2012年12月31日

toujyouka016.jpg 文部「にせ」科学大臣

安倍政権は、文部科学大臣に下村博文氏を任命しました。
ところがこの下村氏というのは、「にせ科学漬け」と
言っていいくらい、にせ科学にはまっていたりします。

「安倍内閣、組閣人事の目玉は文部"擬似"科学大臣」

 
なんとこれだけのにせ科学を信じているそうですよ。
ここまで「いってる」と「文部にせ科学大臣」と言っていいでしょう。
トンデモないかたが、日本の教育と科学技術を、
つかさどることになったということですね。

1. EM菌
2. 親学
3. ナノ純銀
4. ジュセリーノの予言
5. 幸福の科学の映画


2.は「伝統的子育て」を礼賛する高橋史郎氏の「親学」です。
前にお話をしたことがありますが、今年の5月のはじめに、
維新の会が「親学」を取り入れた「家庭教育支援条例(案)」を
提出しようとして、騒ぎになったこともありました。

「発達障害と伝統的子育て」

この条例案には、「親学」の主張である「発達障がいが
伝統的子育てで予防できる」というとんでもない内容があって、
市民団体などが猛烈な抗議をしたのでした。

その騒ぎが収まって1ヶ月も経っていない5月の末に、
下村博文氏は自分のブログで、「親学」を取り上げたのでした。
そこで「発達障害を予防する伝統的子育てとは」などと、
維新の会が批判されたことと、おなじことを書いた(!)のです。

多くの人が維新の会のことを覚えていたこともあって、
下村氏のブログには、批判のコメントが殺到し炎上したそうです。
そのときのことは、つぎのまとめでも触れられています。

「【親学】下村博文議員のブログが炎上中「発達障害を予防する伝統的子育てとは」」


「ゼゼヒヒ」というツイッターアカウントを使った
インターネット投票のサイトがあります。
ここに「下村博文氏を文部科学相に起用、
適任だと思いますか?」
という設問が載せられています。
これを書いている12月31日現在、「不適任」が97%で、
「適任」がわずか3%という、すさまじい状況になっています。

ほとんど全部不適任というのは、下村博文氏が、
「親学」など「にせ科学漬け」であることが大きな理由です。
「にせ科学批判」の人たちに、このインターネット投票が
見つかったのかもしれないです。

posted by たんぽぽ at 14:30 | Comment(14) | TrackBack(0) | 疑似科学(にせ科学) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
ちょっと疑問がありますが。
大臣が仮ににせ科学の信奉者だからといって、それが何の問題があるのでしょうか?
自民政権の大臣なら官僚任せになるのが今までの前例(だからこそ民主党は政治主導と言い出した)なんで、そう支離滅裂な事にはならないかと思います。

無論、にせ科学を元にして政策を行おうとすれば問題が生じる可能性はあると思います。分別がつかない者が仮にも大臣になるのかどうか疑問ですが、そうなれば話は別です。
でも現段階では単に私は理知的、敵は非科学的な輩と言いたいだけなのかな?と。
私の疑問は相手を非科学的と指摘する事に何の生産性があるのかという事です。世の中は合理性や科学的な思考だけで成立していません。人は感情の動物。いくらたんぽぽさんが科学や合理性だけで動くべきと思っても現実に感情も大きな影響力をもっており、これが変わる事は人間である以上はありえません。敵も一票を持っている以上、人の感情を計算に入れた戦略が要るのだと思います。
万が一「敵」をいだずらに硬化させて対立を煽るのが目的なら余計なコメントでした。すいません。
Posted by てんぷら at 2013年01月03日 23:19
てんぷらさま

>大臣が仮ににせ科学の信奉者だからといって、それが何の問題があるのでしょうか?

