女子柔道の暴力事件についてとてもよい記事があります。
日本オリンピック委員会の理事である、山口香氏のインタビューです。
山口氏は1988年のソウルオリンピックで、女子柔道の銅メダルを獲得し、
現在は筑波大学大学院の准教授をなさっています。
「(インタビュー)15人の告発 筑波大大学院准教授、元世界王者・山口香さん」
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「告発の真相:女子柔道暴力問題 山口香・JOC理事に聞く/上」
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「告発の真相:女子柔道暴力問題 山口香・JOC理事に聞く/下」
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この記事は、15人の選手たちが告発にいたるまでの
経緯について、くわしいことが書かれています。
また、毎日の記事の「下」では、山口氏は問題を的確に分析して、
具体的な対策をひとつずつしめしていて、すばらしいと思います。
よい記事なので、ご覧になればじゅうぶんだと思います。
わたしがごちゃごちゃ言うことはないでしょう。
山口香氏が、選手たちが暴力を受けていることを知ったこと、
全日本柔道連盟に訴えたけれど、いい加減な対応だったこと、
そして、選手たちがみずから声を上げるしかないと、
勇気づけたことなどが書かれています。
日本オリンピック委員会に告発することは、選手たちが自分で考えたのですが、
山口香氏は終始よき理解者として、選手たちを支えてきました。
山口氏のようなかたに理解され、支えられてきたことは、
選手たちにとって、おおいなる励みになったでしょう。
前のエントリで問題になった、告発した選手たちの名前を
公表することについても、山口氏はきっぱりと、
そんなことはするべきでないと、語っています。
http://mainichi.jp/select/news/20130210ddm035040172000c2.html
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今回の件で、彼女たちになんら非はないと私は思っています。
その彼女たちの氏名を誰に、何の目的で公表すべきだと言うのでしょうか。
百歩譲って、彼女たちの氏名を公表して公の場で闘う理由があるなら、
それは双方の意見が食い違っている時です。
既に園田監督らは事実を認め、謝罪しています。
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ジェンダーという観点では、多様性(ダイバーシティ)に
対応するため、全柔連に女性の理事を入れることを
提案していることが、注目するところではないかと思います。
http://lacrima09.web.fc2.com/figs/judo-yamaguchi.html
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まず、全柔連の理事に女性がいないと指摘されていますよね。
ダイバーシティという言葉がありますが、いまは多様化の時代です。
いろんな視点が必要で女性もその一つ。
外部から女性理事に入ってもらってもいい。
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理事に女性がすくなく、いわゆる「男社会」だったことと、
暴力やハラスメントが蔓延し、しかもそれが軽視されていたことは、
無関係ではないだろうと、わたしも思います。
しかしこの選手達は運が良い。
ちょうどSM高校の件で体罰NOの方向性が暖められていましたからね。タイミングが悪ければ綺麗に握りつぶされていたでしょうから。
物事が動く時はえてしてこういうもの…
これが桜宮高校パターンであれば、日本の恥である女子柔道連盟は、試合はおろか練習も禁止、新人選手を入れるなど言語同断なはずですが、実際には国際試合さえ行われましたね。
ロンドン金メダリストの松本薫選手も、仲間が殴られているのを見て見ぬふりをしていたと、罵られてはいないようです。
この件に橋下が介入して来なかったのは、日本女子柔道にとってラッキーだったと言えるでしょう。
トピズレ、失礼しました。
>山口選手なんかは現役時代から既にフランスなどに大幅に遅れている実態を
適切な問題意識を持ち、適切な行動を起こせる人が
選手たちの近くにいたのは、なによりよかったと思います。
山口氏のようなかたがいなければ、女子柔道の暴力も、
告発に至らなかったのではないかと思います。
>しかしこの選手達は運が良い。ちょうどSM高校の件で
ちょうど体罰に対する批判が集まっていたところでしたからね。
選手たちは、狙ったのではないのでしょうけれど、
桜宮高校のこととシンクロしたものは、たしかにあるでしょうね。
告発するという選手たちの判断や、山口氏のサポートが
よかったのはもちろんでしょうけれど、
運命も味方した、ということになりそうですね。
このエントリにコメントありがとうございます。
>これが桜宮高校パターンであれば、日本の恥である女子柔道連盟は、
>試合はおろか練習も禁止、新人選手を入れるなど言語同断なはずですが、
選手たちを気遣うよりも、オリンピックの心配をするというのも、
「こんな連中には任せておけない」という態度でしょうしね。
桜宮高校と違って、橋下のような絶対的な権力者がいないことで、
女子柔道が続けられている、というのはありますね。
しいて言えば、桜宮高校のケースと違って、
女子柔道は国際社会にその実態が知られたことがあると思います。
とくに峯岸みなみの丸刈り事件と重なりましたし、
日本に対する世界の眼は、余計に厳しくなっただろうと思います。