2013年04月06日

toujyouka016.jpg 0歳児保育にまた異論

自民党が少子化対策で、都市部での待機児童を解消するための
保育所の整備を掲げています。
これはぜひとも必要なのですが、そこに反対意見が相次いだのですよ。
反対意見を挟んだのは、安倍首相の「側近」たちです。

「少子化対策、首相側近が相次ぎ異論 政権方針に」
(はてなブックマーク)

この会合は「人口減少社会対策特別委員会」で、委員長が猪口邦子です。
さきの「少子化危機突破タスクフォース」とは別物です。

 
その反対意見の中に「0歳児は親と一緒にいるのが望ましい」
などというものがあったりするのです。
なんで「望ましい」のか根拠がわからないですね。

わたしが思うに、「3歳児神話」や「母性神話」と、
おなじようなものではないかと思います。
小さい赤ちゃんには母親が付いていないと、
なんとなく好ましくない気がする、という思い込みでしょう。

反対したのが安倍首相の「側近」というのも、いかにもですね。
「純潔思想」とか「親学」とかで、イデオロギーが合うのでしょう。
こうした異論を唱えるのも、想像にがたくないことだと思います。


じつは自民党は、野党だったころの中長期政策体系で、
ゼロ歳児保育の大幅な縮小を謳っていたのでした。
「0歳児は親と一緒にいるのが望ましい」などという異論が出てくるのは、
じつは「むべなるかな」のことだったのでした。
保育所の整備に異論を唱えたのは、この政策体系の制作に
かかわった人たちかもしれないです。

「ゼロ歳児保育がなくなる?」
「ゼロ歳児保育がなくなる(2)」

ゼロ歳児保育は必要であり、なくなると大変なことになるのは
想像にがたくないことでしょう。
わたしのエントリからリンクした記事に、このあたりが書かれています。

「全国のお父さんお母さん。自民党政権になると、0歳児保育が無くなるそうです」
「自民党政権になると0歳児保育はなくなるのか?」


ゼロ歳児保育が必要な理由として、都市部ではこんな事情があります。
http://komazaki.seesaa.net/article/221939609.html
通常子どもを産んで一年間は育休が取れるので、
子どもが1歳になると働く親(特に母親)は、保育園に子どもを預けます。
しかし、都市部においては保育園の待機児童問題がありますので、
保育園に入りやすいタイミング(特に4月入園等)の
直前に育休を切り上げ、保育園に入れます。

例えば子どもが8月に産まれたとすると、1年後の8月では保育園に入れず、
育休延長を半年しても2月だからとても入りづらい。
ならば、ということで直近4月に月齢8ヶ月(つまり0歳)で
保育園に入れる、というのはザラなわけです

ようするに、まさしく待機児童の問題があるから、
ゼロ歳のうちに保育所に入れざるを得ないということです。
そこへ持って来て、待機児童を解消するための
保育所の整備に反対するというのは、いかに現実を無視した
とんでもないことであるかが、わかるでしょう。

保育所の整備に反対した人たちは、おそらく0歳児の育児など
したことがない男性ではないかと思います。
彼らの「あるべき家族像」のために、苦労を強いられるのは、
現役の子育て世代ということになります。
そして、このような「保育所反対論」が跋扈するようでは、
少子化はさらに進むというものです。


付記:
こちらの記事にも、「0歳児は親と一緒にいるのが望ましい」という
安倍側近の保育所整備反対論に、異論を唱えています。

「国のトップは待機児童解消に消極的?」

posted by たんぽぽ at 10:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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