若い世代に負の荷物を抱えさせています。被害者たち自身は血縁の無い若い世代へのそういった影響に気づいていないのが辛いところです。自分の母校と留学先それぞれで知り合った友人たちが同じことをきっかけに「だから留学して離れようと思った」と言っているもので…やりきれないです。「自分の肉親以外のことで自分がかりだされるのが嫌だ」という感じの。

すぐそばにいる人のことに気づかないことがあるのは世界共通のようです。そういう理由でも、早いこと解決してほしいと祈っています。
Posted by mmm at 2012年01月21日 11:36
mmmさま、
またまたコメントありがとうございます。

>少しずつまとめ中です。どうもすいません(汗)

お時間のあるときで結構なので、しっかりまとめて
ご意見をお聞かせいただけたらと思います。

従軍慰安婦の運動については、やはり韓国内部にも、
いろいろと問題があると思ってよさそうですね。
左翼な人たちのブログを見ていても、
ほとんど話題にならないことなので、
わたしとしては興味があるのですが。
Posted by たんぽぽ at 2012年01月21日 22:42
うーむmmmm・・・

一度引いたかに見せて,ほとぼりが冷めた頃にまた同じレベルのほのめかしをそれとなく繰り返すのも,印象操作の常套手段なんだが・・・

どうやらその種の人と断定してよいようだ,と言う前に,・・・

たんぽぽさんの
>お時間のあるときで結構なので、しっかりまとめてご意見をお聞かせいただけたらと思います。

そのようにいたしましょう。楽しみにしています。

ただ,たんぽぽさん,

>従軍慰安婦の運動については、やはり韓国内部にも、いろいろと問題があると思ってよさそうですね。

このように印象を自分で広げることは危険ですよ。印象操作であればまさにその狙い通り。mmmさんは,
『長老派の若い女性たちが支援を強制されて嫌がっている』
としか言っておられません。その真偽が問題になっているだけです。

もちろん,韓国内部に何か問題があるかないか,私にはわかりませんが。
Posted by アルバイシンの丘 at 2012年01月22日 00:55
アルバイシンの丘さま

>このように印象を自分で広げることは危険ですよ

おおっと、そうでした。
(けんのん、けんのん...)

ご指摘どうもありがとうございます。
Posted by たんぽぽ at 2012年01月22日 16:56
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Excerpt:    これは、従軍慰安婦問題についての英文記事です。この特殊な形態の記事の意図と要旨についての日本語の説明は最後にあります。特に英語使いでない方はそこだけ読んでいただければ...。 -----..
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