2013年02月11日

toujyouka016.jpg 生活保護の実態のメモ

自民党が生活保護の水準の引き下げを、着ちゃくと進めています。
来年度の予算案に組み込まれるのは、決まったようです。
これは社会保障の切り下げであり、好ましくないのは言うまでもないです。

生活保護については、たくさんの誤解や偏見もまかり通っていて、
それが水準の引き下げを後押ししている部分があると思います。
生活保護の実態や、引き下げの影響について書かれた記事を
いくつか集めたので、正確なことを知りたいかたは、
ご覧いただけたらと思います。

「今、ニッポンの生活保護制度はどうなっているの?」(日弁連パンフレット)
「生活保護制度をめぐる神話--「働けるのに働かない」を中心に」
「生活保護の「引き下げ」は何をもたらすのか 大西連」
「生活保護基準引き下げのどこが問題?Q&A STOP!生活保護基準引き下げ」
「「生活保護が恵まれている」と思う方へのお手紙」

 
生活保護叩きで、やり玉にあがるのが「不正受給」です。
報道されることが多いので、いかにもたくさんあるかのように
思っている人たちも結構いるのだろうと思います。

実際は、不正受給は金額で全体の0.4%程度、件数でも2%程度です。
その中身も多くは「申告漏れ」で、たとえば「高校生の子どもが
アルバイトをしたのを申告しなかった」といったものです。
不正受給は微々たるもので、しかもその大半は悪質ではないのでした。

生活保護バッシングの発端になった河本準一の母親は、
不正受給をしていたのではありません。
母親は受給資格を満たしていたし、正規の手続きを経ていました。
河本準一はなにも違反はなく、本来謝罪する必要はないのであり、
彼が謝罪したのは、自民党議員やあおられた世論が
理不尽に圧力をかけた結果にすぎないです。

「河本準一氏叩きで見失われる本当の問題」


生活保護の切り下げを主張する人たちは、
「本当に必要な人に受給させるべき」と言うことがあります。
ところが、生活保護の受給資格があるかたのうち
実際に受けている人の割合(捕捉率)は、日本は2割程度です。
つまり8割ほどのかたが、生活保護の受給資格がありながら、
実際には受けていないことになります。

「生活保護の低い捕捉率」

フランスは捕捉率が9割程度、スウェーデンは8割ほどなので、
生活保護の受給資格のある人の大半が、受けていることになります。
ヨーロッパの民主主義国と比べると
日本は極端に生活保護の捕捉率が低いと言えるでしょう。

利用率・捕捉率の比較(2010年)

ようするに日本では、生活保護が「本当に必要な人」の多くが、
受給をしていないというのが実態です。
本当に問題にしなければならないのは、不正受給などではなく、
「捕捉率の異常な低さ」だと言えます。
彼らがいかにして、生活保護を受けられるようにするかを
考えるのが、本来必要なことでしょう。

posted by たんぽぽ at 22:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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