「結婚している人のほうがしていない人より幸せ」と
思うかどうかについて、意識調査を行なっていました。
「“結婚している人幸せ”意識に男女差」
「ISSP国際比較調査「家庭と男女の役割」・日本の結果(一部)」
この調査で注目したいのは、男女別に行なっているところです。
「結婚している人のほうがしていない人より幸せ」と思うかという
質問に対して、男性は「そう思う」「どちらかといえばそう思う」が
合わせて35%でしたが、女性は23%に留まっています。

さらに年齢階層や、未婚・既婚のべつにしたものが、つぎのグラフです。

女性のほうが男性よりも、結婚して幸せと思うかたがすくないのですが、
この結果は、わたしに言わせれば予想通りですよ。
女性は男性と比べて、結婚にともなって直面する問題や
負担、変化がたくさんあるからです。
言うまでもなく、女性には結婚改姓という問題があります。
それから、女性は子どもを産むのかという問題が出て来ます。
また妊娠・出産をしたらお仕事を続けられるのか、という問題があります。
さらには、配偶者(夫)の実家との関係も出て来ます。
将来は夫の親の介護をするのか、ということもあります。
これらの問題は、男性の身の上にはほとんど起きないことで、
男性がこうしたことで悩むことはほとんどないです。
男性は結婚しても、結婚前とあまり変わることなく、
そのままお仕事を続けることができると言えます。
結婚生活というのは、まだまだ男性本位的であり、
女性が男性の都合に合わせている部分が大きいということでしょう。
このあたりが、「結婚して幸せ」と思う人が、
女性のほうが男性よりすくなくなるゆえんだと思います。
前に、結婚生活は男性に有利で、女性になんらかの犠牲があることを、
離婚によって男性は自殺が増え、女性は自殺が減ることが
しめしている、というお話をしたことがあります。
今回のNHKの調査は、もっと直接的に、結婚生活が
男性本位的であることを、しめしたことになるでしょう。
付記:
記事では、女性の「配偶者あり」は「配偶者なし」よりも、
「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計が
すくないことに言及していて、女性は実際に結婚すると
苦労を実感することを、しめしているようです。
ところが、「そうは思わない」「どちらかといえば
そうは思わない」の合計も、女性の「配偶者あり」が
「配偶者なし」よりすくなくなっています。
このあたりは、単に結婚生活の負担や苦労だけでなく、
べつの要素があることになりそうです。