2006年10月10日

toujyouka016.jpg 予算委員会

衆議院の予算委員会が、はじまっていますが、
わたしとしては、民主党がどうしたかが、気になります。
民法改正は、政権交代でないと望めない、というのが、
わたしの考えですし、そのほかの、さまざまな国民生活の
改善においても、まがりなりにも、いちばん期待できるのは、
民主党であると、わたしには思われるからです。

予算委員会は、「衆議院TV」で、ご覧になることができます。
(Windowsメディアプレイヤー版と、リアルプレイヤー版がある。
残念ながら、ダウンロードはできないですが。)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm?ex=HM
「国会のカイギなんて退屈そう...」というかたも、
いるかと思いますが、いろいろな情報がまとまっているので、
ご覧になると、得られるものもたくさんあると思いますよ。
 
 
民主党の活躍といえば、5日にあった、歴史認識についての、
管氏の質問がすごかったと、わたしも思います。
これには、いろいろな意見が、すでに飛び交っていますが、
わたしの思ったことを、すこし述べておきたいと思います。
「<衆院予算委>歴史認識で揺さぶり 菅氏が追及」
(「衆議院TV」のビデオは、こちらにあります。)

はじめは、日本の植民地支配を認めた「村山談話」、
従軍慰安婦の強制性を認めた「河野談話」についてでした。
安倍氏のお答えは、意外な(?)ことに、
「内閣として、これらの談話を引き続き受け入れる」だったのです。

安倍氏の過去の発言では、これらの談話を否定していて、
いまの答弁と矛盾があることを、管氏は示しました。
また、管氏は、安倍首相個人の見解を、問いただしていたのですが、
安倍氏の回答は、あくまで「内閣として」でした。

こんなやりとりが続いたのち、とうとう菅氏は、
「わけなくてもいいじゃないですか、内閣としてではなく、
首相個人としての意見をお聞きしたい」と、はっきり言いました。
結局、しかたなさそうに、安倍首相個人としても、
「村山談話」は受け入れると言い、従軍慰安婦の強制性も、
かろうじて、前言と矛盾がないことにしたみたいです。


わたしの想像ですが、安倍首相は、いままでの主張は、
変える気などまったくないが、中国、韓国への配慮をしておくために、
さしあたって、隠しておきたかったのでしょう。

一般に、右翼的な政治家が、政権を取ると、
もとの支持者が、しぶしぶついてくる程度に、
真ん中に寄ることで、中間層まで支持を広げることは、
政権安定のために、わりとよくあることです。(参照)
(このあたり、ナベツネと取り引きがあるのではと、
憶測するかたもいるけれど。)

しかし、中韓に配慮したことを、個人の意見として述べると、
もとの支持者が離れるので、安倍は、「首相個人」ではなく、
「内閣」として、これまでの歴史認識を継承するとだけ、
言うことにしたのではないかと、思われます。
(このあたりの言いたくないことを、菅氏がひたすら追求したので、
安倍首相の「歯切れ」が、悪くなったのではないかな...?)


また、管氏は、岸信介氏のことを、訪いたのですが、
これも安倍は、おじいちゃんの考えだけ、言うつもりだったのでしょう。
しかし、「岸氏の考えではなく、安倍さん自身が、
どう考えているのかを、訊いている」とつめよったので、
「アメリカとの開戦は、まちがいだったと、自分でも思う」と、
とうとう、安倍は言ってしまったのでした。

そのつぎに、満州国のお話を、菅氏が出したときは、
安倍氏はついに、「政治的意味を持ちかねないので、
政治家は歴史認識について、言うべきでない」と、言い出しました。
しかしこれも管氏は、「歴史教科書は自虐史観だとか、
以前から歴史認識について、述べているでないか」と言い返しました。

そして、例の本『美しい国へ』を、取り出して、
「ご自分の意見を押し隠しているようですが、批判の矢面に立たないのは、
『闘わない政治家』ではないのか?」と、言ってきたのでした。
(本のページを開けるのが、早かったのですが、
安倍はこう言うだろうと、管氏は、あらかじめ予想して、
準備していたのかな...?)


このあと、靖国神社へ参拝したかどうか、
対中国関係の「政経分離」、集団的自衛権についての質議が、
続いたのですが、ここでも菅氏にやりこめられたようで、
「私の本をよく読んでください」と、
安倍首相、すっかりへきえきした感じでした。

あとの記者会見で、安倍首相は、「現在や未来の問題についても、
語り合うべきではないでしょうかね」と、ぶ然としていたそうです。

posted by たんぽぽ at 00:20 | Comment(4) | TrackBack(2) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
ご無沙汰してます。(ときどきチェックはしてますけど。それと祝電リンクはほぼ毎日ご利用させてもらってます。感謝してますよ!)

