とんでもないニュースが入ったので、お知らせしたいと思います。
男女共同参画会議に、「親学」の高橋史郎が入ることになりましたよ。
「男女共同参画会議に教育学者の高橋史朗氏 伝統的家族観へ是正も」
(はてなブックマーク)
「親学」については、前にお話をしたことがありますが、
日本の「伝統的子育て」を礼賛する、とんでも教育論です。
この伝統的子育てなるものによって「発達障がいが予防できる」
などという、非科学的な内容も含んでいます。
「発達障害と伝統的子育て」
12月31日エントリでご紹介した、にせ科学漬けの
文部科学大臣・下村博文氏も、「親学」を信じているひとりです。
「文部「にせ」科学大臣」
「親学」の推進者を男女共同参画会議に入れるくらいですから、
家族とジェンダーの政策に対しては、因習・反動路線に
向かうことが、とても強く予想されます。
産経の記事では、つぎのように期待を寄せていたりします。
高橋氏の起用は、「男女共同参画」に名を借りた行き過ぎた性教育を
容認するようなジェンダーフリー(男女の性差否定)や
夫婦別姓制度をめぐり、民主党政権下で相次いだ
伝統的家族観を崩す方向への動きを是正する狙いがありそうだ。
「行き過ぎた性教育」というのは、どこにあるのかと思います。
日本の性教育は諸外国と比べて、遅れているくらいです。
当たり前で必要な性教育を「行き過ぎた」と決めつけるのは、
性的なものを徹底的に忌避する「純潔思想」にもとづくものでしょう。
「ジェンダーフリー(男女の性差否定)」などと書いていますが、
ジェンダーフリーは「男女の性差否定」ではないですね。
ジェンダーの押しつけをやめよう、というものであり、
「ジェンダー・バイアスフリー」と言うべきものです。
反ジェンダーフリー論者にありがちな曲解です。
「伝統的家族観」というのは、家族に関して因習・反動的な
人たちが大好きな「正しい家族」幻想にほかならないでしょう。
高度経済成長期の夫が外で働いて妻が専業主婦という、
核家族を絶対視して、ここから逸脱する人たちを、
徹底的に否定していくものです。
産経の記事で、とりわけ目のカタキにされているのが、
ほかならない夫婦別姓だったりします。
上記引用の部分のほか、2回夫婦別姓についての言及があり、
4パラグラフのうち3回出てくるという、攻撃ぶりです。
今回の高橋氏の起用は、教育再生に力を入れ、夫婦別姓導入などに
懐疑的な首相のカラーを前面に打ち出した人選といえる
仙谷由人官房長官(当時)が「民主党は夫婦別姓を
マニフェスト(政権公約)に掲げ、党の方針にしてきた」と強調。
同会議も、同年7月の第3次男女共同参画基本計画の
策定に向けた答申で、選択的夫婦別姓制度の導入を
強く後押しする内容を盛り込んでいた。
選択的夫婦別姓は、ジェンダー平等の象徴的政策であり、
なおかつ「正しい家族幻想」に真っ向から抵触します。
なので、家族に対して因習的な人が、いちばん攻撃したくなる
ところなのだと思いますが、ここまで繰り返し標的にされると、
さすがに引いてしまいます。
それから、民主党が選択別姓の実現を党の方針にしたこと
について書いていますが、民主党の政策だから否定したい、
という意識も働いていることが考えられます。
安倍政権は「純潔思想」と「正しい家族幻想」が大好きですし、
安倍自身「親学」に傾倒しているというお話です。
となれば、男女共同参画会議に「親学」の人が起用されるのも、
じゅうぶん予想されることだと言えると思います。
実態はここでお話したように、「男女共同参画」に対する
真っ向からの否定に向かうことになるのでしょう。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013032802000124.html
しかし、確信犯なのでしょうけど、菅官房長官のコメントは、言語同断ですね。
本当に日本人として恥ずかしい政権です。
すこし前のエントリにコメントくださり、ありがとうございます。
(よくこのエントリを覚えていてくださりました。)
>http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013032802000124.html
ご紹介ありがとうございます。
これですね。
https://twitter.com/umiheikutsumori/status/316922195945328640
タイミング的にちょっと遅いけれど、抗議をしたことはよかった、
というか当然のことですね。
>菅官房長官のコメントは、言語同断ですね
しらじらしいですね。
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「知見を参考にしたいと任命している。
著書で男女共同参画に反対しているのではないことも明確に述べている」
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わたしは高橋氏の「著書」とやらを知らないんだけど、
「夫婦別姓に反対しても、男女共同参画に反対したことにならない」
とか、「夫婦別姓は行き過ぎた男女共同参画だ」なんてな
認識ではないかと想像します。