東京電力は、福島第一原子力発電所の事故に関して、
避難指示を受けた被災者に精神的賠償なるものをしています。
ところが、何人かの女性に対しては、避難生活中に結婚したというので、
「結婚で生活基盤が整った」という理由で、賠償の支払いを
打ち切っていたことが、あきらかになったのでした。
「福島原発事故:東電、結婚理由に精神的賠償打ち切り」
(はてなブックマーク)
「東電:結婚理由に被災女性への賠償打ち切り」
2011年8月に定められた、文科省の原子力損害賠償紛争審査会の
中間指針によると、かかる精神的賠償は、
「帰宅が可能になる時点」まで支払うとなっています。
結婚したことで打ち切るという規定はありません。
つまり、東京電力はまったくの独断で、
結婚を理由に賠償を打ち切ったことになります。
賠償の負担を減らしたくて、規定にない理由で
打ち切ったことが、まず批判されることだと思います。
そもそも東京電力は原発事故の加害者です。
加害者が独断で賠償を打ち切ることも、批判されることでしょう。
(じつは東京電力は、大事な原子力発電所が壊されて、
震災の被害者だと、自分たちを思っているのかもしれないです。)
そして、かかる結婚にともなう賠償の打ち切りは、
女性の被災者だけが対象で、男性の被災者に対しては
結婚しても賠償を打ち切っていないらしいですから、
これは女性差別ということにもなります。
「結婚で生活基盤が整った」という理由なのですが、
「女は結婚すれば、夫に養われるので、
お金の心配がいらなくなる」と判断したと考えられます。
東京電力の女性観や結婚観が現れた、ということかもしれないです。
額を少なくできる要件があれば何でも採用します。
所得を逸失利益として賠償するのでも、女性の方が男性よりも平均所得が低いのは事実なのだから、ということで低く見積もられることもあるようです。
しかし不思議ですね、「結婚相手が同じ賠償対象だったら」どうだったんだろうと思います。結婚は男性を生活基盤とするためだけのものではないのですが…。
どちらにしろ、私たちが考えているより「嫁入り」という旧い認識が世の中を左右する人の中には生きているようですね。驚きです。
それにしても精神的慰謝料が結婚でチャラになるなんて、どう考えても無理スジですね。
東京電力の連中ってエリート揃いですから、自分達がやった事が女性差別・女性蔑視だと思われてしまうって感覚は皆無でしょう。(どっかの新聞社と同じ)
>いかにすれば額を少なくできるかという考えに基づいています
やはりそうなのですね。
できるだけ賠償をすくなくすませることを考えているんだ。
東京電力も例外ではなかった、ということですね。
>ということで低く見積もられることもあるようです
裁判でもそういう判決が出ることがありますね。
結婚して働かなくなるから、生涯賃金はすくなくなるはずだと判断されて、
賠償額が小額に設定されたことがあったのだ。
>修正された記事が後から出てきたりするので検索してみましたが、
>なかなか見つかりません
わたしも賠償打ち切りを取りやめたという記事は見ていないですね。
賠償の復活が記事にならないことは、あるだろうと思いますが。
(さすがに、賠償は復活させたと思うけれど、
それともごちゃごちゃ言って、渋っていたりするのかな?)
>私たちが考えているより「嫁入り」という旧い認識が
とくにこの件は、賠償をいかにすくなくするかに
関心が集中して、近視眼的になってるでしょうからね。
差別的な判断に無自覚になることはあるでしょう。
差別されている対象は、この手の「節約」の犠牲に
なりやすいということだと思います。
>結婚で財政基盤が整うなんて、さすが東京電力様は恵まれた立場ですな
東京電力の男性社員であれば、結婚相手の女性を養うだけの
収入があるのかもしれないですね。
(じつは本当に、そういう判断をしたのかもしれないです。)
>東京電力の連中ってエリート揃いですから、
>自分達がやった事が女性差別・女性蔑視だと思われてしまうって
>感覚は皆無でしょう
エリートにかぎって、差別に無頓着ということも、
ままありそうですね。
とくにこの件は、賠償を節約することに関心が
集中していたでしょうから、なおさら差別性に
無自覚だったのではないかと思います。