24条もターゲットになっていて、「家族は、社会の自然かつ基礎的な
単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」
という条文が加えられていることを、お話したのでした。
「自民党憲法草案の条文解説」
ここでいう「家族」というのは、彼らが信奉する
「正しい家族」幻想であり、夫婦別姓や婚外子差別の廃止に対する
反対を合憲にすることが目的であることが、予想されるわけです。
ところで、この「家族」に関する条項を加えたのは、
夫婦別姓や婚外子差別とはべつに、社会保障を切り捨てることを、
正当化するためではないかと考える記事があるので、
ご紹介をしたいと思います。
「森永卓郎氏 安倍自民の憲法改正案は生活保護や年金削る狙い」
自民党は「自立」と称して、さまざまな社会保障を削っていき、
家庭に負担させることを公言しています。
ようするに、「生活保護や年金などの社会保障を国に求めず、
家族が面倒をみろと明言している」のではないか、ということです。
安倍自民党が提示した憲法改正草案の24条には、
「家族は、互いに助け合わなければならない」という
条文が追加されている。わざわざ憲法に書くようなことかと
疑問をもつ内容だが、実はちゃんと意味がある。
要するに、生活保護や年金などの社会保障を国に求めず、
家族が面倒をみろと明言しているのだ。
実際、自民党は生活保護に関して、保護費を削減し、
親族の扶養を優先させることを強調しています。
ほかにも、高校の無償化、子ども手当、農家の戸別保障といった
「福祉国家の4K」など、さまざまな社会福祉を削減しようとしています。
憲法24条を改正して「家族」に関する文言を入れるのは、
「家族」を楯に取った、このような社会保障の削減も
意識されている可能性は、考えられることだと思います。
憲法が根拠にできることで、社会保障の削減がますますやりやすくなり、
そして家庭の負担がどんどん大きくなるということです。
記事では、「小さな政府を目指す小泉構造改革路線」とも
書いているのですが、そういうことになると思います。
憲法24条の改正が、小さな政府主義に結びつくのは、
わたしも意外でした。
記事の最後には、つぎのようなことが書いてあります。
安倍はコイズミとおなじようなことをするということです。
安倍首相が力点を置いている景気拡大という名のバラマキは、
その後にやってくる厳しい冬の時代を受け入れさせるための撒餌なのである。
安倍政権は、7月の参院選までは「安全運転」をして
支持を取り付けて、参院選で大勝したあと本性を表わす、
というのは、いろいろなところで言われていると思います。
社会保障に関しても、その可能性が危惧されるわけです。