文部科学大臣は、日本の科学技術界の最高責任者です。
となれば、最低限の科学リテラシーはあってしかるべきで、
にせ科学などというおおよそ科学に反するものを、
信じていていいはずありません。

にせ科学漬けになっているだけで、じゅうぶん「分別がない」ことです。
「どうせ官僚任せだから、大臣なんてどんな人でもいいのだ」と
お考えでしたら、無責任というものです。


>でも現段階では単に私は理知的、敵は非科学的な輩と言いたいだけなのかな?
>私の疑問は相手を非科学的と指摘する事に何の生産性があるのかという事です

このエントリを書いたときは、敵味方に色分けして、
下村博文を「敵」と認識したのではないのだけれどね。

当たり前のことですが、まちがった科学認識を持った人の
存在をしめすことは、科学リテラシーの観点から必要なことです。
科学技術界の要職ににせ科学の信者がいることは、
日本の科学技術を大切にしたいかたにとって、
とても深刻なことですから、ぜひとも知らせることだと思います。

わたしがにせ科学を批判する理由として、
自分もにせ科学にだまされたくない、ということがあります。
そんなときだれかが批判していれば、とても助かります。
自分が情報を享受できるようにするために、
自分の知っている情報は提供しておくということです。

それからわたしは、自分の苦手な分野であれば、
自分もにせ科学にだまされやすいと考えています。
べつだん自分を理知的と思ってはいませんので、
ねんのためお断わりしておきます。


>敵も一票を持っている以上、人の感情を計算に入れた戦略が要るのだと思います。

「たんぽぽは批判のしかたが悪い」と言いたいのかな?
それなら、てんぷらさまは、「人の感情」まで計算に入れて、
相手と対立せずにすむ、上手な批判ができることと思います。
どういう批判のしかたならよいのか、ぜひとも「対案」をお示しください。

>万が一「敵」をいだずらに硬化させて対立を煽るのが目的なら余計なコメントでした

一般ににせ科学に関心のあるかたに、「批判のしかたが悪い」と
批判することは、とても神経の逆撫でをすることです。
わたしは、あなたのコメントに対して、とても感情を害しています。

てんぷらさまの目的は、わたしをいたずらに硬化させ、
わたしとの対立をなさるのが目的でしょうか?
そうでしたら、今後わたしのブログへのコメントは、
お断わりしたいと思います。
Posted by たんぽぽ at 2013年01月06日 16:50
研究者の端くれとして、この人選には、怒りを通り過ぎて、何とコメントしていいのかすらわかりません。

こんな馬鹿な人選をする政権には即刻退場していただかないと、と心底から思います。
Posted by 魚 at 2013年01月07日 13:51
魚さま、このエントリにコメントありがとうございます。

>こんな馬鹿な人選をする政権には即刻退場していただかないと、と心底から思います

お怒りごもっともだと思います。
とんでもない人が、文部科学大臣に選ばれたものですよね。

研究者の世界にも、とばっちりがいかないことを、心から願うところです。
Posted by たんぽぽ at 2013年01月07日 18:47
また、めちゃくちゃな人事:

男女共同参画会議に教育学者の高橋史朗氏
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130111/plc13011101460004-n1.htm

頭のおかしな人が総理になったので仕方がないのかもしれませんが、これは、もう論理矛盾、というしかない人選ですね。

男女共同参画という概念に対して真正面から喧嘩を売るつもりのようです。
Posted by 魚 at 2013年01月12日 01:02
またまたコメントありがとうございます。

>男女共同参画会議に教育学者の高橋史朗氏
>http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130111/plc13011101460004-n1.htm

「親学」の人が、男女共同参画会議に入ってしまったのね。
安倍政権だから予想されたこととはいえ、嫌になってしまいますね。

「伝統的家族観」などと言っているけれど、
ようするに高度経済成長期の核家族のことですね。
夫婦別姓も否定しようというのでしょうね。
「男女共同参画」に対する、まっこうからの反逆ですね。


それから、とんでもないと言えば、こんなのもありますよ。
教育再生会議に八木秀次が入るそうです。
http://www.asahi.com/politics/update/0110/TKY201301100231.html
Posted by たんぽぽ at 2013年01月12日 17:30
八木氏とは。。。。
また、完全に日本の教育を破壊するつもりのようですね。

戦前のファシスト国家でも作りたいのでしょうか。

しかし、昔の自民党の時は、さすがにここまで馬鹿げた人選のオンパレードはなかなかなかったように思います。この10年で少しでもまともな人材は自民党から流出してしまって、歯止めがなくなったのでしょうか。
Posted by 魚 at 2013年01月13日 02:26
またまたコメントありがとうございます。

>完全に日本の教育を破壊するつもりのようですね

まったくですよね。
教育再生とは名ばかりで、実際は破壊的だと思います。

>昔の自民党の時は、さすがにここまで馬鹿げた人選の
>オンパレードはなかなかなかったように思います

下野して劣化が激しくなったようですね。
支持基盤の宗教系右翼団体に頼るようになったのが、
ひとつの理由でしょう。
http://lacrima09.web.fc2.com/teardrops/movement/jimin.html

