いくつかあるので、ご紹介したいと思います。
「日本の性教育は世界の非常識!」
「性教育先進国オランダ 小学生が暗闇の中で避妊具着ける実習」
「「韓国で性暴力発覚増加したのは性教育の成果」と専門家指摘」
「「性教育増進で興味がわき、性環境が悪化」と保護者クレーム」
>オランダ
オランダの性教育は、とても積極的なものです。
暗闇の中でコンドームを付けるという、
とても実用に即した練習があります。
また性器がほどこされた男女のお人形を使っての
バーチャルセックスの実習をしていたりもします。
http://www.news-postseven.com/archives/20120217_88142.html
あるグループは小さな箱の左右に空いた
穴の中に両手を入れている。
箱の中心にはペニスを模した肌色の突起物があり、
中が見えない状態でコンドームを上手につける練習をしている。
これは暗闇の中でもコンドームを的確に
つけられるようにするための練習だという。
また別のグループは、男女の人形を使って
バーチャルセックスの実習をしている。
男性の人形にはペニスが、女性の人形には膣がついていて、
しっかりと挿入できるようになっている。
これらはとくに日本のバックラッシュの人たちが見たら、
「過激な性教育だ」といきり立ちそうですね。
(「七生養護学校問題」という実例がある。)
もちろん子どもたちは、恥ずかしがったりふざけたりせず、
真剣な表情で課題に取り組んでいるとのことですよ。
性教育にこれくらい力を入れている効果があって、
オランダの10代後半の少女の出産や、中絶の割合は、
アメリカやイギリスよりも低くなっています。
よく言われることですが、「性教育が進んでいるからこそ、
子どもたちの行動が慎重になるんです。
性交経験(初体験)年齢も高いですよ。
避妊もきちんとするし、自分の体を大切にすることや
安全な性に対する意識が高くなる」ということなのでしょう。
そのほかにも、避妊や自慰行為、性的指向や
性暴力など、性に関するさまざまな話題が出て来ます。
オランダの性教育の内容はとても多彩です。
具体的なセックスの方法や避妊、自慰行為について学ぶほか、
デートの仕方や生涯のパートナーの選び方、
そして離婚まで、小学生のうちにみっちり勉強。
さらには、自分が異性愛者なのか同性愛者なのかを自覚することや、
ED(勃起不全)や包茎、月経不順などの性にまつわる問題、
望まないセックスを避けるためのコミュニケーションの方法、
性暴力の被害者になってしまった場合への備えなども学ぶという。
こうした背景には、「生物としての人間」をきちんと教え、
妊娠や出産で自分の一生が左右されることを、
理解させる、という考えがあるそうです。
>韓国
韓国も性教育に力を入れ始めていて、
とくに性暴力、レイプについて力点が置かれています。
性暴力に巻き込まれた事例をくわしく伝えたり、
性暴力にあったときの対処法を教えたりします。
http://www.news-postseven.com/archives/20120217_88135.html
被害にあった際に証拠品として、相手の髪の毛や体液を
とっておくのが有効であることや、被害にあった場合に
いくべき病院や警察の対処窓口などを、
教科書の中で5ページにわたって詳しく解説しています。
経済成長によって援助交際も増えており、性暴力は深刻な問題なのです
性教育に力を入れた効果で、韓国では声を出すようになった
被害者が増えたとされています。
韓国でも、泣き寝入りする性暴力の被害者は
多いのだと思いますが、教育によって情報を伝えることで、
意識が高められる、という効果があるのでしょう。
性教育の授業で性暴力について扱う、というのは、
お恥ずかしながら、わたしには意外でした。
(さきのオランダの性教育でも、性暴力を扱っている。)
日本の性暴力も暗数化が多いと言われますし、
「被害者落ち度論」も幅を利かせています。
性教育の時間で性暴力を、ていねいに扱ってよいと思います。
>日本
こうして見て来ると、どこの国でも望まない妊娠や
性暴力をはじめ、性に関するさまざまな問題があって、
積極的な性教育の導入で、その解決をはかることが、
世界の潮流であることがわかります。
そんな中にあって、消極的な日本の性教育は特例であり、
むしろ時代の動きに逆行していると言えます。
日本が立ち後れている大きな原因は、バックラッシュによる
2000年代の性教育バッシングにあります。
性的なものはなんでも封印するのがよいという
純潔思想にとらわれた彼らが、性教育をほどこすことは
かえって悪影響だとして、排撃したのでした。
その象徴とでも言える事件が、「七生養護学校問題」でしょう。
七生養護学校は、いわばバックラッシュたちの
「いけにえ」にされたと言えるだろうと思います。
「七生性教育裁判」
「七生性教育裁判(2)」
2000年代の後半になって、バックラッシュは後退をはじめ、
七生養護学校に圧力をかけた東京都議たちは、
裁判に訴えられ、敗訴をしたのでした。
それでも、一連の性教育バッシングによって、
日本の性教育は萎縮してしまい、そのとき受けたダメージから、
いまだに回復できていないことになります。
『週刊朝日』の記事を見ると、教員が性教育を
教えられなくなっているとあります。
