2013年06月19日

toujyouka016.jpg 日本の人権外交の実態(3)

6月9日エントリでお話した、拷問禁止委員会で上田秀明氏が
議場の失笑を買った事件ですが、問題の本質は日本の刑事司法が
「中世の名残り」と評価されるレベルであることであり、
またそうした勧告を受けてもまともに向き合わない、
日本人の人権感覚であることは、言うまでもないことだと思います。

「「中世」発言からーとまどいのブログ後日談」
(はてなブックマーク)
「「シャラップ!」より問題なのは」
(はてなブックマーク)

 
ところがなにを思ったか、「シャラップ」というのは
公の場にふさわしくないことばだとか、さらには失笑を買ったのが、
上田氏が「middle ages(中世)」と言うべきところを
「s」を忘れて「middle age(中年)」と言ったからだとか、
英語の問題ということにしている人たちがいるのです。

http://markethack.net/archives/51879261.html
http://wirelesswire.jp/london_wave/201306112115.html
http://ch.nicovideo.jp/masayukisatomura/blomaga/ar260139

つぎのエントリで、そのあたりについて批判があります。

「上田シャラップ事件に関する周囲の現実逃避がヤバい」
(はてなブックマーク)

上記エントリにもあるように、「middle age」と言ったところで
失笑されたのでないことは、動画を見ればわかります。
「日本は人権先進国のひとつだ」と言ったところで
失笑が出て来たのであり、「日本は人権先進国」という
上田氏の認識が笑われたのはあきらかなことです。

「国連拷問禁止委員会における上田人権人道大使の発言「シャラップ!」」

ついでながら、「複数形のsを忘れたから笑われる」というのは
いかにも日本人の発想だと、わたしも思います。
国際会議に出るような人であれば、「s」を忘れたくらいなら、
前後の文脈から判断して、意味を取り違えることはないでしょう。
細かい文法にやたらこだわるのが、日本人らしいということです。


ここでなぜ彼らは、本質的ではないにもかかわらず、
「英語のせいで失笑された」ことにするのか、という疑問が出て来ます。
わかっていて意図的にやっているのだとしたら、
考えられることは、日本の刑事司法における人権水準が
「中世並み」と評価されたことから眼をそらしたいので、
英語の問題にすり替えているのだろう、ということですね。

これらの人たちも、日本は人権先進国だと思いたくて、
アフリカ人に言われたくないと思っているのかもしれないです。
そういう意識だからこそ、上田秀明のような人物が
外交官として日本を代表することになり、
議場で「シャラップ」などとキレることになるのでしょう。

従軍慰安婦問題なら、批判されても「他国もやっている」とか
「現在のカチカンで過去を断罪するな」とか言って、
独りよがりながら自分を納得させる余地もあるのでしょう。
日本の刑事司法は、あきらかに現在の問題であり
他国はやっていないですから、そうした言いわけもできず、
英語のせいにするよりないのかもしれないです。


ところで、この日本の人権状況を問われているのに、
英語の問題にすりかえるというメンタリティは、
国際的な知識や感覚・常識を身につけることを差し置いて、
とにかく英語ができることが大事だと思っている、
日本人の「グローバル観」の現れでもあると思います。

「グローバルと英語」
「大学受験資格にTOEFL?」

posted by たんぽぽ at 23:38 | Comment(0) | TrackBack(1) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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