5月25日エントリの続き。
新党きづなの渡辺義彦氏の国会質疑です。
「5月10日(木)の本会議にて社会保障と税に関する
法案に対して質疑をおこないました。」
(はてなブックマーク)
6つ目のパラグラフで、配偶者控除と3号被保険のことも、
述べられているのですが、それらの認識もすごいです。
配偶者控除と3号被保険はなにが問題かと言えば、
必要以上に専業主婦が優遇されていることです。
それで、この優遇をやめて、すべてのライフスタイルに
公平になるようにしようというのが、
配偶者控除と3号被保険の廃止の目的です。
ところが、新党きづなの渡辺氏は、専業主婦が
過剰に優遇されていることが見えないのかなんなのか、
配偶者控除と3号被保険を廃止するほうが、
あたかも不公平であるかのような主張をしているのです。
このような考えは、配偶者控除と3号被保険の廃止を、
こころよく思わない人たちが、よく主張することでもあります。
http://www.kizuna-party.jp/archives/352
========
配偶者控除並びに第3号被保険者制度の廃止を
訴えている小宮山大臣は、どうやら専業主婦というもの
自体をなくして女性もすべて社会に出て自立するべきだと
考えているように思えますが、
========
新党きづなは、民主党から分離したところですが、
それでこの認識は、かなりおそまつだと思いました。
民主党にいたとき、なにをしていたのかと思います。
もちろん、民主党にいても、すべての議員が
家族やジェンダー政策にかかわっているわけではないし、
自分のかかわっていないことにくわしくない、
ということは、もちろんありえることです。
>配偶者控除
所得別の配偶者控除と扶養控除を合わせた額を
こちらにしめしていますが、妻が専業主婦のほうが、
あきらかに共稼ぎの世帯より有利になっています。
さらに配偶者控除は、女性を専業主婦に押しとどめておく、
「囲い込み」として機能することがあります。
配偶者控除を得るために、妻の年収がわざと103万円を
超えないようなパートなどの低賃金労働を
女性がみずから望むようになるからです。
専業主婦が特別に有利で、制度によって専業主婦を
選択するよう仕向けられるというのは、ライフスタイルの
公平性という観点から、ひどく偏ったことになります。
「配偶者控除」
「配偶者控除(2)」
>3号被保険者制度
年金の3号制度については、
1. 実態として納付しなくても基礎年金を
受給できる3号被保険者が、実態として納付しないと
受給できない1号被保険者より「優遇されている」こと、
2. 夫に先立たれた場合、3号の妻が受給する
遺族厚生年金は、共働き妻が受給する遺族厚生年金より
高額になること
が、つぎのエントリで指摘されています。
「専業主婦の年金(第3号制度)の不公平」
>絆ということば
ところでこの渡辺氏の質疑ですが、
「親と子の親愛の絆」というフレーズが出て来ます。
「新党きづな」が家族政策について質疑したので、
きっと「家族の絆」に発想が向かうのではないかと
思ったのですが、予想通りでした。
========
新党きづなは、親と子の親愛の絆を大切にした
子育て支援策の検討を強く訴えます。
========
選択別姓反対派が、さかんに「家族の絆」と繰り返し
言ったこともあって、わたしは「絆」とか、
「家族の絆」ということばや概念が、嫌いになっています。
やはり嫌な使いかたをしたかと思いましたよ。
>小さいときから両親と関わる時間がほとんどなく、手厚いとはいえ保育士さんに育てられた子どもを多く輩出する社会が政府そして民主党の望みなのですか?<
これはとりわけ酷いですね(他も酷いのがありますが)。
保育所で育つことへの偏見ありありです。まるで保育所に預けると親子がほとんど関わらないみたいではありませんか。
むしろ、母親が育児専業で父親が長時間労働を強いられるほうが「(父が)子とほとんど関われない」ことになりやすいのですが。
親と子の親愛が大切だと思うなら、育児休業・育児時間の保障、長時間労働の是正、所得保障がもっとなされるべきですし、保育所の充実もけっして親子の親愛を妨げるものではありません。
>これはとりわけ酷いですね(他も酷いのがありますが)。
>保育所で育つことへの偏見ありありです
そうなんですよね。
保育園の認識もかなりひどかったりします。
「えんだんじ」のかたと同様、「母性神話」を信仰していて、
それで保育園悪玉論なのではないかと思います。
保育士さんは育児の専門家なのですし、むしろ子どもにとっても、
このましい影響があるだろうと思います。
実際に保育園に預けられたことで、親子の愛情が薄れたという
お話も聞かないですし、保育園育ちの子どもが増えて
なにが問題なのかと思いますよ。
>「(父が)子とほとんど関われない」ことになりやすいのですが。
父親が子どもと関われないことは、
問題視していないんじゃないかと思いますよ。
「母性神話」を信じていることから察してだけど。
>親と子の親愛が大切だと思うなら、育児休業・育児時間の保障、
>長時間労働の是正、所得保障がもっとなされるべきですし、
まったくおっしゃる通りですね。
でも、女性を家庭に押し戻す方向しか考えていない人には、
思いつかないことなのかもしれないです。