16日の総選挙は、未来の党もわずか9議席しか取れず壊滅的でした。
未来の党の壊滅的敗北についての分析は、以下のエントリが
いちおう妥当なところを指摘していると思います。
「「未来の党」の自滅 問われるべき脱原発政党の中身」
簡単に言うと、「未来の党は、自民党などの他党批判に走りすぎて、
はっきりした脱原発シナリオをしめさなかった」
ということが、総選挙大敗の原因としています。
上記エントリは全部が同意できず、細部で異論もあるのですが、
この指摘については当たっているだろうと思います。
エントリでは、脱原発のシナリオを描くにあたって、
つぎの6点ははっきりさせる必要があるとしています。
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(1)使用済み燃料の最終処分はどうするのか
(2)代替エネルギーは何を考えるのか
(3)その拡大のための財源はどうするのか
(4)電気料金値上がりによる国民生活や経済への圧迫を
どのように回避するのか
(5)脱原発が完了するまでの期間の原子力安全・規制機関は
どのようにあるべきなのか
(6)化石燃料の増大によるCO2対策はどうするのか
========
未来の党は、これらの問題について、はっきりした答えを
しめさなかったので、脱原発の公約が、守れなかった
民主党の2009年のマニフェストのような
無理筋に見えてしまった、ということになります。
そういえば、政策の実現可能性をはっきりしめさず
ひたすら他党批判ばかりやるというのは、
共産党という悪い見本があるのですよね。
格好の反面教師が近くにずっとあるにもかかわらず、
それを参考にしなかったのは、失敗だったと言えるでしょう。
ほかに未来の党の失敗に関する考察として、つぎのエントリもあります。
「中道左派=リベラル退潮の理由 溝埋められぬ旧左翼と市民運動」
「第46回衆院選の総括(2:オリーブの木を阻むもの)」
ここでは脱原発派、ないしリベラル・左派勢力が、
未来の党をはじめいくつもの政党が乱立する状態になってしまい、
票が分散して共倒れしたことが指摘されています。
それぞれが自分の「セクト」にこだわって、
おたがいが連携できないのは、左側の人たちにありがちですね。
もっとも、小沢一郎氏は、小選挙区の特徴をよく心得ていて、
小政党がひとつにまとまる「オリーブの木」を作ることの
重要性を認識し、他党との連携の可能性を開いていました。
なのでこれは、未来の党の責任というよりは、
他党により多くの原因があることになりそうです。
それから、未来の党は党内ではなく、支持者どうしですが、
小沢系と嘉田系で対立が起きているのでした。
支持者レベルとはいえ党内融和ができず分裂したまま
選挙選に入ったのも、大敗の原因のひとつと言えるでしょう。
2012年12月24日
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第46回衆院選の総括(2:オリーブの木を阻むもの)
Excerpt: ついーとより 60.小沢一郎の構想だというオリーブの木。実はどこでそういう構想や主張が為されたのか知らないのである。それにもかかわらず,つまり誰が構想したか,などに関わらず,これ以外に日本国民が真..
Weblog: アルバイシンの丘
Tracked: 2012-12-24 23:09



引用記事「「未来の党」の自滅 問われるべき脱原発政党の中身」については,反論がたくさんありますが,いつかまたの機会に。
未来の党が惨敗したのは、反原発票を集結する姿勢を打ち出せず、小沢一郎(派)の傀儡でしかないと受け取られた事に尽きると、私は思います。
本当に「反原発」で勝負するなら、党の反原発の旗頭である飯田哲也だけは何が何でも当選させると言うスタンスを貫き、飯田氏が嘉田知事以上にメディアに登場し、持論の反原発論を繰り返し述べることで原発を争点化させ、選挙では飯田氏自身が比例区の単独一位となることを宣言する。
その程度は最低限、やるべきだったと思います。
嘉田知事も知事職を辞して、衆院選に立候補すべきでしたね(当然、その際は飯田氏と別の比例区の一位で)。外野から何か言っているだけでは、所詮、橋下と一緒としか受け取られません。
しかし現実には比例名簿の名簿順騒ぎで、もはや小沢一郎(派)のつき物と言っていい内部抗争が、選挙前から露呈してしまいました。これでは残念ながら勝負になりませんな。
