このところ、毎日新聞は、家族法、とくに「父権の推定」を、
(離婚後、300日以内に産まれた子は、前夫の子になる)
さかんに記事にしているようです。
1月に入ってからも、つぎのように、ふたつあります。
(NOTRON3rdさま、さくらさま、ご紹介してくださって、
どうもありがとうございます。)
「無戸籍児:離婚300日以内誕生は前夫の子『法の壁』重く」
「出生届:早産で不受理 『離婚後300日』9日足りず『前夫の子』」
「父権の推定」は、親子鑑定が出てくるので、
自然科学のお話にもなる、ということで、
こちらでも期せずして、同じトピックが取り上げられていますよ。
現行法では、実の親の戸籍に登録するためには、
親子関係不存在確認の訴えを、前夫が出す必要があります。
この手続きは、家庭裁判所へ、何回か行くことになり、
あまり簡単ではありません。
(しかも、このときは、前夫が実の父でないことを、
確実に示すために、親子鑑定(DNA鑑定)が必要になる!)
そもそも、離婚するくらいですから、
いまさら会いたくない、ということもあるでしょう。
前者の記事のケースでも、前夫の暴力がひどく、
「悪夢を忘れたい」と、再会を恐れていたのでした。
後者のケースでは、予定通りなら問題がなかったのですが、
予定外の早産だったので、離婚後300日以内に誕生となったのでした。
こうしたとき、母子手帳などで、親子関係を示せても、
推定に使うことができず、民法の規定が優先されてしまいます。
この法案を決めた成立当時、どんな事情だったのか、
(これを作った人たちが、なにを考えていたのか)、わからないです。
しかし、300日という規定は、早産は無視されているし、
そうでなくても、実際の妊娠期間と合っていません。
現行民法の「父権の推定」は、医学の知識や事実は、
度外視して決められているもので、科学的でないと思ったほうが、
むしろ、いいくらいかもしれないです。
2007年01月14日
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現行民法は、その大部分が明治時代のもので、家族法の部分は、戦争後、新憲法に合わせて、改正されたものです。それでも60年近く前です。
当時はDNA鑑定なんて全く無かったわけでして、それを前提にした法律になっていないのは当然です。
さらに、法律では、記事中にあるように、親子関係確認の訴と言う、救済措置を設けています。
それが、「感情的に嫌だから」と言うのは、法による救済の対象にはなりません。そんなことを言い出したら、すべてが感情で左右される、無法国家になってしまいます。
前夫に会いたくなければ、代理人を立てて、前夫に協力を求める訴を起こして、本人が会わずに、DNA採取することも考えられます。
その一方で、訴訟に手間と時間とお金がかかるという問題が存在するのは事実ですが、それは別の次元のお話です。
例外的な事例がおきるたびに、感情論で対処していたら、法治国家は崩壊します。
ご意見は、民法改正論議の一石にはなるでしょうが、現行民法下で、例外は認めてはだめです。
後者の例では、現在の夫の協力でDNA鑑定を取り、親子関係存在の訴は簡単に受けられるでしょう。その費用は、生まれつき病弱であった子に医療費がかかるというのと同じだという論理です。
「法治国家」で、「法の例外」が数多く生まれるのは、危険なことだとお考えください。
などとは、わたしは、言っていないつもりですが?
(これこれの理由で理不尽な法律だとは、言っているけれど。)
1月10日のエントリは、「離婚前から、夫婦としての実態が、
失われていた場合、前夫の子との推定を受けない」という、
最高裁の判例があるので、これを適用して、
届けを受理することもできるのでは? ということです。
ちなみに実務面でのことですが、判例は法律ではないので、行政庁が判例を根拠に認定することはできません。そのためにはやはり、あらためて訴を起こさねばならないのです。
これが三権分立の基礎になります。
民法も最高裁も憲法から出ています。また理不尽とは私は思いません。救済措置があるのですから。法とはそういうものです。
「良きキリスト者は、悪しき隣人である」と言う言葉をもじって、「法律家は悪しき隣人である」とも言います。私は法律を学び、仕事でも扱ってきました。すべてを知るわけではないですが、この種の話題が情緒に流れるのはありがちですが、いけないことだと思っています。決して私に感情が無いわけではありません。
幼児の殺害や、飲酒運転致死などで、加害者への過罰的な世論が高まっているのにも同様の危惧を持っています。
2つ目をアップされているのですね。
私も結末まで知りたいもんです〜。
今年、民法を取ると思います。(^o^)
まだやってませんが、条文が気になったので調べてみました。
第4編親族の第772条第2項
婚姻成立の日から200日後又は婚姻解消若しくは取消の日から300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものと推定する
とありました。
推定するなので、100%決定ではありませんね。法律も逃げとるなーと思ったりw無理もありませんが。
推定の意味(ヤフー大辞泉)
1.ある事実を手がかりにして、おしはかって決めること
2.法律で、ある事実または法律関係が明瞭でない場合に、一応一定の状態にあるものとして判断を下すこと。
3.統計調査で、ある集団の性質を調べる場合に、その集団から抽出した標本を分析することによって集団全体の性質を判断すること。
ということです。
民法の条文の推定するの推定をしてなくて、役所が事実確認する前に勝手に100%前夫の子と決め付けてないかなぁと・・・。科学が発達した中、覆ることも知っていたんだろうか?それを放置していたんじゃないかと。
逆に、相続でいくらDNA鑑定していても未婚の被相続人(♂)が生前に認知していなければ実子にならないとも。この認知の件は、ちゃんと書かれています。
第5編相続第779条第1項
嫡出子ではない子はその父又は母がこれを認知することができる
第783条第1項
父は胎内に在る子でもこれを認知することができる
この場合は母の承諾を得なければならない
とあります。
「できる」なのでしたくなければしなくても良いということです。認知してくれなければ、実子にならない可能性もありますね・・・。自分の子と分かっていて自分の嫁さんに色々と小言言われて認知しないといういじわるなことも起きそうですね。
いやな法律ですね・・・。
なので、どちらにせよ、法律の条文にないことは、裁判でたたかうしかなさそうです。
こう明るみに出るまでは今まででそういった事例はなかったのでしょうか?
