2012年11月11日

toujyouka016.jpg 男女平等指数への懐疑(2)

11月6日エントリでご紹介した、ジェンダーギャップ指数を批判する
ひとつ目の記事ですが、ここでジェンダーギャップ指数を
マスコミが無批判に取り上げる、という指摘があります。

「ジェンダーギャップ指数は、適切な指標か」
========
マスメディアでは何の留保もなく「日本の男女平等度が低い」指標として
再三再四、無批判にとりあげられてきた
========

 
記事の最後のほうでは、『社会運動の戸惑い』という本の
引用になっていますが、つぎのような文章があります。
========
「マスメディアをはじめとして、批判的注釈なしに
そのまま引用して使ってしまう傾向があり、
あやしげな数字の一人歩き、そして世論誘導がますます強まってきている」
========


日本のマスコミは、ジェンダーギャップ指数のことなど、
たいして大きく取り上げないのが恒例です。
(今年はまだ取り上げたほうです。)
記事になるのも、発表されたときくらいで、
「再三再四」取り上げられることもないです。
これらは「外国から女性差別を批判される話題は書かない」という、
日本のマスコミの「配慮」にもとづくものと思います。

日本のメディアは、ジェンダーギャップ指数については、
順位くらいしか報じないことは多いです。
といってもこれは、ジェンダーギャップ指数について
無批判だからではなく、「もうしわけ程度のことしか
書きたくないから」といったことだろうと思います。

それから、ジェンダーギャップ指数のことなど、
世間一般には知らない人も多いでしょう。
日本はすでに男女平等になっていると、
のんきに信じている人も、すくなくないと思います。
「あやしげな数字の一人歩き」とか「世論誘導」というのも、
いったいどこでなにがあるのかと思います。


ジェンダーギャップ指数の結果を信用したかたが、
日本における男女格差の是正のために考えることは、
1. 女性議員の数を増やすこと
2. 男女の雇用均等、とくに女性管理職を増やすこと
の大きくふたつになることと思います。

これらは日本の国内外で、すでに言われ続けていることです。
女性国会議員の数でしたら、列国議会同盟(IPU)
調査をしていますし、男女の雇用均等に関しては、
国際労働機関(ILO)が、勧告をしていることです。
世界経済フォーラムは、おなじ結果をしめしただけとも言えます。

朝日の記事では、ジェンダーギャップ指数の報告が
一部紹介されています。
これらの考察も、類似のことはすでに言われていて、
どこもおかしくはないことです。
========
女性の教育レベルが高いにもかかわらず、労働市場でうまく
活用されていないため、教育投資に見合う利益が出ていない

男女の雇用格差をなくすことで、
日本の国内総生産(GDP)が16%増える
========

ジェンダーギャップ指数の直接の影響かどうかは
わからないですが、厚生労働省のプロジェクトとして
「働くなでしこ大作戦」というものがあります。
これも男女の雇用格差を是正し、女性の労働力を
引き出す施策として、方向性は間違ってはいないです。


こうして見てくると、ジェンダーギャップ指数を検討すれば、
適切な現状分析ができて、適切な施策が打ち出せることを、
示していると言えるのではないかと思います。

はじめの記事では、ジェンダーギャップ指数を信用して、
施策を考えると、なにかおかしな方向へ迷走すると
言いたいかのような印象を受けます。
記事には例が書いていないのですが、
具体的にどんなおかしなことになるというのでしょうか?


はじめの記事では、文部科学省が設置した審議会が、
ジェンダーギャップ指数を根拠に、男女共同参画の推進を
主張したことを批判しています。
========
いかに、この指数の問題点が、とりわけメディアや、
男女共同参画の専門家や活動家に、浸透していないかを示している
========

まず、前のエントリや、このエントリで上述した理由で、
ジェンダーギャップ指数には一定の妥当性があると考えます。
また、男女共同参画の専門家や活動家が、
前のエントリで指摘したような、数値化による単純化に
気がついていないとは思えないです。

専門家や活動家が、ジェンダーギャップ指数しか
知らないことも、ないだろうと思います。
たとえば前述の列国議会同盟や国際労働機関から、
同様の調査結果が出ていることも、無論知っているでしょう。
日本の男女格差が大きい分野がわかりやすいので、
ジェンダーギャップ指数を挙げたまでだろうと思います。

よって、男女共同参画の専門家や活動家が、
男女共同参画推進の根拠として、ジェンダーギャップ指数を
挙げたことに、深刻な問題があるとは思えないです。
それとも、「列国議会同盟が」「国際労働機関が」と、
べつのものを並べれば、よかったのでしょうか?


ところで、はじめの記事、男女格差を是正することが、
そもそもおかしいことだと言っているようにも、
聞こえるのではないかと思います。
そして、日本に男女格差があることを否認したくて、
「ジェンダーギャップ指数には根拠がない」と
思いたがる人たちも、すくなからずいます。

情報の「独り歩き」について言えば、
ジェンダー平等に反対する人たちによって、
この記事が「フェミニストでも男女格差はないと言っているよ」と
曲解されて悪用されないか、ということのほうが、
むしろ心配ではないかと、わたしは思いますよ。

posted by たんぽぽ at 22:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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