なんでも、「結婚したくなるコピー」というものが
公募されていたのですが、最優秀賞がなんと
「僕の苗字をあげるから きみの人生をちょうだい」
なのですよ。
第157回は結婚したくなるコピーを公募致しました。最優秀賞は@h5yxhoさんの「僕の苗字をあげるから きみの人生をちょうだい」。優秀賞は@Hummingbird1979さんの「さよならを言っていた時間が、一緒に帰る時間になる」。御美事
— Copy writing (@Copy__writing) 2012, 8月 6
「僕の苗字をあげる」というのは、相手の女性に
「僕の苗字」を名乗ってもらうという意味ですよ。
「僕」が相手の女性の苗字になる、という意味ではないですよ。
このコピーを見て、ものすごい拒絶反応をしめしたかたも、
これをご覧の中には、たくさんいることと思います。
ツイッターでもだいぶ話題になったのですが、
わたしのTLでは、やはり批判が多かったです。
わたしも、これでどこが「結婚したくなる」なんだよと、
猛烈な抵抗感を覚えましたよ。
しかも、これが最優秀賞の作品ですよ。
世間的には、まだまだこういうのが受けるのでしょうか?
それともこの手のコピーは、既成道徳のお題目が好まれる、
ということなのでしょうか?
結婚しても苗字を変えたくないかたにとって、
相手の男性の苗字を名乗らされることは、
不都合以外のなにものでもないと思います。
「結婚したくなる」要素では、ぜんぜんないでしょう。
むしろ「結婚を拒否したくなる」要素だろうと思います。
また、そうしたかたにとって結婚改姓というのは、
「自分の苗字を取られる」という感覚だろうと思います。
「男性の苗字をもらう」という気持ちには、
とてもなれないのではないかと思います。
あきらかに不利益なのに、「苗字をあげる」なんて
利益であるかのように言わないでくれ、でしょうか。
そして後半は「きみの人生をちょうだい」ですよ。
苗字を取られた上、人生も取られるというわけです。
苗字を取られるならなおさらですが、そうでなくても、
大切な人生を取られてたまるか、と思ったかたも
たくさんいらっしゃるだろうと思います。
でも考えてみれば現実として、結婚や出産によって、
女性はキャリアをあきらめなければならない事態に
追われることも、たくさんあります。
また、結婚したとたん、夫の家族から
「嫁」扱いされることも、まだまだあったりもします。
結婚によって女性の人生から、失われるものが
いろいろとあるのは、たしかなことだ思います。
そう考えると、結婚改姓をして人生を取られるという
くだんのコピーは、結婚というものの
ひとつの現実を物語っているのかもしれないです。
「あなたの人生をちょうだい」
男から女に:出産して育児だけしてちょうだい(最近では自分でも働いてちょうだい)
女から男に:仕事だけしてちょうだい、金は全部寄越せ
2chで目にしたおそらく多くの人の本音、私はこの解釈にゾッとしますがそれが日本人一般の感覚ではないかと思うようになりました。
>「人生をちょうだい」と言っているのは、もしかしたら「両方」かもしれませんよ
わたしは、この問題を対称とは考えないのですよね。
女性が「あなたの人生をちょうだい」と言っても、
「結婚したくなるコピー」には、ならないだろうと思うのです。
やはり経済力を持っているほうが、立場が強いと思います。
そう考えると、妻は夫に生活を預けることになるのでして、
女性から男性に人生を差し上げるものなのだなと、
わたしは思うわけです。
もうひとつ、エントリにも書いているけれど、
女性は結婚によって、お仕事をやめたり、子どもを産んだりと
いろいろと振り回される部分が大きいけれど、
男性は結婚しても、そのままお仕事が続けられたりして
あまり変化がないというのもあります。
「財布は奥さんが握っている」があるんですよね。
今もそうなのかわかりませんが。
どっちかと言うと男女共同参画とかの関係団体が主催したならどういったものが最優秀に選ばれるかの方が興味があります。(結婚制度自体に懐疑的な方も多いんで無理かもしれんけど)
>外国人に驚きの現実のひとつに、
>「財布は奥さんが握っている」がある
あら、そうなんだ。
一般に女性は男性より、お金の管理をきっちりやるので、
そうなるのでしょうけれど、日本に顕著な現象だったのですね。
外国人の女性は、日本人の女性ほど、
お金の管理をきっちりやらないものなのかしら?
