2007年02月12日

toujyouka016.jpg 世論調査(2)

『AERA』07年2月12日号で、今回の世論調査についての、
結果の分析を行なっています。
(『AERA』は、週刊誌の中では、いちばんさかんに、
民法改正を取り上げてくれます。)
「『夫婦別姓』20代30代の転向 明るくリアルな『家』回帰」

1976年以来の世論調査(選択別姓を認める法改正をしてよいか?)の、
結果をグラフにしています。
これを見ると、賛成が減って、反対が増えるという後退現象は、
じつはこれまでにも、2回あったことがわかります。
(過去8回の移り変わりを眺めていると、
今回の後退も、変動範囲内のように、見えなくもない。)

 
今回の調査の後退現象は、どうやら、結婚当事者のはずの、
20代、30代が、大きく寄与しているみたいです。
30代の女性では、法改正賛成は、前回の52.9%から40.2%に減っています。
これは、通称が使いやすくなったせいで、働く女性が、
法改正の必要を感じなくなったことが、大きいようです。

また、社会不安が増して、職場でも競争で
緊張が多くなったいま、家庭だけは、もめごとがなく、
安らげる場所でありたいという願望も、増えているようです。
それで、それなりに覚悟のいる、別姓結婚を避けるようになった
というのあるようです。

なかには、「家族で殺しあう事件が頻発するから、
家族の絆を希薄にする、選択別姓に反対」というかたもいたりします。
反ジェンダー平等的雰囲気が、高まるなかで、
バックラッシュの発言力も、強まったからでしょう、
「別姓で家族の絆が弱まる、家庭内犯罪が増える」という、
根拠のない「デマ」を流して、不安をあおる、
反対論者の戦略が、当たっていると言えます。

もっとも、このように、別姓希望の動機が中程度の人たちや、
反対論者の言うことを信用する人たちも、
むかしからいたはずで、いまにはじまったのではないです。
20代、30代で、後退が目立ったということは、
やはり、最近の世相を反映して、増えてきたということでしょうか?


また、新たな当時者として、50代、60代の女性で、
別姓結婚の希望者が、増えてきています。
(これらの世代は「当事者でないのに、反対だけする」と、
いままでは、恨まれることが多かったのでした。)

ところが、熟年離婚が増えてきて、これらの人たちこそ、
「自分の結婚」に、リアリティが出てきたようです。
また、この世代のほうが、若年層よりも、
夫の苗字になる=相手の家に入る、という意識が強いのもあるようです。

ところで、導入する制度は「選択制」ですから、
自分にとって必要かは、いちおう関係ないはずですが、
これについては、まわりに必要な人がいなさそうだから、
法改正も不要なんだろうと、単純に思われたと考察されています。

『AERA』は、つぎのように結んでいるのですが、
自分で考えないでまわりに流されるのは、当節流かもしれないです。
========
社会が混沌として情報があふれすぎて、何が善か悪かも
分らなくなっている現代では、何事を判断するにも
自分の周りのごく身近な基準に帰着するようになっています。
そういう傾向が、今回の調査結果にも影響しているのかもしれません
========

posted by たんぽぽ at 17:57 | Comment(2) | TrackBack(1) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
たんぽぽさん、こんばんは。TBありがとうございました。

選択性についての若い方々の回答は、確かに身近なところに帰着した不要という判断なのかもしれませんね。
ただ、「子ども界も大変で」「子どものことを考えない親も増えているから」「せめて”クールすぎる”(?)家庭は減らしたいので、別姓はなんだか嫌な感じがする」という漠たる思いを持っている方もいるにはいるようで、実際その意見を複数回耳にしたことがあります。

しかし、これこそわたしの周囲の限定的な例からの感想かもしれませんし、あるいはまさにバックラッシュの影響の表れかもしれないのですが…。

どのくらいの率なのか、継続していくトレンドなのか、ちょっと気になっています。
Posted by Rolling Bean at 2007年02月12日 22:34
こんにちは。
コメント、どうもありがとうです。

>「子ども界も大変で」

いや、そういうかたも、きっといると思いますよ。
子どもに悪影響だから...なんて言って、
敬遠するかたも、やはり、むかしからいましたし...

『AERA』では、子どもの心配をする意見は、載せられてなかったけれど、
世論調査でも、「子どもに好ましくない影響があると思う」は、
66.2%と高率ですし、Rolling Beanさまのまわりだけ、
ということはないと思います。


>どのくらいの率なのか、継続していくトレンドなのか、

ようは、安倍内閣の、反ジェンダー平等的雰囲気の、
現われなんだろうと思います。
(郵政選挙以来、民法改正が話題になることが、
めっきり減ってしまったので、もしかしたら、
後退もありえるかもと、わたしは思っていたのだよ...)

安倍政権というより、自民党優位の状況が、
終わらないかぎり、たぶん、だめなんだろうと思います。
Posted by たんぽぽ at 2007年02月13日 12:34

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