30歳を超えたというので、新聞記事ですこし話題になっています。
もとのデータは、厚生労働省の人口動態統計です。
「日本人の初婚年齢、男性30.5歳・女性28.8歳 “50歳まで未婚”は過去最高に」
「初産平均、初の30歳超え」
「出生率1・39、自然減20万人超え 第1子出産の母親年齢は初の30歳台に」
厚生労働省の「人口動態統計」のデータから、
平均第一子出生年齢の年次推移をしめしたものが
つぎの図のグラフです。
これを見ると、だんだんと年齢が高くなっていて、
晩産化が進んでいることがわかります。
このグラフは2010年までのデータしかないので、
2010年で平均第一子出生年齢が29.9歳になっています。
2011年のデータでは30.1歳となっています。
はじめて30歳を超えた、というわけです。

上のグラフには、妻の平均初婚年齢も
描かれていますが、1975年から現在にいたるまで
一環して平均初婚年齢が、平均第一子出生時年齢より
若くなっていることがわかります。
あたりまえのような気がして、見過ごしてしまいそうですが、
これは、「子どもを産むのは結婚をしてから」という
社会通念が、日本では強いことをしめしています。
外国では、かならずしも平均初婚年齢のほうが、
平均出生時年齢より若くないこともあります。
2004年なので、すこし古いデータですが、
たとえばスウェーデンでは、女性の平均初婚年齢が31.1歳で、
平均第一子出生時年齢が28.8歳となっています。
つまり「平均初婚年齢>平均出生時年齢」になっているわけです。
「スウェーデン女性の初出産年齢は平均28.8歳」
お話がもどって、日本では晩婚と晩産化が進んでいるのですが、
産経新聞の記事なんて、「縮む日本」なんて
見出しのところについていますし、未婚率の上昇と合わせて、
少子化が進んで先細りすると、ご心配なようです。
ここで少子化対策が必要だ、というのでしたら、
せめて「平均初婚年齢>平均出生時年齢」にする
必要があるのではないかと思います。
つまり初婚年齢と逆転させることで、
平均出生時年齢を引き下げよう、ということです。
そのためには、「女性が子どもを持っても
お仕事を続けやすくする」という一般的な「少子化対策」は
もちろんですが、婚外子に対する差別をなくすことや、
事実婚、シングルマザーの支援を充実させる、
といったことも、必要になってくると思います。
さきのスウェーデンでは婚外子差別がなく、
また事実婚やシングルマザーの支援が充実していることは、
よくご存知のことだろうと思います。
それで、子どもがひとり産まれても、すぐに婚姻届けを
出さないカップルが多い、ということなのでしょう。
シングルで妊娠しても育てられないと中絶。
子供一人育てるのに学費などで1000万。
こんな事が常識とまかり通っている日本では出生率などあがりませんよ。
ありがとうございます。
>こんな事が常識とまかり通っている日本では出生率などあがりませんよ
子どもを持つために、いろいろなところで
お金がかかるのが日本ですね。
そういうところで、経済的負担を減らさなければならない、
ということも、ずいぶん前から指摘されているけれど、
因習的な家族教と福祉否定の政治が拒み続けますね。