どのくらい関与しているか、まとめた記事を東京新聞が書いています。
とても興味深いので紹介したいと思います。
これを見れば、各議員が脱原発に対して、
どのくらい「本気」かを調べることができるでしょう。
「脱原発本気度 議員活動で検証」
記事では4つの活動について、参加したかどうかをリストしています。
1. 「脱原発基本法案」の提出
2. 「原発ゼロの会」への参加
3. 「さようなら原発1000万人署名」
4. 「原子力規制委員会」の人事案の見直し

1.の脱原発法案は、2020~25年の脱原発の実現などを定めています。
今年の9月7日に、国民の生活が第一や社民党などの
野党の国会議員によって、衆院に提出されました。
現在は継続審議中になっています。
「脱原発法案を国会提出=賛同議員100人超ー大江健三郎さんら後押し」
2.の原発ゼロの会は、超党派の国会議員で作る議連です。
「原発ゼロを政治的公約とし、実現に全力を挙げる」という
主旨に賛同した議員が入会をしています。
クラゲをあしらったロゴマークを使っています。

「原発ゼロの会:超党派の国会議員75人が入会」
「脱原発候補、認定マーク 超党派議員呼びかけ」
「原発24基「すぐ廃炉に」 超党派議員、敦賀や浜岡」
3. の「さようなら原発1000万人署名」は、大江健三郎氏らが
主催する市民団体が行なった、議員対象の署名です。
大江氏の市民団体は、1.の脱原発法案の提出も働きかけています。
「「さようなら原発1000万人署名」に賛同する「脱原発国会議員」」
4.の「原子力規制委員会」は、3.11大震災を契機にして、
環境庁の外局として作られた、原子力規制のための機関です。
従来の規制役だった「原子力安全・保安院」は、
原子力を推進する「資源エネルギー庁」とおなじ
経済産業省の中にあったので、監視がふじゅうぶんでした。
そこで、アメリカの原子力規制委員会にならって、
独立性の強い組織に改組することになりました。
ところが新しい規制委員会は、人事面でまだ問題がある
ということで、見直しが必要とされています。
「原子力安全・保安院:経産省から分離…新たな規制機関へ」
「「原子力規制委員会設置法」について」
上記の1.から4.のどれかに関わっている議員の数を
調べてみたら、つぎのようになりました。
民主: 43
国民の生活が第一: 34
共産: 9
社民: 5
減税: 5
みんなの党: 4
新党大地: 3
維新: 3
自民: 2
みどりの風: 2
国民新: 1
大地: 1
無所属: 6
所帯の大きい民主に多いのは、とうぜんと言えるでしょう。
所属議員の全員がなんらかに関わっている共産、社民をはじめ、
国民の生活が第一も所属議員の大半が、なんらかの脱原発の
活動に関わっていて、健闘していると思います。
国民の生活が第一はドイツへ行って、脱原発の視察を
するだけのことはあると思います。
不熱心なのは自民党で、リストにあるのはわずかにふたりです。
そのうちのひとりは、よく知られた河野太郎氏ですよ。
公明党も不熱心で、ひとりもリストにあがっていないです。
公明党は原発ゼロを目指してはいるのですが、
議員活動になると、なぜかきゅうに消極的になるようです。
自民党はこれまでずっと原子力発電所を建て続けて来たので、
脱原発に方向転換できない議員が多いのでしょう。
自民党は公共事業を中心にした利権構造を
支持基盤にしていますが、原子力発電所の建設も
そうした公共事業の中にあると思います。
以前自民党は、「総合エネルギー政策特命委員会」で、
原子力政策をどうするかの議論を進めていました。
その報告書で「脱原発は不可避」という文章が削除され、
脱原発に向わない方針となったのでした。
9月の自民党の総裁選では、候補者5人全員が、
「原発ゼロ」を目指すことに「No」と答えています。
総裁に選ばれた安倍晋三も、2030年代に原発ゼロを目指す
民主党政権を「無責任」などと批判しています。
このように、そろいもそろって脱原発に否定的なのは、
自民党全体の体質がそもそも原発推進なので、
必然的にそうなるということにほかならないわけです。
菅直人は福島第一原発の事故の収拾は、かなりよくやったと思うし、
それ以後の脱原発も、批判の余地はあったけれど、健闘はしたでしょうね。
でも、菅直人辞任で脱原発のチャンスがつぶれた、
というほど悲観的でもなくて、政権が民主であれば、
一定の期待は持てるだろうと思います。
本当の意味でつぶれるのは、やはり政権が自民に戻ったときでしょう。
もうじきつぶれてしまうのだと思いますが。