すこし前のニュースですが、強姦致傷に対して、
執行猶予がつくという、判決が出たのでした。
つぎのように、これはきわめて異例のこととなっています。
この手の事件には、猶予などつかないのが一般的なのでしょう。
「強姦致傷、異例の猶予判決=裁判員は全員女性ー新潟地裁」
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裁判員裁判で強姦が既遂のケースを執行猶予とした判決は極めて異例という。
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これは裁判員裁判だったのですが、裁判員6人全員が女性だったのです。
それで、性犯罪の加害者に甘い判決が出たのは、衝撃的なことです。
性犯罪だから、女性のほうが理解できるだろう、
あるいは、被害女性の心理的圧迫を減らせるだろうと、
配慮したのかもしれないですが、逆効果になったのでしょう。
もちろん、女性だからといって、性犯罪の被害者に
かならずしも理解があるとはかぎらないです。
このような結果になるのは、ありえないことではないです。
ところで、この記事には、
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裁判員が全員女性ということで被害者の落ち度を大きく見た可能性がある
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という文章があるらしいです。
(リンクした時事通信の記事には、出ていないです。
このツイートからリンクされているYahooに配信した版
(すでにリンク切れ)には、出ているのだろうと思います。)
このくだりは、女性だからかえって二次加害を
起こしやすいと言っているのであり、
わたしにはとても引っかかるものがありました。
もしかすると、女性ゆえに「自分ならこうしたのに、
この被害者はなぜそうしなかったのか?」といった
判断が入ったのかもしれないです。
また、「女性が言っているんだから、これが女性の感覚なんだ」と
裁判関係者たちに思われた可能性があります。
男性がおなじことを言ったら、「それは男性の感覚だ」と言われて、
かえって二次加害が防げたのではないか、
という気もしないでもないです。
一般に女性の判事や裁判員のほうが、女性の被告や
被害者に対して、きびしい判断をする傾向があるそうです。
この強姦致傷事件でも、その一般的傾向が出た
ということでもあるのだと思います。
わたしは、裁判員制度が導入されたころから、
性犯罪に裁判員裁判で扱うのは危険だと、懸念していました。
もちろん、性犯罪に対して一定の知識のない
裁判員によるしろうと判断によって、
二次加害を起こす可能性があるからです。
「性犯罪に市民感覚?」
この強姦致傷の裁判員裁判は、まさにその懸念通りの
事態が起きたことになると言えます。
軽い判決を出させてみるという実験だったのではないでしょうか。
裁判員の評議は非公開・口外禁止・議事録も作らないので、何が行われたか第三者が知る術はありません。
>軽い判決を出させてみるという実験だったのではないでしょうか
それはさすがに深読みのしすぎではないかなと、わたしは思います。
というのは、一般的には、男性のほうが性犯罪に理解がなく、
被害女性にきびしい判断をすると、思われているでしょうから、
そのような実験をしたければ、男性を裁判員に
入れるだろうと思うからだけど。
こういう宝くじをあてるような犯罪者が現れるような制度は決してよいとは思えないですよね。
>裁判員裁判は、私は最初から反対でしたが、
じつはわたしは、裁判員制度自体の是非については、
とくに意見はないのですよね...
性犯罪にかぎって言えば、裁判員を導入するのは
危険があるという考えだったりします。
>この制度、国民的議論もほとんどなく導入されたように思いますが、
>どれほどの賛成があったのでしょうね
わたしもくわしいことはぜんぜんわからないです。
お恥ずかしながら情報をぜんぜん追っていなくて、
気がついたら導入が決まっていて、性犯罪の被害者にとって
危険なことになっている、という状況だったのですね。