2013年03月24日

toujyouka016.jpg 待機児童でブログ炎上

先月の末なので、ちょっと前になりますが、田中裕太郎という
杉並区の自民党区議のブログが炎上したのでした。

「「子育て本来家庭で」杉並区議ブログ炎上 待機児童問題」
(はてなブックマーク)

 
異議申し立てをした女性たちを「ならば最初から社会で
お宅の子供の面倒を見ろということか」と批判した。
さらに「『子育ては本来家庭で行うもの』という
基本中の基本を忘れるべきではないと痛感する。

一抹の遠慮も忸怩(じくじ)の念もなく、声高に居丈高に、
世を恨むかのような態度は、どこかおかしい」
「『お願いです。私たちの子育てをどうか手伝ってください』、
これが待機親に求められる人としてのマナー、
エチケットというものでは」などと述べた。

杉並区は都市部のご多分に漏れず、保育所がとても不足していて、
保育所の充実を求める親がたくさんいらっしゃります。
そうしたかたたちに対して、この田中裕太郎という区議が、
「子育ては本来は家庭で行うもの」とか、「お願いです。
私達の子育てをどうか手伝って下さい」と頭を下げるのが
親のマナーだとか書いたので、ブログが炎上をしたのでした。

問題の田中裕太郎氏のエントリは以下です。
コメントが2500もついて、すさまじいことになっているのがわかります。
この件、政治家とはいえ、ブログの炎上が新聞記事になるのですから、
よくよくのことだったと言えそうです。

「一抹の忸怩なき待機親に一抹の疑義あり」


田中氏は「子育ては本来は家庭で行うもの」と言うのですが、
なにを根拠にそんなことを言うのかと思います。
生物学的な特質を言えば、人間の子どもは育てるのに
手間がかかるので、大勢の人たちの協力が必要です。

それゆえ人間にはおばあさんがいるし、父親やきょうだいや
近所の親友達なども子育てに協力することになります。
そう考えると、保育所を建てて、社会で協力するほうが、
人間の子育ては「自然」にかなっていると言えるでしょう。

田中氏は「不況打破に女性力の爆発は必要」とも書いています。
これは経済成長のために、女性の労働力率を高めることだと思いますが、
それならなおさら、子どもを持った女性が仕事を続けられるよう、
保育所に子どもが入れるようにするのが当然でしょう。

そこへ持ってきて、「子育ては本来は家庭で行うもの」などというのは、
女性が安心して仕事ができる環境を、積極的に作らない
ということですから、逆行しているとしか言いようがないです。


頭を下げてきたら助けてやらないでもないと言わんばかりの
田中氏の態度が高圧的なのは、言うまでもないでしょう。
区民たちは、一生懸命働いて税金を治めています。
しかるべき行政サービスを要求するのは、当然のことです。
頭を下げるべき立場なのは、公僕である行政のはずです。

さらには行政が社会保障が充実していないことに開き直り、
子育てを家庭でやれなどと言うのは、社会福祉の削減でもあるでしょう。
社会福祉を削って、その負担を家庭に押し付けるというのは、
自民党らしい考えかたでもあると思います。

そして田中氏は子どもがいないどころか、結婚もしていない人です。
そんな人が、子育てで苦労している現役の親を捕まえて、
親に求められるマナーやエチケットなるものを説いたり、
「未熟ものが結婚して親になった」などとは、なにをか言わんやです。
傲慢だと言ってもいいでしょう。


つぎのエントリは、田中氏のブログの過去のエントリを調べて、
「子育ては本来は家庭で行うもの」の思想的背景を見ています。
これを見ると、民主党の「子どもは社会で育てる」という理念や、
男女共同参画に対する反発が、田中氏にはあることがわかります。

「田中ゆうたろう議員は幼稚園で地獄を見た帰還兵と考えるべし」

引用されているところを見て行くと、田中裕太郎氏は、
民主党の幼保一体化案について、見当違いの攻撃をしています。
さらには「行き過ぎた、誤った男女共同参画社会」など書いてもいます。
民主党やジェンダー平等に対して、イデオロギー的な反対があるのでしょう。


田中裕太郎氏のブログが炎上するもとは、つぎの東京新聞の記事です。
杉並区を中心に都市部では保育所が不足して、親御さんたちは、
保育所を探すのにとても苦労しているという内容です。
この記事を引用して、田中氏はくだんのエントリを書いたのでした。

「子ども持つなというの? 待機児童 都市部の母、訴え切実」
(はてなブックマーク)

この記事を、わたしはブックマークに入れたのですが、
そうしたらリツイートをリプライを、たくさんいただきましたよ。
都市部では保育所の不足が深刻なこと、そして親御さんたちは、
なみなみならぬ苦労をしていることが、あらためて伺えます。

リプライも「うちも保育所探しで苦労した」というものが、
たくさん付いています。


現状がこのようであれば、田中氏のくだんのエントリに
抗議が殺到して炎上したのも、ごもっともなことだと思います。
保育所探しで苦労している人たちにとって、生活に深刻に関わることです。
田中のもの言いは、彼らの生活を踏みにじるようなものでしょう。

posted by たんぽぽ at 22:42 | Comment(2) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - 待機児童でブログ炎上 web拍手
この記事へのコメント
ツイッターではお世話になってます。この愚かなネトウヨ議員の後援会名が「田中ゆうたろうを育てる会」なのには笑いました。田中ゆうたろうは家庭で育てるべきでしょうww
Posted by 北夙川不可止 at 2013年03月25日 05:18
北夙川不可止さま、いらっしゃいませ。
ようこそわたしのブログにお越しくださりました。
こちらこそ、ツイッターではごひいきにしてくださり、ありがとうございます。

>後援会名が「田中ゆうたろうを育てる会」

そうそう、皮肉になっているのですよね。
このかたは家庭では、どんなふうに育てられたのかと思います。


それから、ウェブサイトもすこし拝見しました。
猫の写真を見ましたよ。
子猫さんたち、とってもかわいいですね♪
Posted by たんぽぽ at 2013年03月26日 23:09
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック