保育所の整備を掲げています。
これはぜひとも必要なのですが、そこに反対意見が相次いだのですよ。
反対意見を挟んだのは、安倍首相の「側近」たちです。
「少子化対策、首相側近が相次ぎ異論 政権方針に」
(はてなブックマーク)
この会合は「人口減少社会対策特別委員会」で、委員長が猪口邦子です。
さきの「少子化危機突破タスクフォース」とは別物です。
その反対意見の中に「0歳児は親と一緒にいるのが望ましい」
などというものがあったりするのです。
なんで「望ましい」のか根拠がわからないですね。
わたしが思うに、「3歳児神話」や「母性神話」と、
おなじようなものではないかと思います。
小さい赤ちゃんには母親が付いていないと、
なんとなく好ましくない気がする、という思い込みでしょう。
反対したのが安倍首相の「側近」というのも、いかにもですね。
「純潔思想」とか「親学」とかで、イデオロギーが合うのでしょう。
こうした異論を唱えるのも、想像にがたくないことだと思います。
じつは自民党は、野党だったころの中長期政策体系で、
ゼロ歳児保育の大幅な縮小を謳っていたのでした。
「0歳児は親と一緒にいるのが望ましい」などという異論が出てくるのは、
じつは「むべなるかな」のことだったのでした。
保育所の整備に異論を唱えたのは、この政策体系の制作に
かかわった人たちかもしれないです。
「ゼロ歳児保育がなくなる?」
「ゼロ歳児保育がなくなる(2)」
ゼロ歳児保育は必要であり、なくなると大変なことになるのは
想像にがたくないことでしょう。
わたしのエントリからリンクした記事に、このあたりが書かれています。
「全国のお父さんお母さん。自民党政権になると、0歳児保育が無くなるそうです」
「自民党政権になると0歳児保育はなくなるのか?」
ゼロ歳児保育が必要な理由として、都市部ではこんな事情があります。
http://komazaki.seesaa.net/article/221939609.html
通常子どもを産んで一年間は育休が取れるので、
子どもが1歳になると働く親(特に母親)は、保育園に子どもを預けます。
しかし、都市部においては保育園の待機児童問題がありますので、
保育園に入りやすいタイミング(特に4月入園等)の
直前に育休を切り上げ、保育園に入れます。
例えば子どもが8月に産まれたとすると、1年後の8月では保育園に入れず、
育休延長を半年しても2月だからとても入りづらい。
ならば、ということで直近4月に月齢8ヶ月(つまり0歳)で
保育園に入れる、というのはザラなわけです
ようするに、まさしく待機児童の問題があるから、
ゼロ歳のうちに保育所に入れざるを得ないということです。
そこへ持って来て、待機児童を解消するための
保育所の整備に反対するというのは、いかに現実を無視した
とんでもないことであるかが、わかるでしょう。
保育所の整備に反対した人たちは、おそらく0歳児の育児など
したことがない男性ではないかと思います。
彼らの「あるべき家族像」のために、苦労を強いられるのは、
現役の子育て世代ということになります。
そして、このような「保育所反対論」が跋扈するようでは、
少子化はさらに進むというものです。
付記:
こちらの記事にも、「0歳児は親と一緒にいるのが望ましい」という
安倍側近の保育所整備反対論に、異論を唱えています。
「国のトップは待機児童解消に消極的?」