2chで拾った「YOUTUBE」の国会中継です。
テレ朝報ステ古舘は「民主党は安倍さんの足を引っ張らないで『生活に密着した質問をしてほしいですね!』」なんてフザケタ捏造報道してましたよ。
このとーり生活に密着した質問はされています。
※但し私は枝野氏には警戒してますよ。枝野さんはネオコンですからね。。。

■動画、国会論戦
サラ金金利「グレーゾーン」と障害者自立支援法/枝野幸男vs安倍晋三

六日の国会で繰り広げられたこの国民生活にとって重大な論戦を
日本のマスゴミは安倍政権に不利になるためいっさい報道していない
もはや日本のマスゴミは政府の公報機関と成り下がった

http://www.youtube.com/watch?v=3P3DNAuTRks

http://www.youtube.com/watch?v=pHdE08MLKP4

http://www.youtube.com/watch?v=fY32o6FCzuY
Posted by どーも at 2006年10月10日 11:49
どーもさま、おひさしぶりです。

「祝電事件リンクリスト」は、お役に立っているようで、
作ったわたしとしても、なによりです。

>サラ金金利「グレーゾーン」と障害者自立支援法/枝野幸男vs安倍晋三

あっ、それはもしかして、これですね。
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20061008#1160245354

多重債務者や、障害者支援法や、年金の問題が、
伝わらなくなるという、直接のことはもちろんだけど、
「こうやって、『民主党は役に立たない』と、
国民は思わされていくのか」と、ちょっと思ってしまったよ。
Posted by たんぽぽ at 2006年10月10日 23:10
所信表明は、ヤフーで見ました。もうNHKいらないんじゃ・・・ってふと思いましたが。かなりクリーンで高画質でストレスなく見ることが出来ましたし。

古館は、経済学部出身なのに経済のことはさーぱりわかっとりません。勿論、みのも。2バカはTVに出る幕はないような。

国会の質問のは見たいのは山々なんですけど時間がないのでどっかコメントが一字一句載ってるサイトないですかね・・・?新聞おっぴろげたいけどうーん・・・↓
Posted by みみ。 at 2006年10月10日 23:12
みみ。さん、こんにちは。
今回は、レスが遅くなって、ごめんなさいね。

>もうNHKいらないんじゃ・・・ってふと思いましたが。

観ないですむから、それもいいかもと、思いますよ。
(やっぱり、テレビ離れが進むのも、
マスコミの体質改善には、役に立つでしょうからね...)

ああでも、テレビ東京は観てもいいかも...
http://taraxacum.seesaa.net/article/24432495.html

>国会の質問のは見たいのは山々なんですけど時間がないので

わたしも、それが気になっていたよ。
時間が長いので、いそがしいかたには、いささか不向きなんですよね...
議事録も、まだウェブには、上がってないようですし...
(でも、しばらくしたら、アップロードされると思うけど。)


安倍がどうして、軟化路線に出たのか、
そのあたりのブンセキは、くわしいかたにまかせるけどね...

「内閣として」の見解だと言っておけば、
「首相個人として」の見解は、べつにあることにできるので、
本来の支持者は離れないだろうと、思ったんじゃないかな?
それで、予算委員会の質問も、穏健な歴史認識を言い続けて、
クリアできると、思ったのかもしれないです。

(でもって、そこに気付かれたのかは、知らないけど、
「『内閣として』ではなく、『首相個人として』を訊いている」と、
菅氏に、ひたすら追求されたので、破綻したのかな、
というのが、わたしの印象なのだった...)
Posted by たんぽぽ at 2006年10月12日 18:54

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安倍晋三の豹変にナベツネの影
Excerpt: 安倍晋三が総理大臣に就任し、超タカ派政権のスタートかと思いきや、村山談話や河野談話を追認したり、A級戦犯の戦争責任を認めたりするなどして、安倍首相のタカ派路線に期待を寄せていた右派諸氏を激怒させている..
Weblog: きまぐれな日々
Tracked: 2006-10-10 07:12

改憲への「地ならし政権」 −金子勝が説く
Excerpt: (安倍晋三の所信表明演説について)表面的には伝統的な保守主義あるいは戦前への回帰のように見えるが、実はそうではない。彼の主張は「新保守主義」そのものである。その本質を見誤ってはならない――こう説くの..
Weblog: 花・髪切と思考の浮游空間
Tracked: 2006-10-10 08:07