2012年09月30日

toujyouka016.jpg 自民総裁選・安倍選出

これにもやはり、触れる必要があるでしょうね。
9月26日に投開票が行なわれた、自民党の総裁選です。
安倍晋三が総裁に選出されました。

「自民新総裁に安倍氏=決選で逆転、石破氏を要職起用へ」
「自民総裁選:安倍晋三元首相が新総裁に」
「タカ派で知られる自民党の安倍新総裁、首相返り咲きを狙う」

 
1次投票では石破茂氏がトップだったのですが、
過半数に達しなかったので、1位と2位で決選投票になったのでした。
この決戦投票で逆転して、安倍晋三が選出されたのです。

石破は党員票は過半数をしめていましたが、
議員票がすくなかったですし、議員だけが投票する
決選投票になったら逆転するかもしれないと
思ってはいたのですが、その予想が当たってしまいました。


>5年前の安倍の辞任

それにしても、前に総理大臣だったときは、
カッコイイとはお世辞にも言えない辞めかたをした安倍晋三を、
自民党の人たちは、よくもふたたび選んだものだと思います。

前回首相だった2007年に、安倍晋三が辞任することになった
間接的な原因は、2007年の参院選の大敗です。
「消えた年金」の対処がふじゅうぶんだったので、
それが批判され、自民党から票が大量に離れたのでした。

参院選の大敗にもかかわらず、安倍は辞任せず
首相の座にしがみついたのですが、代表質問のときに、
突然政権を投げ出すという「敵前逃走」をしてくれたのでした。
辞任を決意した直接のきっかけは、インド洋における
自衛隊の給油活動の延長に頓挫したためとされています。

「安倍首相の続投と辞任」


>純潔思想

このような安倍晋三ですが、わたしはもちろん
まったく評価も期待もできないのでした。
安倍晋三は、統一教会の合同結婚式に祝電を送ることから
わかるように、「純潔思想」を信奉しているからです。

「純潔思想」というのは、家族やジェンダー関して、
ひたすら反動的・因習的な政策に向かいます。
したがって、適切な少子化対策とか、女性の権利の保証と
いったことからは、まったく逆行をすることになります。

民法改正についても、2006年に安倍が内閣を作ったときは、
「夫婦別姓は死んだ」とまで言われていました。
そのくらい絶望的な状況に陥ったのでした。
2007年の世論調査では、夫婦別姓に反対の声が持ち直し、
世論一般の雰囲気にも悪影響を及ぼしました。


「純潔思想」はとくに、性に関するものを「不純」として、
狂信的なまでに忌避する考えがあります。
各人が身を守る上で、必要かつ適切な性教育さえも、
「過激だ」として猛反対するくらいです。
かつて安倍が政権を取っていたため、日本の性教育は
(いや日本の教育全般は)、破壊的な状態になったのでした。

「自民党新総裁。」
「少女の拉致について。具体的な訓練を。」
あんなぶっさいくな辞め方をした総理大臣が、また今回立候補すると。
この彼が、性教育も含めて、教育界をぐちゃぐちゃにしたことを忘れません。
彼の時代に山谷えりこや八木秀次氏などの意見で
性教育をぶっつぶし、文科省を指揮し、
「新しい歴史教科書をつくる会」(その後いろいろ内部紛争が
あったりしていますが)の活躍をさせたりしました。

彼が総理になると、またあんな時代が帰って来るだろうとぞっとします。


>今後の展望

安倍晋三がふたたび総理大臣になるなど、
家族やジェンダーの観点からすれば、とんでもないことになります。
ところが、現時点では民主党はつぎの選挙で
大きく後退して、下野する可能性が高くなっています。
したがって、自民党が政権を取って、
安倍晋三が総理大臣になる可能性が高いということです。

わたしとしては、自民党が政権を取ることは、
なんとかしてでも避けたいことです。
ところが、民主党は野田佳彦を再選させたりして
方向転換が利かないようですし、支持の回復は見込めないでしょう。
いまのところ、効果的な策は思い当たりません。

posted by たんぽぽ at 17:18 | Comment(4) | TrackBack(1) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
たんぽぽ様

=日本陸軍の伝統的戦法は「肉弾攻撃」であって、徒手空拳で完全武装した敵軍に立ち向かうための精神論が重視されていた。一方の海軍は、船と燃料が無ければ何も出来ないため、陸軍に比べればまだリアリストであった。

と言うような話を読んだことがあります。
同じ右寄りの2人ですが、安倍=陸軍思想、石破=海軍思想、って感じがしますね。
そして、自民党内でも有権者に近い地方組織では、海軍的リアリストが好まれたが、国会議員内では陸軍的精神論者が好まれた、と言うことなのかな?とか思っております。