相当にダメージが大きかったのだろうと思います。
このエントリにコメントありがとうございます。
>この記事は大変面白く読ませていただきました
興味を持って読んでくださり、まことにありがとうございます。
>日本の遅れがはなはだしいのが納得できました。
バックラッシュによる性教育バッシングのダメージが
いまだに回復していないみたいなのですよね。
行政が率先して解決をはかってもいいはずなんだけど。
(いまの政府はそんなことはしなさそうだよね。)
このエントリにコメントありがとうございます。
>性教育反対を言う人は、
「性の話題に触れることで、かえって子どもたちが
セッ クスに興味を持つようになり、性環境が悪化する」
というのが、反対派が思い込んでいることですね。
もちろんじっさいは、そんなことはなく
適切な知識を持つことで、自分のからだを大切にするようになり、
性環境が良好に保たれるようになるんだけど。
業者任せのフィルタリングや、ましてや宗教的精神主義など、この状況では糞の役にも立ちません。彼らの頭の中がそうした非現実的な有害情報で埋め尽くされてしまう前に、教育者が正しい知識を彼らに教えることが絶対に必要でしょう。
国策としてIT革命を推し進めた以上、その最大の弊害の解消のための正しい性教育の普及についても、国の責任において実施すべきでしょう。それを「反対」とは・・・無知無恥無責任にも程があると言うものです。
七生擁護学校問題。
そうした無知無恥無責任な政治家が、上から目線で教育現場に介入する事がどれほど酷い結果となるか、を如実に示す実例だと思います。橋下および維新の会による教育改悪の問題点をも伺わせるものでしょう。
と思ったら、既にそうした問題が発生しているようですね。
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120313-OYO1T00229.htm?from=main2
日本はまず、教育カリキュラムを考えるメインを教師ではなく医者であるのがふさわしいかと思います。医療の現場は日進月歩であり、教育よりずっと変化が激しいです。
ある程度の年齢の方だと中学校で性教育をすればよいと言うのですが、30前の私の頃は初経ですら10〜12歳がほとんどです。あまりにも考えが遅いと思っています。そういうことを決める場に医師がいないのが原因でしょう。
このエントリにコメントありがとうございます。
>極めて刺激的で現実離れしたその手の有害情報がばら撒かれている
そうなんですよね。
適切な性教育が過敏に忌避される一方で、
いい加減な情報の氾濫が放置されているのですよね。
(コンビニでアダルト雑誌が買えることのほうが、
よほど問題なんじゃないのかってね。)
「有害情報」といえば、「ピルを飲んでいるから
中 出ししてもだいじょうぶ」と思っている男の子が
結構多いらしいのだけど、「ピルとコン ドームの
組み合わせで避妊の確度が高くなる」って習わなかったのかなと、
わたしは思っていたのでした。
そういう男の子は、AVの影響を受けていると最近聞きました。
もし本当なら、AVはとても問題だけど。
>既にそうした問題が発生しているようですね。
>http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120313-OYO1T00229.htm
それ、こちらにくわしいですよ。
(君が代を強制させることこそ、卒業式の政治利用であり、
卒業生たちの門出を祝福する気持ちなどないのだ、
という主旨のことを言われてますよ。)
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-915.html
自分たちこそ民意の代弁者だといううぬぼれが、
卒業式はなにより卒業生のものだという、
あたりまえのことを忘れさせていたのでしょう。
>教育カリキュラムを考えるメインを教師ではなく医者であるのが
お医者さまも、日本の性教育の立ち遅れは問題と
思っているでしょうし、医療関係者が性教育を行なう機会が、
もっとあってもいいでしょうね。
学校に来て授業をしてもらってもいいでしょうし、
学校以外の場所でも講習を開いてもらってもいいでしょう。
イギリスではクリニックなどで性教育の講習を受けると、
避妊薬が無料で提供されるのだそうです。
(講習を受けることを即すために、薬局でも買えるけれど、
高めになるよう値段を設定している。)
http://miyoko-diary.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-fd90.html
日本でも、避妊薬の普及ももちろんだけど、
医療従事者に性教育の講習をしていただく機会を
増やす意味でも、イギリスのようにするのも、
ひとつのアイデアかもしれないですね。
(2012年03月16日 23:31)は、禁止ワードが
ふたつもあって、コメント投稿がやりにくかったよ。(苦笑)
文章中に不自然なスペースが入っているところが2箇所あるけど、
これは禁止ワードに引っかかるのを防ぐためです。
コメントにレスをくださる場合、注意されたいと思います。
>>学校に来て授業をしてもらってもいいでしょうし
