日本が最低の先進国である、という記事をご紹介したのでした。
ここでは「子どもを持つ女性の賃金水準が、男性とくらべて
いちじるしく低い」ことが出て来ていないと思いました。
これは「2. 第1子を生んだ日本女性の70%が退職する」
ことの結果で、出産や育児で退職した女性の多くが、
パートなどの非正規雇用にしか就けないためです。
この賃金格差は、子どもを持つ女性に対して、
日本がいかに風当たりが強いかを、如実にしめしていると思うので、
BBCの記事でも言及があってよかったと思います。
それから、BBCの記事を取り上げた日本語の記事ですが、
こんなことが書いてありますよ。
http://blog.livedoor.jp/getoutofj/archives/52024124.html
記事は、日本人なら特に目新しい内容ではないけど、
外国から見たら異常であるから記事になったわけで。
これも「日本の常識は世界の非常識」のうちなのでしょう。
それがBBCという世界中の識者たちが観るメディアで、
報道されたのは大きいと思います。
日本の現状がいくらかは世界の人たちに知れたことでしょう。
BBCの記事を取り上げた日本語の記事は、「日本では問題だと
分かっていながら、政府も企業もほとんど対処してないのが現状」
「幹部や政治家はみんな"オトコ"だから」と書いていますが、
わたしもまったくおなじ意見です。
子どもを持つ女性が仕事を続けやすくする必要なんて、
ずいぶん前からさんざん言われていて、具体的にどんな対策を
したらよいかも、じゅうぶん議論されていることです。
それにもかかわらず、日本の為政者たちは、
ほとんど無策と言ってよい状態を続けているのでした。
日本は女性の管理職が、欧米の民主主義国とくらべて
ずっとすくないし、国会議員のうち女性が占める割合も、
とても低いのも、よく知られていることです。
意思決定の場所がほとんど男性であることが、働く女性のための
政策が立ち遅れる原因として、大きいだろうと思います。
それから引用部分のあとには、「日本の働き者の男性のみなさま。
あなたは、能力があるから雇われてるワケではなくて、
育休も取らずに、長時間、働くから、、かも、しれません」ともあります。
実際、日本ではだらだらしていても、長い時間会社にいるだけで、
評価されやすく、短い時間で効率よく作業をすると
いかにすばらしい結果を残しても、あまり評価されなくなっています。
夕方の16-17時くらいになると、さっさと退社してしまう、
ロンドンのシティのビジネスマンと対称的です。
そしてかかる日本の「企業文化」も、女性が子どもを持っても
仕事を続けることを、むずかしくしている一面があるということです。
ブックマークを見ると、記事に賛同しているコメントが多いですが、
中には不愉快そうなのも、ちらほら見られるのですよね。
BBCの記事で言われたことは、日本国内でもさんざん指摘されています。
少子化や経済の停滞の原因にもなっているのですし、
きちんと向き合って、改善をはかってしかるべきことです。
日本人は「日本がよい国だと思いたい」という人が多いらしく、
日本のだめなところを指摘されると、不愉快がる人が多いそうです。
そしてこういう人たちの存在が、長年の為政者たちの
無策を支えてもいるのだろうと思います。
自分の国のいたらないところに向き合わず、社会の改善を怠れば、
いずれ落ちぶれていくことは、言うまでもないことです。