あまりに無関心なのも考えものかと思ったので、
これにすこし触れておきたいと思います。
9月21日に投開票が行なわれた、民主党の代表選です。
野田佳彦首相の再選が決まりました。
「【代表選挙】野田佳彦代表を再選」
「野田首相が代表再選…輿石幹事長に続投要請」
野田佳彦 818ポイント
(国会議員429ポイント、地方議員とサポーター389ポイント)
原口一博 154ポイント
(国会議員62ポイント、地方議員とサポーター92ポイント)
赤松広隆 123ポイント
(国会議員81ポイント、地方議員とサポーター42ポイント)
鹿野道彦 113ポイント
(国会議員86ポイント、地方議員とサポーター27ポイント)
代表選の分析は、つぎの記事がよくまとまっていると思います。
関心があるというかたは、ご覧になるとよいでしょう。
「始まった途端に終わっていた民主党の代表選挙」
わたしも、「どうせ野田で決まりだろう」と思ったので、
もともと関心があまり強くはなかったのでした。
世間一般も同様に思ったのか、自民党の総裁選とくらべても、
センセーションがいまひとつですね。
野田の再選は予想されたとはいえ、野田の得票数が
全体の3分の2もあって、ここまで圧勝するとは
思っていなかったので、ちょっとびっくりです。
やはり反野田勢力がすでに70人以上離党して、
民主党内で勢力を減らしていたのが、大きかったと思います。
ついで対立候補が3人に分裂したことがあるでしょう。
野田政権の支持率は20%台と、低迷しています。
それでも野田氏が、圧倒的多数の支持で再選されたわけで、
国民からの不支持をもっても、反野田勢力は力を持ち得ず、
党や政権は軌道修正されなかったことになります。
民主党はもはや、方向転換が利かないところまで、
来ているのかもしれないです。
もちろん、今回の圧勝にもとづく再選をもってしても、
行き詰まった政権運営が打開されはしないでしょう。
党内でいくら信任されても、国民から信任されたのではないからです。
さりとて、ほかのだれかが首相になったところで、
事態が目立って改善される、ということはないのでしょう。
民主党内でも、野田が好ましいとは思わないが、
野田以外にいないと思っているところも
あるのかもしれないです。
わたしが懸念するのは、野田が代表選で圧勝したことで、
民主党内の反野田勢力の影響力や発言力が
さらに低下するのではないか、ということです。
野田首相の続投は、民意とは乖離していますが、
民主党内では相対的に、野田の力が強いことがしめされたからです。
五十嵐仁氏の記事では、さらにこのほかに、
1. 党員・サポーターの投票率が34%とごく低いこと。
党員やサポーターにもセンセーションのない代表選だった。
2. 国会議員と、地方議員・党員・サポーターとで、
野田以外の対立候補3人の得票が逆転していること。
国会議員は、地方議員や党員からも乖離している。
3. 民主党からは、反野田派が70人以上離党しているにもかかわらず、
国会議員で反野田票が100人以上いたこと。
の3点を指摘しています。
ところで、代表選出のあいさつで、野田佳彦氏が
「笑顔の広がる国をつくりたい」と言っていたのですが、
これがなにか悪い冗談のように、わたしには聞こえます。
「【代表選挙】野田佳彦代表を再選」
「代表再選の野田首相「心から日本を愛している」」
「税と社会保障の一体改革」と言いながら、
社会保障のほうはどんどん骨抜きになって、
消費税の増税ばかりが先行しているようでは、
とても「笑顔が広がる」ことはないだろうと思います。
しかもこれが、政治生命を賭けた産物だというのですから、
お粗末きわまりないというものです。
三党合意に固執して、自民や公明の顔色を伺ってばかりですから、
むべなるかなというものです。
この方針をあらためないかぎり、
これからもろくなことはないだろうと思います。