12月16日の総選挙は、わたしにとって絶望的なものとなりました。
民主党は小選挙区27、比例区30の合わせて57議席です。
大敗を通り越して、壊滅と言ってよいレベルです。
もはや「二大政党」と呼べないまでの落ち込みようです。
「自公大勝325、再可決可能に 民主57、維新54」
とくに第3党の維新の会が、小選挙区14、比例区40の
54議席を獲得していて、民主の57議席に逼迫している、
というのがとても衝撃的です。
民主党の議席は、1998年の結党時以前の、
旧民主党時代の水準まで落ち込んでしまいました。
結党以来の15年間の民主党の成果が、すべて消し飛んだ感じです。
そして、未来の党は小選挙区2、比例区7の9議席でした。
小選挙区のふたりは、小沢一郎と亀井静香です。
公示前は61議席でしたから、こちらも壊滅的大敗です。
民主と未来はそろって壊滅的敗北を喫したわけで、
これはいわば政治主導勢力の壊滅ということになります。
「急ごしらえ、未来大敗 小沢系とのあつれき懸念」
今回の壊滅的大敗の原因ですが、民主党内部の原因は、
やはりマニフェストを守れなかったことと、
党内部の対立や分裂を繰り返したことが原因とされています。
「民主公約破綻、世論の離反招く 二大政党制、崖っぷち」
「公約破綻・迷走・非自民票分散…惨敗の民主」
得票に関しては、民主と第三極とで、票が分散して
共倒れになったことが、だいぶ自民を助けました。
第三極は民主党に対する批判から出てきたものですから、
これも民主党の分裂の産物のうちと言えます。
「第三極、競合区で共倒れ 自民に漁夫の利」
投票率は59.32%で、戦後最低の記録を更新しました。
前回2009年は69.28%だったので、10ポイント程度の下落です。
有権者の多くは、民主党に失望して、投票できるところが
なくなったのであろう事情が伺えます。
「衆院選投票率59.32% 戦後最低の記録更新」
あと言われているのが、自民の比例の獲得議席が57で、
大敗した2009年の55議席とほとんど変わらないことです。
得票率も今回は27.62%で、前回の26.73%とほとんどおなじです。
「衆院選:自民、比例57 前回並み」
「自民の比例得票率、大敗した前回選とほぼ同じ」
自民党は積極的に支持されたのではなく、民主党に対する失望や、
第三極の乱立といった敵失によって、小選挙区でたくさんの
議席を得たことが、あらためて見て取れます。
さらに言えば、投票率がひどく低かったので、
固定支持基盤を持つ自民と公明が相対的に有利になった、
ということでもあるでしょう。
しかし自民党・公明党は組織票以外の票が取れていない様子も伺えます。「全部」が共倒れした印象を持ちます。
なんとか希望を探してみると、
- 維新は、極右といっていい人たちがいるけれども、一方で民法改正とかジェンダーとかマイノリティについては興味がないのか、あまりひどいことは現状ではいっていないような気がします。橋下個人などは「自分は母子家庭で母親とは姓が異なっていた。夫婦別姓が家族崩壊なんてありえません」といった内容の答弁をしていたこともありますので、逆に期待もできるところもないわけではないと思ったりもします。今後、マイノリティ対策については、公約でマイノリティ差別方向に走ってしまっている自民よりは期待できるかも。
というか、期待できる方向へ進んでもらうべく、草の根的に維新にも要望を届けていく必要があるかと思います。
- 民主の壊滅ついでに、長尾敬とかもいなくなりました。同じ選挙区でかわりに通った維新の方は民法改正には理解を示している方のようです。
- 自民が圧勝、といっても、比例の得票率は低いですし、投票率も低かったことと合わせれば、なんとか次の選挙までにリベラル結集を、民主党の轍を踏まない形でなんとかできれば、自民など怖くないはず。
(そもそも、自民の得票数は、投票者数の1/4しかないですし、投票しなかった人も含めれば、1/8しかいないわけです。)
ただ、どうやれば結集できるのか、それが大問題ですが。。
気落ちせず、なんとか挽回すべく戦っていくしかありませんね。。。
いずれにせよ、理解をしていただける素地はあるはず、かと。(弁護士で日弁連関係者、ともいえるわけですし。)
いやもう、「残念」なんてレベルではないですよ。
絶望の域に達していると思います。
たぶん、選挙には関心はあったけれど、結局どこにも投票しなかった、
という人が多かったのかもしれないですね。
>自民党・公明党は組織票以外の票が取れていない様子も伺えます
自民や公明の固定支持層だけが投票に行った、という感じですね。
それでも、自民、公明の得票は減っているので、
