2013年03月09日

toujyouka016.jpg 男女の賃金格差が縮小

厚生労働省が2月21日に、賃金構造基本統計調査の結果を発表しました。
これによると、女性の平均賃金が過去最高となったのでした。
2012年は、女性の月平均の賃金は23万3100円です。
男性は32万9000円なので、男性の賃金に対する
女性の賃金の割合は、70.9%になります。

「女性の平均賃金が過去最高 12年、高学歴化が影響」
(はてなブックマーク)

 
2010年までの統計から、女性の賃金が男性の賃金の
7割に届かないことを、前にお話しましたが
2012年はかろうじて7割を超えて、これも過去最高となりました。

PK2012021702100063_size0.jpg

過去最高と言っても、欧米の民主主義国は8割程度なので、
日本の男女の賃金格差は、まだまだ大きいほうです。
OECD加盟国の中では、韓国についでワースト2位となっています。
ブックマークを見ると、「はてフェミは諸手を挙げて祝え」という
コメントがありますが、祝うほどのたいしたことではないですね。)


わずかながらも日本の賃金格差が縮んだ原因ですが、
共同通信の記事によると、厚生労働省は「女性の高学歴化が
進んでいることが影響した」と説明しているとあります。
男性とおなじ立場で働く女性が増えたということなのでしょう。

ようするに賃金格差が縮んだのは、一部の女性の自助努力だと思います。
(それも努力できる立場にいる女性の自助努力。)
女性労働者の待遇を改善する政策を施したとか、企業が努力したとか、
社会の仕組みが変化したのではないのだろうと思います。

パートなど非正規雇用の女性の待遇は、
おそらくほとんど変わっていないのではないかと思います。
母子家庭の賃金も、おそらくほどんど改善がないだろうと思います。
ブックマークには、「シングルマザーの貧困がひどいという
ニュースを見たが、あれは夢か」というコメントがありますが、
夢ではなく現実にほかならないでしょう。


>中高年層の既得権維持の結果?

ところでつぎに、女性の賃金が過去最高となったのは、
中高年層の賃金維持のために、安い労働力として女性の雇用を
増やしているからという、喜べない指摘があります。

「女性の賃金が過去最高を更新したのは、皮肉にも日本が貧しくなっているから」
========
男性の賃金は2001年にピークを付けて以降、減少傾向が続いている。
つまり女性の賃金が上昇したのは、日本が貧しくなり、
より安い労働力である女性の雇用を増やしているだけなのだ。
また2001年には年齢別の賃金分布はかなり緩やかな形状
(年齢による賃金格差が少ない)だったが、2012年では
50代の賃金水準が突出して高い尖った形状に変化している。

要するに中高年男性の賃金を維持するために、
若い人の雇用や賃金を犠牲にし、より安い労働力として
女性を活用したというのが真実の姿である。
========

これが本当なら、中高年男性の既得権を維持するために、
女性と若年層にしわ寄せを押し付けるという、
よく言われる構造が現れている、ということになります。
非正規雇用はもともと女性の問題だったものが、
不況で男性にも増えるようになって、若年層の問題に
シフトしたみたいになったという事実にも、合うことになります。

いくつか資料を調べたのですが、男性の賃金が
近年は年とともに減少傾向であることは、たしかなようです。
ところが、男性の世代間の賃金格差は、むしろ縮んでいるみたいです。
男性の世代間の賃金格差がだんだん広がって、
若年層にしわ寄せが行っている、ということは確認できなかったです。
どなたかご存知のかたがいたら、教えていただけたらと思います。

「日本型雇用の崩壊(3):年功序列賃金の崩壊?」
「年収格差と格差の拡大」

posted by たんぽぽ at 23:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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