>ところが、民主党は野田佳彦を再選させたりして、
>方向転換が利かないようですし、支持の回復は見込めないでしょう。
>いまのところ、効果的な策は思い当たりません。

脱原発を強力に前面に押し出して頂きたいですな。
産業界の反発を喰いつつも一般市民の賛同を得られる、起死回生の策となるかも。
今のような中途半端な脱原発では、望むべくもないことですが。
Posted by ニャオ樹・ワタナベ at 2012年10月02日 12:52
このエントリにコメント、ありがとうございます。

>と言うような話を読んだことがあります

なるほどねえ.,,

海上で戦うには技術がいるので、相応の訓練が必要で
だれでもできるというわけにはいかないけれど、
陸上で戦うには経験のない一般の人でも、
武器を持たせればそれなりに戦えるのですよね。

陸上で戦う兵には、特別な技術を必要としないところが、
「技術的な限界」というのを自覚させないので、
精神論に走りやすい体質を作り出しているのも
あるのかもしれないですね。

>同じ右寄りの2人ですが、安倍=陸軍思想、石破=海軍思想、って感じがしますね

安倍は早々に改憲を争点にする、などと言っていますね。
景気や雇用対策も必要だし、震災の復興もまだだしで、
国民生活は逼迫しているのに、のんきなことだと思います。
安倍はご自分のイデオロギーが大事で、国民生活という「現実」が
あまり見えていない人なのだろうと思います。


>脱原発を強力に前面に押し出して頂きたいですな

自民党はもともと反原発の議員なんて、
ほとんどいないですからね。
総裁選の候補者5人が全員原発ゼロに反対したのは、
象徴的にして印象的だったと思います。
その意味では、脱原発は自民党との対立を作る上で、
わかりやすい争点だと思います。

>今のような中途半端な脱原発では、望むべくもないことですが

ああいや、技術的な限界や抵抗勢力の存在など、
現実の「壁」があちこちにありますからね。
それを考えれば、民主党政権はじゅうぶん「リアリスト」の
対策をしていると思いますよ。
Posted by たんぽぽ at 2012年10月03日 23:45
たんぽぽ様

>陸上で戦うには経験のない一般の人でも、
>武器を持たせればそれなりに戦えるのですよね。

いや、ちょっと違いますね。だいぶかな?
その武器はおろか食料すらまともに与えずに(与えられずに)、それでも兵隊に戦わせるためには、精神論しか無いんですよ。
逆に言えば、精神論さえ国民に叩き込んでおけば、満足な武器や食料が無くても、はるか彼方に出兵させて戦わせることさえ出来る。それでいて自分達は尊敬してもらえるからね。
陸軍的精神論を好む為政者とは、所詮そんなものだと言う風に、私は理解しています。

>安倍は早々に改憲を争点にする、などと言っていますね。

「戦後レジームからの脱却」ってやつですね。あほくさ。
「現在の憲法の何が問題で、どこをどう改善すべきなのか。」が一切語られていない以上、単に「俺が改憲する」ことが目的だってことです。
「頭の上がらない母親を見返してやりたい」が真の動機かな?そんなん一人で勝手にやれって。別のネタで、手弁当で。

>それを考えれば、民主党政権はじゅうぶん「リアリスト」の(脱原発)対策をしていると思いますよ。

とは、なかなか思って貰えないんじゃないでしょうか。大間原発の建設再開とか言われちゃうとねぇ・・・
色々と難しいのは分かるんですけどね。
Posted by ニャオ樹・ワタナベ at 2012年10月04日 12:53
またまたコメントありがとうございます。

>いや、ちょっと違いますね。だいぶかな?

あらあら、わたしの前のコメントは、ずれていたようですね。

>陸軍的精神論を好む為政者とは、所詮そんなものだと言う風に、

なるほど。
陸上というのは、なにもなくても歩いて移動できるので、
「精神論」が幅を利かせやすくなる、ということのようですね。

>「戦後レジームからの脱却」ってやつですね。

安倍のメインは9条改憲じゃないかな。
5年前にやろうとして挫折したことを、
またやろうということなのでしょう。

こちらでも、さんざんに批判されているけれどね。
http://b.hatena.ne.jp/entry/mainichi.jp/select/news/20121001k0000m010018000c.html


>大間原発の建設再開とか言われちゃうとねぇ・・・

大間原発の建設再開は、国の認可は必要ないことですし、
政府が決めたことではないですね。
Posted by たんぽぽ at 2012年10月05日 06:40
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