組織力は後退してはいるのでしょうけれど。
頭を殴られて、意識不明の重体になってしまいましたね。
維新の会はわたしはあまり期待していないです。
こないだのジェンダー平等アンケートでも、
自民や国民新党とおなじくらい、ジェンダー平等に
理解がない、という判定でしたからね。
(このアンケートは、太陽の党と合併したあとだ、
とは言えるかもしれないけれど。)
でもそれ以前も、大阪市の男女共同参画センターを廃止にしようとしたり、
すぐに撤回したとはいえ、「親学」になびいたりしています。
堺屋太一の少子化対策もとんちんかんでしたしね。
女性候補の数もすくないですし、維新はジェンダー平等には
関心がないと思ってよいでしょう。
橋下は夫婦別姓に反対していないようだけれど、
積極的に選択別姓を実現したいとも思っていないのではないかな。
声の大きい石原や平沼が、悪目立ちするだけだと思いますよ。
...なんて、せっかく希望を探そうとしているのに、
水を差すようなことを言って、ごめんなさいね。
でも、これがわたしの率直な雑感です。
>気落ちせず、なんとか挽回すべく戦っていくしかありませんね
来年は参院選があるし、都議会選もありますからね。
(同日になる可能性もありますよ。)
それまでになんとか一矢報いたいものです。
そうと言える状況が確かに目の前にあることが、私も辛いです。が、どんなに数字をごまかしたところで若い人々の人口が既にくっきりと減っていて(http://www.stat.go.jp/data/nihon/g0402.htm)、女性が働けるようにしなければ、彼らの望むような「外国人を排除(お客様扱い)」した日本は維持できない現実に押しつぶされる未来が見える人がこれから増えることが、彼らの「超保守的な行動」に対するコントラストに強調されてよく見えるようになる効果があると思います。また「失望」して解散となるパターンが予想できます。その時までに有力な改善派(⇔保守派)の政党が出来上がっていればいいのです。
私の卒業した某方面では有名な大学の学部学科や、その就職部ではジェンダー的な社会改造をしなくてはならないだろうと現実面から囁かれています。実は、留学生を受け入れているにも関わらず受験生がかつての1/3に減っていて、かなり衝撃的なものを今年知りました(現時点で留学生向け日本語教育を行っていない言語系大学は淘汰されるかもしれません)。
人間(労働力)が足りないことを自覚できる保守派が出てくることは、想像に難くありません。何故なら、政治家の方はたった一つの大学を卒業しているのがほとんど(外国のように複数の大学院を卒業しなくては適格ではないとされることもありませんよね)ですから、母校を訪問した時に少なくとも実感するはずです、学生の少なさに。保守派ほど自分の卒業した学校にこだわります。彼らが自分の後ろを一瞬でも振り返る時、「保守であり続けることに間違いを」見つけると思います。
私はたんぽぽさんを励ましたいと思います。誰も、髪の毛一本すら白くも黒くもできません。染め上げた髪の毛は、結局色落ちしてしまうものです。いくら保守派といえど、どんなに支持を得ても、現実には太刀打ちできません。
せっかくコメントをいただいたのに、もうしわけないのだけど、
わたしはとてもよい方向には考えられないのですよね。
どんどん迫ってくる人口減に対して、女性の労働力率を上げる
必要があるというのは、これまでにもくりかえし
言われていることなのですよね。
それにもかかわらず、このあたりの意識がとぼしい
というのが、これまでの日本の為政者なのですよね。
民主党政権でさえ、じゅうぶん意識があるとは、言えないくらいでした。
自民党政権なら、なおさら意識はないと思いますよ。
現政権はしょせん高度経済成長期の核家族を
「正しい家族」とする幻想が大事で、この幻想を壊してまで
少子化対策をしたいとは思わないのだと思います。
反動・因習的な人たちも、少子化が進むのは問題だ、
くらいのことは考えているあろうとは思います。
しかし彼らの考えは、「正しい家族」幻想にもとづいて
女性がふたたび家庭に入るようになれば、子どもを産むようになって、
少子化は解決する、くらいの考えだと思います。
なので、わたしはこの問題に関しては、まるっきり悲観的だったりします。
2050年に世界一悲惨な国をめざして、まっしぐらだと思います。
http://lacrima09.blog.shinobi.jp/Entry/291/
>私はたんぽぽさんを励ましたいと思います。
まことにありがとうございます。
本来なら、わたしが読者諸氏を励まさなければ
ならないところだと思うので、とても恐縮です。