本当にこれは私も思いあぐねているんですよ。育児中ですが、子どもが小学校に通い始める前にこの点に変化があるといいなと思っています。
教員たちには失礼ですが、はっきり言うと「医療は素人が語るものではない」と思うのです。特に、これは命にかかわることです。
もし教育に変化が無かったら?それでも、自分で、子どもが初経なり夢精なりを経験したら病院に行かせて「10割負担でもよいから、予約の上で」医師から性について聞かせようと考えています。性をコントロールできなければ、人生、本人、相手、その子どもの命を損なう可能性があるのですから、ここにお金をいくらかけても無駄とは思いません。
>教員たちには失礼ですが、はっきり言うと「医療は素人が語るものではない」
なるほど。
でも、わたしはそこまできびしくは考えてないかな。
学校の先生だって、大学に入ってお勉強はしているのですから、
その意味では「専門知識がある」のであり、
「しろうと」ではないと思います。
(もっとも、記事にあるように、きょうびは教師も性教育を
教えられるほどの知識がない、なんて言われているけれど、ね。)
>保守派にとって、性教育は学校であらたまって行うものではなく
そういえば、性教育バッシングをする人たちは、
性に関する知識はどこで教えればよいと、考えているのでしょうね。
わたしが思うに、ご指摘のような「旧い時代の農村のようなモデル」を、
彼らがイメージしている様子もなさそうなのですよね。
たぶん考えなんて、なにもないのだろうと思いますが。
それこそ、性教育反対というなら代案を出せ、と言われてしまいますよね。
>>>教員たちには失礼ですが、はっきり言うと「医療は素人が語るものではない」
>>でも、わたしはそこまできびしくは考えてないかな。
>>学校の先生だって、大学に入ってお勉強はしているのですから、
>>その意味では「専門知識がある」のであり、
>>「しろうと」ではないと思います。
そうですね…自分が感じているのはむしろ、「現場で実際に医療行為をしている人」と「普段自分たち(生徒たち)と一緒にいる人」との違いですかね。性教育に必要なのは性感染症だけではなく、性ホルモン量の変化によるトラブル(PMSなど)も含む上、更年期障害が女性にだけ起こるものではなく、時に精神科にかからなくてはならないこともある、性感染症には予防接種がある、といった日常のことまでも教えなければ「親も知らない」点が気にかかります。男性が性に悩んだ時にどこの科にかかればいいのか知るのは大人になってからです。それは…遅すぎると思います。
少なくとも、80年代生まれの私はそこまで教えてもらえませんでした。おそらく熱心に変えようとしなかった学校は、その当時からカリキュラム・内容は変えていないと思います。
医療は日進月歩、でも教育は…?ですね。
私はこの問題を、「健康問題」として考えています。
大人になって妊娠などするまで、頭の中の情報が更新されないままになることが多いからです。
追記、以上〜!
ずっとコメントを見逃していました、まことにもうしわけないです。
(すでに6日経っていますね。)
>性教育反対というなら代案を出せ、と
まったくですね。
本当にどんな対案を考えているのかと思います。
>「現場で実際に医療行為をしている人」と
>「普段自分たち(生徒たち)と一緒にいる人」
教えることは、学校の先生が専門家なんですよね。
(ああもちろん、医療従事者が性教育を教えるのはだめと、
言いたいのではなく、医療従事者が教える機会を、
もっと増やしてよいと、考えているのだけれど。)
>男性が性に悩んだ時にどこの科にかかればいいのか
>知るのは大人になってからです
そういえば、そんなお話も聞いたことがあります。
挙げられた中では、たとえば、更年期障害が
女性だけだと思っているかたも、結構いそうですね。
>大人になって妊娠などするまで、
>頭の中の情報が更新されないままになることが多いから
その前の性交渉をする段階でいろいろと調べておく、
というかたは、まだまだ少数なのかな?
>>教えることは、学校の先生が専門家なんですよね。
もちろんそうです。が、教員の情報更新の遅さはWindows MEに匹敵すると思います(笑)。例えば新しい発見があったとしても、それを実際に生徒に教えられるのは次の年になったりしますね。試験には新しい方の情報が入るので、それを気にする・しないが学校によって差が出るようです。
>>性交渉をする段階でいろいろと調べておく、
>>というかたは、まだまだ少数なのかな?
少数のようですね。何しろ私自身も留学するまで感染症の検査(保険適用外)を受けたことはありませんでしたし。まず自分の体を把握している人自体少ないような気がします。何もなくても検査目的で行くとお金がかなりかかるからでしょうか…「ブライダルチェック」と称して「女性向け」のものとして受けている人はいるようですが、果たして男性は…?
>教員の情報更新の遅さはWindows MEに匹敵すると思います(笑)
たしかに教員は直接医療現場にいるのではないし、
情報が入るまでの経路には距離がありますからね。
教科書に載るのも、ある程度学説が固まってからでしょうし。
>少数のようですね
避妊に気を遣ったり、情報を調べたりしていると、
(わたしから見れば、あたりまえという感じなんだけど。)
産科医から「ヨーロッパ的だ」と褒められるらしいからね。