なんと現地の女性社員から女性差別で提訴をされていたりします。
カリフォルニア州の連邦地裁に提訴ですよ。
「米社員、第一三共を女性差別で提訴=「出産は出世妨げ」、93億円請求」
(はてなブックマーク)
原告の女性社員らは、1億ドルの賠償を求めているというから、
かなりのことでではないかと思います。
(それとも集団訴訟だから、金額が多くなる?)
訴えられたのは、第一三共という製薬会社です。
具体的にはたとえば、「子どもを産むことは出世上の自殺行為」などと
原告ら女性社員たちに警告をしたとあります。
仕事を続けるなら出産をあきらめろと要求をするなんて、
いかにも「日本的」だと、わたしは思いましたよ。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201302/2013021300739
原告側によると、待遇面の差別に加え、
「子どもを産むことは出世上の自殺行為」などと警告されたほか、
妊娠中に喫煙者との会議に出席を強いられることもあったという。
経営陣のほとんどが男性であることが性差別を
助長させていると主張している。
出産・育児は仕事の邪魔と考えて、二者択一を迫るのは、
日本社会ではまだまだまかり通ることなのだろうと思います。
制度を正当に利用して子どもを育てながら働くことを、
「社員を甘やかしている」などと考えて、余計に働かせて
「取り戻そう」とする企業もあるくらいです。
「子育て社員甘やかさず 「制度使う以上仕事で貢献を」」
(はてなブックマーク)
上述の日経の記事は、出だしの部分しか読めないのですが、
「企業の試行錯誤」などと書いていて、べつだん批判的ではないようです。
本来なら批判するところなのに、問題意識を示さないところに、
出産と仕事の両立なんて無理という考えが、
メディアにさえも当然視されている感があります。
また、女性に育児休暇を取らずに退職してほしい、などと
考えている企業が25%もあった、という調査もあります。
思っていても正直に答えない企業がある可能性を考えると、
育児休暇を歓迎しない企業は、もっとたくさんあることも考えられます。
「女性の育休「取らないで」25% 求人広告会社調査」
「女性の育休、25%がノー 企業「取らずに退職を」」
これくらい日本企業が出産・育児と仕事との両立に無理解であれば、
日本で少子化が進むのはむべなるかなと、あらためて思います。
「子どもを産むことは出世上の自殺行為」と言われた、
アメリカ法人の女性社員も、「日本はこんな調子だから
少子化が進むのか」と、もしかしたら納得したかもしれないです。
原告が第一三共の体質と指摘する「経営陣のほとんどが男性」
というのは、ますますもって「日本的」だと思います。
日本の企業は、欧米の民主主義国の企業とくらべると、
女性の管理職がずっとすくないからです。
「女性の賃金は男性の7割」
女性管理職の割合は、アメリカは42.7%ですが、日本はわずかに10.2%です。
第一三共のアメリカ法人の女性管理職の割合も、
日本企業の平均に近いことが考えられます。
おそらく第一三共は、アメリカ社会では考えられないくらい、
経営陣が「男社会」なのでしょう。
第一三共はある意味典型的な「日本の企業」と言えるかもしれないです。
そういう「日本の企業」が、欧米の民主主義国へ行っても、
「日本の常識」のままでやっていると「差別的」とされて、
現地の社員から訴えられるということですね。
第一三共は提訴されたことに関して、「雇用均等などに関する
法令は順守している」などとコメントしています。
こうした場合にありがちな、形式的な言いわけかもしれないですが、
あるいは本当に、自分たちのなにが問題なのかわかっていない
ということもあるかもしれないです。
会社側では出産退職が一般的ではない現在において、将来的なキャリアを考えれば出産・育児の制度利用はマイナス要因にしかならないので、「本人のために」仕事をさせるのだとか。そのことが「プロ意識」を持って仕事をするということなのだとか。
気が狂っているとしか思えません。
そこまでして働かせたいのなら、会社に託児所でも作ればよろしい。プロ意識を持った保育士さんを雇って。
遊びや冗談で子供を育てられると思っているクズなんかにはわからないでしょうけど、出産も育児も命がけです。
こんな連中がのさばっているからいつまでたってもこの国は少子化が解消されないのでしょう。
まったくむかつく話で、読まなければ良かったです。
>ご紹介されている日経の記事を読みました
>まったくむかつく話で、読まなければ良かったです
おお、日経の記事を全部ご覧になったのですね。
(そして、読まないほうがいいシロモノだったのね。)
わたしは出だしのところしか読んでいないんだけど、
察するに、出産や育児が「仕事の邪魔」という考えに
批判的でないどころか、むしろ好意的に紹介している感じみたいですね。
出産や育児と仕事を両立させるのは、当然の権利であり、
両立できる環境を整備するのが、経営者の「プロ意識」のはずなんですけれどね。
どこまで従業員に甘えているのかと思います。
しかも企業の独善なのに、それを「本人のため」などと言うのが
恩着せがましくて、さらに独善的だと思います。
>こんな連中がのさばっているからいつまでたっても
>この国は少子化が解消されないのでしょう
まったくですよね。
企業の意識がこの程度では、少子化もむべなるかなでしょう。
エントリの第一三共は、やはり典型的な「日本企業」のようですね。
「日本企業」が外国に行っても「日本の常識」でやっていると
訴えられるということですね。
日本の人権意識を外国に持っていくと
このようになる、とも言えます。
>家庭科男女別世代が御存命
家庭科が男女共修になったのは、
中学校は1993年、高校は1994年からです。
なので男女別世代は「存命」どころか、
まだまだ社会の中枢を担う世代です。