2007年02月14日

toujyouka016.jpg 世論調査(3)

こんどは、2月10日の東京新聞(「暮らし」欄)で、
民法改正の世論調査が、分析されています。
しかも、調査結果の信憑性があやしいと、疑問を呈しています。
「『別姓反対』増えたって本当?」

なにがあやしいかというと、回答者の年齢構成です。
20-24歳が3.6%、25-29歳が4.5%なのに対し、55-59歳が13.2%、
60-64歳が11.1%と、異様に高率です。(調査票のF2参照)
中高年でニーズが増えたらしいと言っても、
全体としては、まだまだ若年層のほうが、当事者は多いでしょう。
偏った年齢構成のせいで、法改正反対が多くなったことは考えられます。

既婚と非婚、および、子どもの有無の比も偏りがあります。
非婚が13.3%に対し、既婚は86.6%(調査票F4)であり、
また既婚のかたのうち、子どものいるかたが92.9%もいるのに対し、
子どものないかたは7.1%しかいないのです。(調査票F5)

 
かかる調査結果に対して、「面接調査をしているが、
若い層は不在や拒否が多くて」などと、内閣府は弁解しています。
しかし、これで「今後の施策の参考とする」のですから、
信頼性を上げるために、回答数を増やす努力は必要でしょう。

前回の2001年のときは、得られた回答数は、
実際の人口構成に、ずっと近かったようです。
とはいえ、このときも、若いかたや、独り暮らしのかたは、
家にいないことが多かったはずです。

2001年の法相は、森山真弓氏で、熱心な推進派でした。
政策決定の参考資料を作るという、責任感もあったと思いますが、
結果次第では、自民党内の反対派を説得できると、
信じられていたので、めんどうでも、じゅうぶんな信頼性を
確保する努力をしたのだと思われます。

今回のときは、法相は長勢甚遠氏で、頑迷な反対派です。
民法改正の世論調査なんて、たぶん気が進まなかったのでしょう。
それでも、06年4月に、今年度は行なうと約束したので、
義務の消化のつもりで、行なったのかもしれないです。
めんどうなことをして、必要な信頼性を確保する気など、
たいしてなかったことも考えられます。


また、東京新聞は、大手マスコミの報道も、
偏りがあることを指摘しています。
たとえば、「結婚改姓でお仕事に不便があると思う」が、
41.9%から46.3%に増えたとか、通称使用や事実婚への寛容が、
過去最高になっていることは、ほとんど触れないで、
民法改正賛成が減って、反対が増えたことだけ、
取り上げることが、目立っているようです。

安倍政権に都合のいいような、報道のしかたばかりするのは、
このところの、大手マスコミのやりかたです。
いつもの安倍へのお追従ぶりが、「別姓を望む人たち」にも、
降りかかってきたとも言えるでしょう。

それはともかく、今回の世論調査は、
前回調査よりは、ずっとずさんなことはたしかそうです。
調査の結果を見て、ショックやいきどおりを感じていた人たちも、
この東京新聞の記事で、いくぶん気を取り直したみたいです。

posted by たんぽぽ at 23:14 | Comment(5) | TrackBack(3) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
 こんにちは。
 こういうデータは「納豆」さわぎとおなじで、「発表された」ものは「ただの説」。検証されてこそ意味があります。

 調査票をみると、まず、「現在の制度」が、
結婚したら「新しい戸籍」になって、親の「家」から離れるんだ。どっちが筆頭者でどっちの姓にしてもかまわないんだ。という基本について何も触れられていない。ここに恣意的なものを感じます。
(年齢だとか、ほかの項目については、現在は○○ですが、と説明がある)

 これを知ってるか知らないかで、答えも変わるはずだが、あえて知らせることはあるまいという発想か、担当官が知らなかったか。

 芸能人やスポーツ選手の結婚で「入籍」という報道がされてるように、「○○さんの籍に入ること」だと思ってる未経験者は多いと思う。(経験者も、事務的に届けを書いただけで、意識した人は少ないでしょう)

 本当は、義務教育でちゃんと教えるべきことです。戦後の民主主義の根本だから。織田信長がどこで死んだか、などはどうでもいいこと。
Posted by ×第二迷信 at 2007年02月15日 10:25
×第二迷信さま
こちらにもコメント、ありがとうございます。

家族法や戸籍に関して、ご指摘のような誤解があるのは、
とてもゆゆしいことだとは、わたしも思います。
(誤解してないかたが多ければ、調査結果も変わるかもしれないです。)

でも、世論調査は、一般の人たちの思い込みや誤解も、
取り込んだ上での結果を調べるのが、目的でしょうから、
余計なことを書いたら、それが事実であっても、
そっちのほうが作為的だと思いますよ。
(設問の内容を、正確に理解してもらうための記述は、必要だけど。)

適切な認識が、じゅうぶん行きわたっていれば、
「別姓で子どもに悪影響があると思う」なんて答えるかたが、
3分の2もいるはずないですし、そもそも、
「民法改正をする必要がない」と答えるかたがいないでしょう...
Posted by たんぽぽ at 2007年02月15日 23:22
本題と関係ないことだけど、子どもがいるかどうかを、
結婚しているかたにだけ訊いて、結婚していないかたには、
訊かないのも、先入観が入ってないか...?

(回答の際に、困ることはなさそうだけど...)
Posted by たんぽぽ at 2007年02月16日 22:44
 まあ、「誘導」しちゃいけませんね。

 ただ、「入籍するんだ」と思ってる人と「新籍になるんだ」と思ってる人の割合はどうなんでしょう。

 婚姻届のとき、「姓を選ぶ」項目はなくて、「筆頭者」を選んだら自動的にそっちの姓になるんだから(20年以上前のことで覚えてないが)
調査票の項目で「姓を変えなくてはなりませんが」というのは、間違いじゃないが正確な表現ではないと思いますね。

 すくなくとも、「現在・・・なのをご存知ですか?」の項目があってしかるべきでは。(年齢などの項目も。 「初めて知った」という人に、「じゃあどうだと思いますか?」と聞かれてパッと答えられるか?)
Posted by ×第二迷信 at 2007年02月16日 23:22
婚姻届けは、「氏を選ぶ」項目になっていますよ。
「筆頭者を選ぶ」項目にはなってないですが?
(自治体によって、多少フォームが違うのかな...?)
http://web.moj.go.jp/ONLINE/FAMILYREGISTER/5-2-1.html

>「初めて知った」という人に、

世の中にはぜんぜん知らないかたも、たくさんいるでしょうから、
そうしたかたも、回答者に含まれる必要はあると思いますよ。
(「これこれのことをご存知ですか?」という設問は、
あってもいいかもしれないと、わたしも思うけれど。)
Posted by たんぽぽ at 2007年02月17日 18:52

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