>たんに審査をした人達に
とくに条件がつかないと、審査をする人たちは、
おのずと「そういった傾向」のものを選んでしまうのではないかと、
わたしは思うのですよね。
男女共同参画に関係する団体が主催すれば、
もちろん主旨にそったものが選ばれると思いますよ。
なので、「きみの人生をちょうだい」なんてのは、
なおさらだろうけど、引用の優秀賞のような
「中立的」なものも、選ばれないだろうと思います。
「苗字」と「人生」の交換〜?、経済学でいうとあまりの不等価交換です。
苗字に、人生ほどの大きな価値を見いだしている輩がいたら、純粋すぎるというか、世間知らずというか、おバ○というか、、。まあ、この雇用不安定な時代には、将来が保証できねえ、金もねぇ、ヤフオクに出せるものもねぇ、そっか、苗字ならあるぞ!だったりして、、w、なんだかお寒い。
そういえば古い漫画で妻のことを「大蔵大臣」と呼んでいるサラリーマン、というシーンがあるのを思い出しました。
自分のものと配偶者のものをちゃんと分ける習慣があるということだと思います。…と言っている私のところも、財布はそれぞれ別です。
「僕の名前を捨てるから貴方の財産頂戴」(財産目当て婿養子)
なら理解できます(笑)。もちろんやっぱり厭ですけど。
このエントリにコメント、ありがとうございます。
>経済学でいうとあまりの不等価交換です
そうそう、ぜんぜん釣り合ってないですよね。
というか、結婚改姓したくないかたにとっては、
苗字はもらうものではなく、取られるものでしょうから、
「交換」にすらなってないと思います。
>苗字ならあるぞ!だったりして、、w、なんだかお寒い。
女性が結婚改姓するのがとうぜんという、社会通念があるかぎり、
結婚において男が差し出せる最後のものが苗字、
ということになるのでしょうか?
(これはたしかにお寒い。)
>古い漫画で妻のことを「大蔵大臣」と呼んでいる
>自分のものと配偶者のものをちゃんと分ける習慣がある
「我が家の大蔵大臣は妻だ」と言っている男性は、
たしかにいらっしゃるようですね。
でもこういう家庭は、財布が夫婦できっちりわかれて
いないことのほうが多いような気もするけれど。
(わたしの思い込みだったりするのかな?)
>作ったのは、相手を所有物としか考えていないあり得ない勘違い男かと。
どうも、作ったのは女性みたいなのですよ。
(というか、女性だからこそ思いつくことのような気もします。)
>「僕の名前を捨てるから貴方の財産頂戴」(財産目当て婿養子)
うわ、たしかにそうですね。
それはそれでいやだと、わたしも思います、はい。
>「僕の名前を捨てるから貴方の財産頂戴」
「あなたの苗字をもらうから、私の借金払ってちょうだい」
もあるのではないですか。
「私の苗字を捨てるから、私の借金帳消しに」とか。
名前を変えることで借金を重ねる人もいるそうですから。
>「あなたの苗字をもらうから、私の借金払ってちょうだい」
多重債務をしていた事実を消すために、結婚改姓をする、
というのは、わたしも聞いたことがありますよ。
http://lacrima09.web.fc2.com/teardrops/related/debt.html
こうした場合は苗字をもらった上、借金の痕跡も消してもらう、
ということになりますね。
それにしても、こういう目的で結婚する相手は、
どうやって決めるのか、相手は結婚をどうやって
了承するのかと思います。
(借金に関する責任は、配偶者には一切ないとはいえ、
気にはなるでしょうし。)
とりたててほしいと思う女性は
あまりいないだろうと思います。
「もらう」というより「押し付けられる」と
思っているでしょうし。
それ以上に、相手の男性の苗字を
「もらう」より、自分の生来の苗字を
「奪われる」という意識だと思います。
>自分の名字が名乗りたいと思うほど価値があると勘違い
改姓したくない女性がいると、
「自分の苗字にそんな価値があるのか?」と
訊いてくる男性がときどきいると思います。
そんな男性は相手の女性に名乗らせるほど
自分の苗字に価値があるのかと、
わたしも思います。