1月28日エントリで「世界一高い政党助成金」を書いたのですが、
これが「アゴラ」で紹介されました。
ありがとうございます。
「日本の国会議員は恵まれているか」
またつぎの記事でも、わたしのエントリが言及をされています。
「何故「政党」へなのか、など」
これを、わたしのエントリへの返信と考えて、
さらにわたしから、お返事をしたのがこちらです。
http://h.hatena.ne.jp/taraxacum_off/225695899679737591
>なぜ政党に支給されるのか
ふたつ目の記事ですが、要点はなぜ政党に支給されるのか、
議員に支給されるのではだめなのか、ということです。
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ところで何故「政党助成金」でなければならないのか
ということがいまいちわからないのだ。
〈議員助成金〉では何故いけないのか。無所属議員はどうなるのかとか
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これは政治資金を個人や派閥ではなく、政党に一元化するという
政治資金規正法の主旨に合わせるためだと思います。
つまり派閥の影響力を弱め、政党本位にするために、
議員個人ではなく、政党に助成金を出すのだと思います。
かつては、多額の献金を集められる派閥の領袖が、
献金を集められない「子分」の議員たちに、
政治資金を分配することをやっていました。
それゆえ政治資金の流れは派閥単位となって、
不透明になりやすくなります。
またこれによって派閥の力はとても強いものなり、
政党の影響力は弱いものとなっていました。
派閥の自律性が強いと、派閥内での政策の対立が目立つようになり、
政党として統一した政策が出せなくなるので、
有権者にとって政治が見えにくいものとなります。
「政党」助成金では無所属議員にとって不公平だ、
という批判は、わたしももっともだと思います。
ところで比例代表制も、無所属議員を締め出しますから、
おなじ理由で比例代表制にも反対しないと、筋が通らないと思います。
わたしの見たところでは、政党助成金に反対する人の
ほとんどは、比例代表制の拡充を訴えているようです。
この態度はあきらかに矛盾をしていると思います。
>査定を導入するべきか
もうひとつ気になったのは、査定の導入を主張していることです。
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議員歳費に業績主義的査定を導入すること。
国会が立法府であり討論の場であることを鑑みるならば、
質問も陸にせず法案の起草もしないような議員、
党内闘争やら政界再編に現を抜かしている議員は
ダメ議員として低い査定が与えられても仕方ないのでは?
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それはだれが決めるのでしょうか?
あなたにとっては「ダメ議員」でも、べつのだれかにとっては、
日本の将来のために行動する、よい議員かもしれないですよ。
査定を導入すると、だれがどのようにやるのか、
という問題が出て来るし、それはかならず特定の人たちの
価値基準や政治信条に依存するものになります。
議員の自由な活動の保証という観点で好ましくない、
というか、むしろ危険でさえあるでしょう。
「ダメ議員」かどうかは、選挙で決着をつけることだと思います。
選挙を経て当選した以上は、どんな議員であっても、
公平に扱うべきだと思いますよ。
ブックマークを見ると、「O沢センセイとか」なんて
具体的に名指ししているコメントがあって、
賛同の意と思われるはてなスターが、いくつかついています。
これらの人たちは、政党助成金に査定をつけたら
中立性・公平性を損なうこと、そしてこんなふうに名指ししたら、
自分の価値判断や政治信条を絶対的な公正扱いする
危険思想におちいりかねないことに無自覚だと、
わたしは思いましたよ。
>わたしの雑感
政党助成金は、いろいろと批判する人を見つけます。
「政治家といううさんくさい連中に税金をわたしたくない」
という、よくありがちな感覚もここにはあるのでしょう。
それに加えてウェブの場合、共産党がしきりに叩いているので、
政党助成金とはなんとなくよくないものという印象が、
とくに左側の人たちのあいだでは、
(かならずしも共産党支持でない人たちにも)、
蔓延しているのではないかと思います。
そして「政党とは本来私的な結社なので、
政党の独立性を保つためにも税金で補助するべきでない」とか、
「政党助成金に頼って、自力で政治資金を集める努力を
おこたる政党が出て来るおそれがある」といった、
一般的な議論は聞かないのですよね。
ウェブの政党助成金批判も、ある種の偏りを感じないでもないです。
2012年02月19日
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Tracked: 2012-04-01 19:21
ほんとに,たんぽぽさんのおっしゃる通り,全面的にその通りです。この考えが広まって受け入れられてほしいものです。
このエントリにコメントありがとうです。
>たんぽぽさんのおっしゃる通り,全面的にその通りです
おおおお、全面的に賛同してくださり、
まことにありがとうございます。
>この考えが広まって受け入れられてほしいものです。
こういう意見は残念ながら、なかなか広まらないのですよね。
(わたしが書くから、なおさら広まらないのもありそうだけど。(苦笑))