2013年07月08日

toujyouka016.jpg 公的文書に第三の性

すこし前のニュースですが、オーストラリアでは公的文書に
記載する性別として、「M(男性)」「F(女性)」のほかに
第三の性である「X」が、選べるようになるのでした。

「公的文書の性別に第3の選択肢、オーストラリアが新指針発表」
(はてなブックマーク)

「X」というのは、「不確定/インターセックス/不特定」です。
性同一性障害やインターセックスなどのかたの中には、
性自認が男女のいずれでもなく、男女の二者択一では困る
というかたもいるわけで、そうした人たちの選択肢が作られたことになります。
7月1日から発効されるので、すでに実施されていることになります。

 
性別を変更する手続きをするには、自分が変更したい
性別であることをしめす書類を提出することになります。
具体的には、医師や精神分析医による報告書や、
有効期限内のオーストラリアのパスポート、州の出生証明書です。

それでも「既存の性別記録を変更する際、性別適合手術や
ホルモン療法の有無は問われない」ので、基本的に本人の性自認が
優先されるということなのだろうと思います。


わたしはこのニュースを見てびっくりしましたよ。
一般に公式文書というのは動かしにくいところです。
そこに「X」という性別の記載ができるようになったのですから、
とても柔軟なことだと思います。
オーストラリアはすごい進んでいると思ったですよ。

性別として「X」を公式文書に記載できる国は、いまのところおそらく
オーストラリア以外にないのではないかと思います。
それでもこれからは、オーストラリアの動きに倣って、
ほかにも「X」を記載できる国が出てくるかもしれないです。

日本では例によって、こういうのはとても無理なように思います。
たとえば、戸籍に「男」でも「女」でもない「X」という
記載が載るという事態になることは、これをご覧のみなさんも
想像できないのではないかと思います。

日本で家族やジェンダーについて因習的な人たちは、
これまでに何度もお話しているように、「家族のカチ」と称して、
高度経済成長期の「標準家族」を理想視しています。
その家族観の中では、「男」と「女」のいずれかしかいないでしょう。
そして戸籍は彼らの「家族のカチ」を書類で表現するものですから、
そこに「X」という性別を入れるとは思えないのでした。


オーストラリアでは、いまから3年前に、性別が男女のいずれでもない
「特定されない性別」という記載が公的書類で
認められたかたがいらっしゃります。
医師によって「男女のどちらにも分類されない」と判断され、
出生証明書が変更されたのがもとになっています。

「中性が公式に認められる」

オーストラリアが公的書類で「X」が選択できるようにしたのは、
3年前のこの件を受けてのことなのかもしれないです。
AFPの記事にはかっこ付きで「オーストラリアでは数年前から
パスポートの性別に「X」の選択肢が加えられた」とあるのも、
おそらくこの件のことを指しているのでしょう。

posted by たんぽぽ at 22:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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