泣く泣く諦めて届出出していたのでしょうか?
時代にそぐわない法律は、分かりやすい法律に早く変えて欲しいです。
ちなみに、DNA鑑定は、唾液でするところでも138,000円だと。高い〜!!!(@_@;)
と、調べてみました。
お陰様で勉強になりましたφ(..)メモメモ
長々とお邪魔しました〜。
判例にもとづいて、役所が対応できるはず、というのは、
二宮周平氏のご意見だけど、この法律の先生の、
おっしゃることはおかしい、ということですか?
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061224k0000m040080000c.html
|▽二宮周平・立命館大法科大学院教授(家族法)の話
|最高裁判例をもとにすれば、前夫と母親が離婚前は
|同居していなかったとする上申書を父親が出せば、
|役所が配慮して認めるなど、柔軟な対応ができるはずだ。
>お気持ちはわかりますが。
わたしの「お気持ち」というのは、なんですか...?
(わたしが、どんな気もちだと、思っていらっしゃるのかしら?)
>この種の話題が情緒に流れるのは
「情緒に流れる」のは、だれがなのかな...?
いっぱい調べてくださって、どうもありがとうございます。
>今年、民法を取ると思います。(^o^)
お勉強したあかつきには、わたしに、レクチャーしてくださいね♪
(なんて、いまも、教えてもらっているんだけど。)
>2.法律で、ある事実または法律関係が明瞭でない場合に、
>一応一定の状態にあるものとして判断を下すこと。
法律でいう「推定」というのは、そういうことなのね。
(事実や根拠がなくても、なんらかの判断がいるので、
そんなときの対処、ということなのかな...?)
でも、親子を示す証拠があったとしても、
それを根拠として、民法の定める「推定」に反して、
戸籍に登録するには、裁判が必要ということなのかな...?
>相続でいくらDNA鑑定していても未婚の被相続人(♂)が
>生前に認知していなければ実子にならないとも。
非嫡出のときは、親が認知しないと、
実子にならないというのは、わたしも知っていました。
(非嫡出子は、相続差別だけでなく、こういうことも、
なんとかしたほうが、いいんじゃないかな...?)
事実婚で出産すると、非嫡出になるので、
親になるために認知が必要で、手続きが面倒になるんですよね...
(この認知手続きは、裁判所に行く必要があるし...)
>こう明るみに出るまでは今まででそういった事例はなかったのでしょうか?
最近になって、毎日新聞が関心を持ち出して、記事にするようになった、
というだけで、むかしから、あったんだろうと思います。
そうなったとき、どうしていたのかは、わからないけれど...
あきらめて、前夫の戸籍に入れていたのか、
それとも、裁判で解決していたのかな...?
>DNA鑑定は、唾液でするところでも138,000円だと。
わたしも調べてみたけれど、つぎのところも、10-20万円くらいだ。
(裁判になると、こういう民間のところへ、依頼されるみたいだけど、
鑑定料金は、裁判費用の中に、組み込まれるのかな...?)
http://www.solution-inc.co.jp/price.html
例外的受理が法のあり方として認められないからといって、こんな前近代的な法律の存続を許容するほうが疑問ですね〜
コメント、どうもありがとうです。
このところ、毎日新聞は、熱心に記事にしていますよね。
法務省が、現在の夫の子として扱えるよう、
通達を出してくれると、なんとかなるみたいです。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070112ddm041040150000c.html
|◇民法改正が必要に−−家族法に詳しい榊原富士子弁護士の話
|法務省が通達を出すなどして、早産など明らかに前夫の子でない
|証明がある場合に「現夫の子」として扱えるようにするか、
当の法務省は、「法に基づいた一律的な運用をせざるを得ない。
要望を認めるには、国民の意識が高まり、
法律を見直すなどして対応するしかない」などと、言っていますから、
通達を出す気など、たぶん、ぜんぜんないんでしょうけど。
でも、(これも毎日新聞だけど)、こんな記事もありますね。
(↓のトラックバックさきに、あったんだけど。)
「強制認知」という手続きを取れば、前夫の証言がなくても、
実の父親と、親子関係になれるみたい。
「戸籍:離婚後265日で生まれた男児 無戸籍1年、やっと登録 母『法改正を』」
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061231ddm041040022000c.html