日本は最低の先進国なんて言われていますよ。
なにが最低かと言うと、「子どもを持つ女性にとって」です。
(思い当たるフシが多くて、すぐにわからなかったですか?)
「Japan: The worst developed country for working mothers?」
「日本は先進国で"最低"の国」
もとの記事はBBCで、それを参照して内容を意訳して
コメントを付けた日本語のエントリもあります。
ここにあることは、ふだんからジェンダー問題に
関わっていることは、よく知っていることばかりだと思います。
知識の整理もかねて、記事を見て行きたいと思います。
1. 日本では、男性よりも女性の方が大卒率が高い
12月21日エントリでご紹介した、OECDの報告がリンクされています。
これによると、25-34歳では大卒の割合は、
男性の52%に対して、女性は59%となっています。
日本は女性のほうが高学歴になったにもかかわらず、
女性の労働市場への参加は、立ち遅れているということです。
日本では教育への投資を、それだけ無駄にしているとも言えるでしょう。
2. 第1子を生んだ日本女性の70%が退職する理由の一つだ
妊娠や出産によって仕事が継続できなくなるというので、
退職を余儀なくされる女性が、日本では多いのですよね。
出産や育児を仕事の邪魔と考えて、仕事か子どもかの
二者択一を迫る日本企業は、まだまだ多くなっています。
日本とおなじ調子でやっていたら、外国で女性差別だと
訴えられた日本企業もあるくらいです。
3. もう一つの理由は、彼女らの夫にある。
家事に関して、日本男性は、ヨーロッパやアメリカの男性と
比較して、かなり非協力的だ
日本の夫は、欧米の民主主義国の夫とくらべて家事をやらず、
男性の家事時間がもっとも短いと言われていますよ。
4. ほとんどの日本男性は、その後の昇進や、職自体を失うことを恐れて
育休システムを使いたがらない。
男性の育児休暇の取得率は、わずかに2.63%です。
これでも過去最高だと言われて、ニュースになるくらいです。
女性の育児休暇の取得率は87.8%です。
5. 保育施設の過度な不足だ。
政府の統計によると、東京都に限って言えば、2万人の子どもたちが
保育施設を待つ状態
都市部での保育所の不足も依然として深刻です。
先日、保育所の充実を求める親御さんに対して、
「子育ては本来家庭で行なうもの」などと言ったために、
ブログが炎上した、自民党の区議がいたのでした。
6. 子どもを持つ女性のキャリアステイや職場復帰は、日本の隠れ資産であり、
日本のGDPを15%増加させる可能性を秘めているという。
日本の労働人口の減少という現状だけでも、十分に女性活用の理由になる。
女性の労働力を活用すれば、大きな経済成長が期待できる、
というのも、かねてからさんざん言われていることです。
記事で言及されている「ウーマノミクス」の記事はこちらです。
それから、日本は移民の受け入れに消極的なのですから、
きたるべき労働人口の減少に対処するためには、
女性を活用するよりないというのも、よく言われることです。
7. 他のOECD各国と違う日本の奇妙な点は、
ペットの総数が子どもの総数より多いという点です
これは寡聞にして初耳でした。
日本は子どもが持てないので、犬や猫を飼う人が多いのでしょうか?
8. スウェーデンやデンマーク、アメリカなど女性の就業率が高い国は、
出生率もより高い。
逆に、イタリア、韓国や日本など女性の就業率が低い国は
出生率も比例して低い。
女性の労働力率と出生率の相関は、言うまでもないでしょう。
9. 2006年、日本の人口は減少に転じた。
この現象が続くと、50年以内に日本の人口は3分の1に減少するという、
2040年にすべての都道府県で人口が減少するとされています。
人口減少と同時に深刻なのが、高齢者の割合が高くなることです。
2050年には少子高齢化が深刻になって、日本は世界でいちばん
悲惨な国になる、という予想があります。
ちなみに、いまのペースで人口が減り続けると、
200年後には、人口がいまの10分の1程度になるそうです。
(さすがに200年のあいだには、なんらかの対処をしているでしょうか?)