結果的に未来の党が今回の衆院選でなし得たことは、有権者を呆れ返させて投票率を下げたことと、消費税を争点化することで民自公の支持率を下げたこと(当然、組織が一番弱く、消費増税を率先した民主党に効きました)、民主党に集まったであろう脱原発票を一部にせよ奪い取ったこと、だけでしょうね。
要するに民主党を更に敗北させ、自民党を馬鹿勝ちさせることには一役買ったのだろうとは思います、未来の党は。
何しろ時間が無かった、と言うことが大きいんでしょうけどね。
『オリーブの木構想』については、民主党と言う一つの政党内ですらまとめられなかった小沢一郎の旗の下に、緩やかとは言え誰が集いたいと思うか、に、尽きるような気もします。
ようこそいらっしゃりました。
>引用記事「「未来の党」の自滅 問われるべき脱原発政党の中身」に
>ついては,反論がたくさんありますが,
わたしも、その記事に異論はありますよ。
全体的には、納得できないところが多いくらいです。
(もっとも反論のあるところは、アルバイシンの丘さまと
わたしとで、違っているのかもしれないけれど。)
>いつかまたの機会に
ぜひともお時間を見つけて、お書きいただけたらと思います。
(わたしも、なにか書くかもしれないです。)
このエントリにコメントありがとうございます。
>反原発票を集結する姿勢を打ち出せず、小沢一郎(派)の傀儡でしかないと受け取られた
小沢一郎氏は、自分にアレルギーのある人が多いというのは、
じゅうぶん承知していて、それで嘉田氏を党首に据えたのでしょう。
これによって小沢氏は無役に退いたので、反小沢な人たちから、
「傀儡だ」という声が出て来てしまったのですね。
「小沢の影響」が見え隠れしたのが、未来の党が
避けられた原因としては、大きいのだろうとわたしは思います。
ただ、反小沢の人たちは、小沢が無役だろうと、
どんなポジションにいようと「傀儡」と言うでしょうから、
これはある程度は防ぎ切れないものがあると思います。
脱原発については、あまり重要な争点にならなかったのが、
むしろ大きいように思います。
(そこそこの争点にはなったとは思いますが。)
戦略的に言えば、脱原発を重要な争点に据えるのに
失敗したのも敗因のひとつだと思います。
>『オリーブの木構想』については、民主党と言う一つの政党内ですら
>まとめられなかった小沢一郎の旗の下に、
小沢氏は民主党はよくまとめていましたよ。
小沢氏を切り捨てたのは、むしろ菅の責任でしょう。
「オリーブの木」が失敗したのは、わたしに言わせれば
エントリで述べたように、他党に原因が大きいと思います。
会見で小沢氏が小沢氏がと小沢氏依存をしながら、片方では小沢氏を使いこなすとか支離滅裂すぎ。
卒原発にしても嘉田氏は、ついこの前まで「再稼動反対は非現実的」とかぬかしていたのですから、経緯を知っている者からは「何を言ってやがるんだこいつ」状態ですね。
新年明けましておめでとうございます。
>未来の党に関して言えば、嘉田氏が間抜けすぎただけでしょう
嘉田氏もいろいろと問題含みだったのね。
大飯原発の再稼働については、批判もありましたね。
世間的に見ると小沢氏の行動が徹頭徹尾保身と党利党略および自らの利権維持にしか映らなくて、どんな理念を唱えようが虚しかったというあたりにあるのでは。
仮に小沢一郎氏が国民から徹頭徹尾嫌われてたとしても、その小沢一郎氏を受け入れた責任は間違いなく嘉田氏及び未来の執行部にあります。
いまさら小沢氏がどうだと言っても意味はありません。
このエントリにコメント、ありがとうございます。
小沢一郎氏は、自分に対するアレルギーが、
すくなくない有権者のあいだにあることは、当然心得ていたと思います。
未来の党を立ち上げたとき、嘉田氏を党首に据えて、
自分は無役になったのも、自分のイメージをすこしでも減らそうと
するための措置だったわけですしね。
小沢アレルギーが選挙に影響しなかったとは言わないけれど、
このあたりは、むしろ有権者の資質の問題だと思いますよ。
>その小沢一郎氏を受け入れた責任は間違いなく嘉田氏及び未来の執行部にあります
嘉田氏が小沢氏と「国民の生活が第一」を取り込んだのは、
どういう思惑だったのかなと思います。
(国政に進出する格好の機会だと思ったのでしょうか?)
>いまさら小沢氏がどうだと言っても意味はありません
小沢が嫌いな人は、なんでも小沢のせいにするのでしょうけれどね。
それは公平な見方ではないだろうと思います。