ご紹介をしましたが、続いてアンケート結果を見ていくことにします。
「「ジェンダー平等政策」全政党公開アンケート(11.21発送、11.27回答期限)」
「日本未来の党から回答が届きました/10政党からの回答がそろいました/
政党別回答をチャート化」
ここでは全体をしめすグラフを見ていきたいと思います。
(このエントリの後半にも、くわしい解説があります。)
26すべての設問に、2点の「賛成」と答えていて、
グラフが完全な円になっているのは、「社民党」と「緑の党」です。
これらのふたつの党は、ジェンダー政策について
じゅうぶんな理解があることをしめしていることになります。


「緑の党」は、先日ご紹介した「未来の党」に一部が合流した
「みどりの風」とはべつの政党です。
緑の党は今回の選挙では残念ながら、候補者は立てていないです。
「国民の生活が第一」(すでに未来の党に合流していますが)も、
グラフが完全な円に近く、ジェンダー政策に理解があることがわかります。
(19)の慰安婦への国家による謝罪と賠償だけが、
1点(どちらかといえば賛成)になっているだけで、
ほかはすべて2点(賛成)です。

多くの議員が流れて来たもとの民主党よりもグラフが円に近いです。
これは意外に思ったかたも、多いのではないかと思います。
小沢一郎氏は、女性議員を増やすことに理解があり、
実際に成果を上げていますが、それ以外のジェンダー政策にも理解がある
ということなのかもしれないです。
「共産党」も完全な円に近く、ジェンダー政策への理解をしめしてます。
欠けているのは、(6)のクォータ制だけで、
これが0点(どちらともいえない)になっています。

共産党は党内ですでに、女性候補者を一定の比率にすることが
達成できているので、クォータ制に積極的でないみたいです。
公明党もおなじ理由で、クォータ制が2点の「賛成」ではなく、
党内で達成できていると、かえって積極的に賛成しなくなるのでしょう。
「民主党」は欠けているところが多少ありますが、比較的すくなめで、
ジェンダー政策には、わりあい理解があることになります。
これはだいたい予想通りだったでしょうか。

「未来の党」は、マイナス点になった項目こそないですが、
欠けたところが目立つようになっています。
多くの議員が合流した「生活」より欠けたところが多いです。
党首が女性になって、ジェンダー政策に力を入れているところを
アピールしているにもかかわらず、残念なことだと思います。

記事によると、未回答の設問が多いのでこうなっているようです。
結党して間がないので、検討中の項目が多く、
党内で合意が取れていないためと考えられます。
これはこれで、やむをえないのかもしれないです。
「やや期待をこめて動向を注視したい」とも書いていますが、
わたしは、あまり期待をしていなかったりします。
ジェンダー政策に関して、党内合意ができない原因は、
「減税」から来た議員が原因ではないかと思われるからです。
いかんせん、「南京事件なかった」の河村たかしや、
民法改正に反対しまくった亀井静香が入っているのです。
こういう人たちがジェンダー政策に関して、
足を引っ張った可能性は、じゅうぶん考えられるでしょう。
「未来の党」については、このようなミギミギしい人たちに、
いかにして足を引っ張らせないかが問題だと思います。
「公明党」も欠けたところが結構目立ちます。
とくに、(9)の配偶者控除の廃止・3号被保険者の見直しと、
(19)の慰安婦への国家による謝罪と賠償は、マイナス点です。
公明党は女性政策に理解がありそうな印象なので(そうでもない?)、
これはいささか意外かもしれないです。

「自民党」「維新の会」「国民新党」の3党は、
さらに欠けたところが多くなっています。
これら3党は、それだけジェンダー平等に対する理解がない、
ということですが、「さもありなん」だろうと思います。