それから、公共事業のばらまきもできなくなり、
官僚と切り離されもしたので、慣れない政策で
議論せざるを得なくなり、ネットのいかがわしい情報に
手を出すようになったのもあるだろうと思います。
http://taraxacum.seesaa.net/article/296568388.html
Posted by たんぽぽ at 2013年01月13日 20:32
週刊朝日がとりあげてくれています!

http://dot.asahi.com/science/s-general/2013012200021.html

もっと拡散しないと。
Posted by 魚 at 2013年01月31日 17:17
>http://dot.asahi.com/science/s-general/2013012200021.html

ご紹介ありがとうございます。
その記事、ブックマークではかなり反響がありましたよ。
http://b.hatena.ne.jp/entry/dot.asahi.com/science/s-general/2013012200021.html


じつは、わたしもすでにチェックをしていまして、
https://twitter.com/pissenlit_10/status/296010891684614145
そのときこのエントリをリンクしたら、わたしのブログにしては
かなりたくさんブックマークをいただけました。
http://b.hatena.ne.jp/entry/taraxacum.seesaa.net/article/310816823.html

コメント欄も興味深いって、言われていますよ。
有意義なコメントをくださりありがとうございます。
Posted by たんぽぽ at 2013年02月01日 07:59
SM高校絡みでの体罰問題に関しても、親学関連の議員連中は意味不明な事を言っているようですね。

http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1359566407/

体罰をやっている関連団体の票が絡んでいるせいか「良い事は良い」・「悪い事は悪い」と言えないのかな?
Posted by D at 2013年02月02日 00:18
Dさま、このエントリにコメントありがとうございます。

>SM高校絡みでの体罰問題に関しても、親学関連の議員連中は意味不明な事を

親学と体罰も、なぜか支持者が重なっていますね。
どちらも既成道徳のお題目に沿っているからでしょうか?
4年ほど前の体罰肯定シンポジウムに、「親学」の祖である
高橋史郎がパネリストで出ていたりします。
https://twitter.com/yamtom/status/295386582813388801/photo/1


>http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1359566407/

ご紹介ありがとうございます。
引用されている記事の最後のくだりが、わけわからないところですね。

ヤンキーはべつのところでも、「体罰と暴力、あり得る体罰と
そうじゃない体罰の線引きが必要」なんて言っていますね。
http://mainichi.jp/select/news/20130115k0000e010185000c.html

さすがに体罰批判が強くなっていて、それは無視できないけれど、
いままで体罰肯定してきたこともすっかり否定できないので、
板挟みになっているのでしょうね。

>体罰をやっている関連団体の票が絡んでいるせいか

そんなところにも組織票があるのね。
となれば、そのあたりのしがらみもありそうですね。
Posted by たんぽぽ at 2013年02月03日 10:43
ヤンキー先生とやらは、リンク先の記事でも「強くする為の体罰」とか支離滅裂な事を言われておるようですね。
格技なんかでは打撃に慣れる為の訓練として加減なしで殴らせたり蹴らせたりと言った事はよくやりますけど、罰として殴ったり蹴ったりしても強くする効果なんて皆無なんですけどねwww
ましてや教育現場での「強くする為の体罰」って何を指している事やらwww

≫そんなところにも組織票があるのね。

スポーツや武道系関連の組織票や集金力は馬鹿にできませんよーwww
良くも悪くも上からのお願いを表面上は拒む事はできませんからね。
それに武道系は組織力が強い所ほど裏表問わず権力とずぶずぶになってしまってますからwww
Posted by D at 2013年02月03日 22:13
またまたコメントありがとうございます。

スポーツ関係のこと、業界の事情も含めて詳しそうですね。

>教育現場での「強くする為の体罰」って何を指している事やら

わたしもわからないですね。
(体罰を肯定している団体の受け売りなのでしょうけれど。)
ヤンキー先生は、やりかたの問題だと思っているのでしょうけれど、
「強くするための体罰」とはどんなものなのか、
具体的にしめしてほしいところですね。

>スポーツや武道系関連の組織票や集金力は馬鹿にできませんよー

おおお、そうだったのですね。
ぜんぜん知らなかったです。覚えておきます。
Posted by たんぽぽ at 2013年02月05日 22:41
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