というものが、行なわれたのでした。
元総理・元閣僚と30歳以下の若いかたとで討論をします。
なぜに30歳以下?と思うところですが、青年委員会主催なので、
若者向けのイベントにしたということかもしれないです。
「民主党公開大反省会」
民主党も党再生のために、いろいろと考えているのでしょう。
申し込みが多数で会場が変更になったので好評ではあったようです。
わたしもこの反省会には、とても興味がありました。
それでどういったものになるかと、思っていたのですよ。
ところが新聞報道を見たかぎりでは、ひどかったようなのですよ。
自民党が悪いとか、官僚が悪いとか、小沢が悪いとか、
「人のせい」ばかりで、ぜんぜん「反省会」になっていないのです。
ほかの原因はひとまずわきに置いて、自分たちの中にある
いたらなかった点や失敗した点を探らなければ
「反省会」にならないのに、なにをやっているのかと思います。
「反省会でも批判に力点=自民・官僚に「責任転嫁」ー民主」
「「小沢氏がこれほどひどいとは」民主党“大反省会”」
「実は反省なし? の民主党「大反省会」」
「民主党:公開反省会開く 菅氏「もう首相やりたくない」」
たとえば、
枝野幸男元官房長官は子ども手当の満額支給や高速道路無料化などのなどとあります。
公約が不履行に終わった理由を「自民が反対、民主が賛成のものが目玉だから、
国会で野党の抵抗に遭う」と釈明した。
民主党のかかる政策を、自民党がまっこうから反対しているのは、
2009年の総選挙前からそうだったのですし、
「国会で野党の抵抗に遭う」のはわかりきっていたことです。
「野党はそう出るもの」という前提のもと、
民主党は自分たちの法案を可決するにはどうしたらよいかの
戦略を考えなければならないのでしょう。
「ねじれ」国会対策にしても、2010年の参院選で敗北して、
議席を減らしたあとでも、まだ野党勢力を分断することで
政策によっては法案を成立させることができることは、
菅政権や野田政権がはじまったころから言われていました。
そうした国会運営能力の未熟さは、まったく反省していないのかと思います。
ほかにも
菅氏は政治主導の政権運営が行き詰まったことについてもということを言っています。
「官僚個人は優秀でも、組織となると(権益を)死守する」と
官僚の抵抗の強さを訴え、長妻氏は「官僚とその裏にいる団体が
一つになって変化を拒む」と恨み節を展開した。
官僚機構は、日本社会においては、既得権益層の最たる存在です。
そして民主党は既得権益に対抗することを標榜しているのですから
(新しい綱領でも「既得権や癒着の構造と闘う改革政党」と書いている)、
官僚が民主党に抵抗するのもとうぜんです。
これも「官僚はそういうもの」という前提のもとで、
自分たちが官僚を使いこなすために、具体的にどのような戦略を試みて
どう失敗したのかを語らなければ、反省にはならないでしょう。
とくにわたしがあきれたのは、菅直人氏が小沢一郎氏を
処分したことを、ぜんぜん反省していないことです。
むしろ嬉々として、小沢氏の悪口を言っているくらいです。
民主党・菅元総理大臣:「(小沢氏は)自分の政治的影響力が
一番大きくなるには何を言えばいいかと、それがすべての判断基準になっている。
(政権交代前から)傾向は分かっていたけど、これほどひどいとは思わなかった」
小沢氏には政治資金規正法違反などなかったのですから、
小沢氏を切ったことが理不尽なのはもちろんです。
本来なら反省会の場を借りて謝罪することだと思うのですが、
理不尽だったと思ってさえもいないようです。
さらには、「小沢切り」という「内ゲバ」が党の分裂を招き、
政権と民主党の弱体化をもたらしたところは大きいでしょう。
ところがそれにもすこしも反省がないばかりか、
そもそもそういう認識さえないのではないかと思います。
「菅がこれほどひどいとは思わなかった」ですよ。
それでも、菅直人氏が、2010年の参院選で、
消費税増税を持ち出したことが失敗だったと振り返っているのは、
よかったとしなければならないかもしれないです。
菅氏は、首相だった10年参院選で消費増税を打ち出したことについて
「もう少しうまいやり方があったとの反省はある。
多くの仲間を失う結果になり、まずかった」と振り返り、
いかんせん、菅直人氏は2011年1月の党大会における
参院選の敗因分析で、消費税増税を持ち出したことを
ほおかむりしたのですから。
それにしても、こうして「人のせい」にばかりしていて、
自分たちの中にある原因と向き合わなければ、
失敗した経験を教訓として活かすことができないのであり、
民主党の再生なんておぼつかないと思います。
いまのままでは、仮にもう一度政権を取ることがあったとしても、
おなじような失敗をして、瓦解するだけだと思います。
また、民主党がふたたび国民から信頼を得るには、
民主党が嫌いな人でも「民主党はよくなるかも」と
思われるくらいでなければ、だめだろうと思います。
ところがいまのままでは「民主党はよくなるかも」なんて
とても思われないだろうと思います。
わたしでさえ「よくなるかも」なんて思えないです。
ウェブでざっと検索したかぎりですが、
やはりこの公開反省会は、あきれるかたや批判的なかたばかりで、
「こんな調子では民主党は再生しない」と思われているようです。
「小沢切り」なんてやっているのを見たとき、
こんな内ゲバに走って、民主党は「無駄にサヨクらしい」と、
わたしは嘆かわしく思ったものです。
ところが、都合の悪いことを「人のせい」にするところも、
民主党は「無駄にサヨクらしく」なったのかもしれないです。