これらの政党は「家族のありかた」に関わる設問で
反対していることが多いと、記事には書かれています。
これは例の「理想の家族」幻想を信奉していて、
ここからはみだすものに反対する、ということにほかならないでしょう。
自民党は2点(賛成)の項目も、ちらほらあります。
(12)の男性の育児・介護休暇の促進が2点になっていて、
保守的な人でも、男性が育児にかかわることに
理解をしめしていると言われることが、しめされています。
「維新の会」と「国民新党」で特筆するべきは、
(2)の憲法24条が2点(賛成)ではないというところです。
1点の(どちらかといえば賛成)になっていて、
否定的でないとはいえ、憲法が定める両性の平等に
すっかり賛成しないのは、問題視するところと言えそうです。
それから「国民新党」には2点(賛成)の設問がないです。
いちばんジェンダー平等に無理解な政党ということになるでしょう。
前のエントリの最後で毎日新聞の記事を紹介しました。
そこに「今後4年間、女性が社会に希望を持てるかが懸かっている」
という上野千鶴子氏のコメントがあるのでした。
「衆院選:ジェンダー政策 各党の違い浮き彫り」
総選挙によってかなりの確率で、自民党が政権を取るでしょう。
そして自民党は、上記のグラフがしめすように、
ジェンダー政策にあまり理解があるほうではないです。
残念ながら、女性が社会に希望を持てる社会は、
今後は遠のいてしまいそうです。
なるほどこれは、各党のキャラクターが見事に出ますね。非常に分かりやすいアンケート結果だと思います。御紹介頂き、有難うございます。
単独過半数どころか、絶対安定多数にまで届くかも、な自民党ですが(ゲロゲロ)、憲法9条、24条の厳守が満点(賛成)なのは何故でしょう?
総裁の理念である「戦後レジームからの脱却」は完全無視なのでしょうか?たとえ安倍晋三が総理大臣になったとしても、下っ腹の痛む毎日が待っていると言うことかもしれませんね。
閑話休題。
「民法改正」と「国連女性差別撤廃条約批准国の責任遂行」について、恐らくはの次期与党さんは完全無視ですか。前者はさて置き、後者についてはいい加減、撤廃委員会の方も我慢の限界なんではないでしょうか。想像を絶するペナルティが日本に課せられる事を、強く望みます。
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2012/11/2012-04.html
日本共産党:2012年総選挙各分野政策
====================
所得控除を税額控除に置き換えるというのであればともかく、配偶者控除や扶養控除を代替措置もないままに一方的に廃止する増税には反対します。
====================
ここの前に、「『所得控除は金持ち優遇』は誤りだ」と書いています。
このエントリにコメントありがとうございます。
>各党のキャラクターが見事に出ますね。
>非常に分かりやすいアンケート結果だと思います。
ご覧いただきありがとうございます。
各政党のジェンダー政策に対する姿勢がわかりやすいですよね。
結果もだいたい予想通りだし。
>憲法9条、24条の厳守が満点(賛成)なのは何故でしょう?
安倍は改憲を争点にしようとしているのだし、
「9条厳守」に「賛成」と答えてはだめなはずですよね。
あるいは、さすがにこれらに「賛成」以外の回答をするほど、
つらの皮が厚くなかった、ということなんでしょうか?
このあたりの整合性がどうなっているのかは、わたしもわからないです。
>「民法改正」と「国連女性差別撤廃条約批准国の責任遂行」について、
来年の1月に夫婦別姓訴訟があるけれど(結審じゃないかな?)、
違憲判決が出たとしても、自民党はさっくり無視しそうですね。
>想像を絶するペナルティが日本に課せられる事を、強く望みます
人権条項を定めた条約の多くに対して、
日本は放置するのが常態化しているのですよね。
国連としては、内政干渉になるので、報告書を書かせて
勧告する以上のことをしないのでしょうけれど、
あまりに守らない国があったら、もっと実効的な罰則を
考えたほうがいいと、わたしも思います。
>共産党が「配偶者控除の廃止」に賛成となっているので、
そうそう、わたしもそこは引っかかったです。
反対しているはずなのに、なんで「賛成」と回答しているのだ?と、
わたしも思いましたよ。
よく見ると共産党の回答には、コメントがついているのですよね。
http://gifu.kenmin.net/akenminh/kou-2/seitou/12fpa12.pdf
========
(共産党)配偶者控除・第3被保険:
配偶者控除の廃止には基礎控除の引き上げが必要。
年金の第3号保険者制度は、女性の低年金や無年金などとともに
年金制度が抱える矛盾。
最低保障年金制度の実現でその矛盾を抜本的に解決する。
========
たぶんこの「基礎控除の引き上げ」が、「代替措置」ではないかと思います。
「賛成」と言っても、「条件付き」ということでしょう。
>たぶんこの「基礎控除の引き上げ」が、「代替措置」ではないかと思います。<
ああ、なるほど。
しかし、
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2012/11/2012-04.html
(日本共産党:2012年総選挙各分野政策)
には、
===================
基礎控除を現行の2倍に引き上げ
===================
と書いているのですから、それとセットで配偶者控除廃止または見直しを言えばよさそうなものです(政策のほうも)。
「代替措置もないままに一方的に廃止する増税には反対」という言い方が、"確かな野党"なんだなあと思います。
「所得控除は金持ち優遇ではない」という理屈はまったく納得できませんね。
それなら児童手当(月額)を高所得者3万円、中所得者2万円、低所得者1万円にしても、年収比で考えれば高所得者優遇ではない(金持ちに3万円はたいした額でないが、低所得者にとって1万円はたいへんありがたい)ということですから。
>http://www.jcp.or.jp/web_policy/2012/11/2012-04.html
>基礎控除を現行の2倍に引き上げ
>と書いているのですから、
上記サイトには、基礎控除の引き上げが、配偶者控除廃止の
代替措置だと、わかるようには書いていないですね。
適切な代替措置が見当たらないので、配偶者控除の廃止には
反対だと言いたいみたいです。
基礎控除の引き上げが代替措置とはっきりわかるように
書かないあたり、共産党はやはり配偶者控除の廃止には
基本的に反対なのかな、という気がします。
(P-WANのアンケートは、廃止に賛成と答えないと
女性差別的と見られるので、条件付きで賛成ということに
したのかなと、ちょっと勘ぐりたくなりますね。)
>「所得控除は金持ち優遇ではない」という理屈はまったく納得できませんね
それはわたしも同意見です。
金持ち優遇であることを認めると、共産党の立場としては
廃止に賛成しないとおかしくなるので、認めようとしない、
ということなのだろうと、想像できますね。
名古屋は 河村さんの活躍で 未来の党に 違和感が 少ないかなぁ。他の地域は どんな印象かナァ。年配者と中年と若者は 小沢さんと亀井さんの長い政治人生を どうみているかなぁ。情報のありかた。未来の党 新党かなぁ
政治研究会(名前検討中
わたしのブログにようこそです。
>選挙 河村 未来 で プログ検索中です
このエントリでは、河村と亀井は批判的に書いていますね。
未来の党が女性党首になって、リベラルの受け皿になるかと
思った矢先に、ミギに偏った人が入ってきたのですからね。
>名古屋は 河村さんの活躍で 未来の党に 違和感が 少ないかなぁ
なるほど、河村たかしは、未来の党のイメージ作りに
貢献はしているのですね。