2013年02月02日

toujyouka016.jpg 婚外子差別に違憲判決

婚外子の相続差別に対する訴訟で、違憲判決が出ていた
というニュースがあるので、ご紹介したいと思います。

「非嫡出子の相続減、違憲 静岡地裁支部、父に婚姻歴なし」
「婚外子の相続差別違憲 出生時、父に婚姻歴なし」(全文)

 
記事は1月30日なのですが、違憲判決が出たのは11月9日です。
2ヶ月以上経っていて、なんでこんなに遅いのかと思います。
記者がだれも判決に気がつかなかったのでしょうか?
遅れてはいても、現行民法に違憲判決が出たことを
取り上げたことはよかったと思います。

婚外子の相続差別も、民法改正のひとつの課題として、
夫婦別姓とおなじく、いつまでも解決されずにいます。
最高裁でも何度も争われていますし、
今回の訴訟で違憲判決が出たことは、とてもよかったと思います。


記事によると、判決ではつぎの説明がなされたとあります。
========
判決は、原告が出生したときには父は結婚しておらず、
それ以前も結婚歴がなかったことから
「尊重すべき法律婚は存在していない」と指摘。
========

この理由はいささか問題があるように思います。
「尊重すべき法律婚」の存在によっては、
婚外子は相続差別を受けてもよいと考えられるからです。
本来なら尊重するべき法律婚の有無にかかわらず、
非嫡出子と嫡出子とのあいだに、相続差別があってはならないはずです。

それから、「尊重すべき法律婚」というのが、
どういうことなのか、わたしはよくわからないのでした。
原告の父はべつの女性とのあいだにできた嫡出子がいます。
それでも、婚外子の相続差別が違憲だというのですから、
おなじ親から産まれた嫡出子と非嫡出子とのあいだの競合
ということではないようです。


婚外子の相続差別は、以前にも違憲判断が出たことがあります。
2011年8月24日に、大阪高裁で下されています。

「婚外子差別に違憲判断」

記事の最後に「下級審でも違憲判断が示されたケースが出ている」と
書いてあるのですが、この大阪高裁の違憲判断のことを
指しているものと思います。


付記:
2011年8月の大阪高裁の違憲判断も、マスコミが記事にしたのは
10月4日で、ずいぶんとあとになってからでした。
今回の違憲判決といい、マスコミの動きが遅いのは、
なにかわけがあるのでしょうか、ちょっと気になります。

posted by たんぽぽ at 19:06 | Comment(4) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
以前から拝見させていただいておりましたが、初めてコメントします。

「婚外子の相続差別は、以前にも違憲判断が出たことがあります。
 2011年の8月24日に、大阪高裁で下されたものです。
 今回の違憲判決で2件目ということになります。」

と書いてありますが、違憲判決は2件目ではありません。
私は、日本で最初の婚外子相続差別違憲判決の原告です。
1993年6月23日、東京高裁です。
翌、1994年11月30日にも同じく、東京高裁で2件目の違憲判決が出ていますし、他にもまだあります。

法制審議会が民法改正の答申を出してから、20年近い年月が流れてしまったというのに、未だに先に進まないというのは本当に残念なことですね。
Posted by うさぎ at 2013年02月06日 02:49
うさぎさま、いらっしゃいませ。
コメントありがとうございます。

>私は、日本で最初の婚外子相続差別違憲判決の原告です

わたしのブログに、ようこそお越し下さりました。
とても恐縮です。

>1993年6月23日、東京高裁です。
>翌、1994年11月30日にも同じく、東京高裁で2件目の違憲判決が出ていますし、

情報、まことにありがとうございます。
過去にも婚外子の相続差別に対して、違憲判決が出ているのですね。
しかもいまから20年ほど前ですね。
過去に違憲判決が出ているのに、民法改正がなされないということは、
今回の違憲判決も「焼け石に水」になりそうですね。

エントリの「今回の違憲判決で2件目ということになります」
という文章は削除しておきます。
ご指摘は、まことにありがとうございます。


>法制審議会が民法改正の答申を出してから、20年近い年月が流れてしまったというのに、

もう20年が近づきつつあるのですね。
自民党が政権を取って、ふたたび民法改正は遠ざかったし、
いったいあと何年経ったら実現するのかと思います。
Posted by たんぽぽ at 2013年02月06日 22:28
裁判所の判決期日が11月6日でもそれはあくまでも裁判所の書記官が記入した判決文の日付であって、判決受領日は11月14日か15日かもしれません。
それから、2週間の控訴期限となれば、判決確定は11月末になります。
年末年始は緊急事態の記事以外は、マスコミが報道しないので、実質1ヶ月程度あとの報道は当事者が記者会見を開くなり、判決言い渡し時間をマスコミに知らせて、判決日に登庁するところを撮影させたりしなければ、すぐには、報道されないことはいくらでもあります。
Posted by tad at 2013年03月20日 17:22
tadさま、いらっしゃいませ。
わたしのブログにコメントありがとうございます。
お返事が遅くなってもうしわけないです。

>すぐには、報道されないことはいくらでもあります

判決が出た日とメディアの報道とのタイムラグについて、
事情をお話くださり、まことにありがとうございます。

なるほど、そういうことなのですね。
婚外子差別の違憲判決は、それほど緊急性はないでしょうしね。
Posted by たんぽぽ at 2013年03月23日 23:14
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