男性に有利に作られていて、女性はなんらかの犠牲を
強いられる傾向があることを、実感なさっているかたも多いと思います。
そのあたりを露骨にしめしたのが、つぎのエントリです。
日本の場合について、離婚率と自殺率の相関を調べています。
男女でまったく異なった傾向をしめしているのがわかります。
「性別にみた離婚と自殺の関連」
このエントリには、つぎのグラフが出ています。
これは横軸に離婚率、縦軸に自殺率を取り、1950年から
2011年までの(離婚率, 自殺率)をプロットしたものです。
赤で示したものが、最新の2011年のプロットです。
これを見ると、男性は離婚の多い年ほど自殺も多く、
はっきりとした正の相関があることがわかります。
これに対して、女性は離婚の多い年ほど自殺がすくなく、
ゆるやかですが負の相関があることがわかります。
男性と女性とで、歴然とした違いがあることはあきらかです。
この違いはとりもなおさず、男性は離婚によって既得権を失い、
女性は離婚によって抑圧から解放されるということを
しめしていると言えるでしょう。
つまり結婚生活とは男性中心的であり、多かれすくなかれ
女性の犠牲の上に成り立っている、ということです。
エントリの孫引きで恐縮ですが、エミール・デュルケムは、
著書『自殺論』の中で、こんなことを書いています。
結婚生活は,女子が自分の運命を耐えがたく感じたときでも,
その運命を変更することを禁じている。
したがって,その規制(一夫一婦制のこと)は,女子にとっては,
これといった有利さも与えられない一つの拷問なのだ
デュルケムの著作は、女性の権利なんて意識されなかった
19世紀のものですが、21世紀初頭の日本においても、
このデュルケムの一節が、一定の妥当性を持つくらいには、
男性と女性とで、自殺率と離婚率の相関に違いが見られるわけです。
付記:
世界的規模で見ると、離婚は増加傾向にあります。
近年になって離婚が増えた大きな原因のひとつが、
「女性の社会的地位や経済力の向上」です。
「世界各国で上昇する離婚率、韓国は急増し3位に-中国メディア」
「世界的に離婚が増えている」
つまり、女性の犠牲の上に結婚生活は成り立っているのですが、
むかしは、結婚生活にいくら不満があっても、
独りで暮らすだけの経済力が、女性にはないことが多いのでした。
それで離婚を切り出せないことが多く、離婚がすくなかったわけです。
ところが、女性が社会的地位や経済力を持つようになって、
ひとりで暮らせるようになってくると、結婚生活の不満に
がまんをすることなく、離婚を切り出すようになったわけです。
結婚生活が男性に有利であり、女性に犠牲を強いる状況が
改善されないかぎり、離婚率の高い状況は続くのでしょう。
>結婚生活が男性にとって有利という理由はなんですか?
結婚生活は女性にとって多かれすくなかれ不利ですが、
そうした不利が男性にはないという、相対的なものですよ。
現在の日本で言えば、女性は結婚すると苗字を変える問題に直面します。
また、結婚したら子どもを産むのかという問題もあるし、
子どもを産めば、仕事を続けられなくなる可能性があります。
また夫の両親との関係もあるでしょう。
ようするに「嫁」扱いされる、ということです。
男性にはこれらの心配はほとんど、あるいはまったくないことです。
なので結婚生活は女性とくらべて、相対的に男性に有利ということです。
> 女性は離婚によって抑圧から解放されるということを
> しめしていると言えるでしょう。
(^o^)単純に誤りです。
自殺死亡率の増減は有配偶も未婚も離婚も死別も男は男で同じような増減をして、女は女で同じような増減をしているので、ざっくり増加傾向にある離婚率と、婚姻形態を無視して男女別自殺死亡率の相関を取ると男が離婚でがっくり来て女が離婚で解放されるかのように見えるだけです。
http://ikiru.ncnp.go.jp/genjo/toukei/pdf/3_05.pdf
>http://ikiru.ncnp.go.jp/genjo/toukei/pdf/3_05.pdf
情報は有益なようですが。