7月17日エントリでお話した、民主党の鈴木寛氏については、
「親学を信奉している右翼で、発達障害が伝統的子育てで治ると
信じている」などと言っている人たちもいるのですよ。
なんでも「親学議連」なるものに、鈴木寛氏が入っていたのが根拠だそうです。
「共産、12年ぶり議席か=東京【参院選情勢】(時事通信)」
「東京選挙区、鈴木寛候補についての判断材料 (2013年参院選) (追記あり)」
https://twitter.com/BARANEKO/statuses/355988633246908417
実際はどういうことなのかは、つぎのまとめで示されています。
結論を言うと、鈴木寛氏は「親学」などというものを信じてはいませんよ。
もちろん「発達障害が伝統的子育てで治る」とも言っていないです。
鈴木寛氏が実際に参加した議連の名前は「家庭教育支援議連」です。
「すずかん(鈴木寛)と親学に関するデマの解消を願います」
この「家庭教育支援議連」は、発達障害の早期発見と早期支援のための
支援制度を作るために始められました。
大阪大学の遠山正彌教授(当時)をお招きする予定もあり、
複数の大学の医学部を連携させる構想もあったのでした。
遠山正彌氏は、小児科の信頼できる医師・研究者です。
鈴木寛氏は一度は「家庭教育支援議連」への参加を断わったのですが、
公明党の池坊保子氏に強く求められたこともあって、
発達障害の現場を正しく知ってもらうために、参加を決めたのでした。
ここには安倍晋三の暴走を食い止める意図もあったのでした。
https://twitter.com/suzukan0001/status/277365513183711232
ところが議論は最初からおかしな展開で、紛糾・炎上でした。
おかげで遠山正彌教授を安倍晋三氏に引き合わせて、
じっくりお話を聞かせるという計画も、頓挫することになります。
結局この議連は、成果の出ないまま終わることになったのでした。
おかしくなった原因は、おなじく議連に参加した下村博文氏のようです。
この下村博文氏こそ本当の「親学」の信奉者ですが、
彼が「専門家」として、あの高橋史郎氏を連れて来たのです。
鈴木寛氏たちが、科学的・医学的な根拠にもとづいた実証的な
お話をしようとしていたところへ、下村博文氏が「とんでも」な
お話を持ち出したので、議論が紛糾したのだとおそらくは思いますよ。
「家庭教育支援議連」を「親学議連」と銘打ったのも下村博文です。
この人は、最初から「とんでも」なものにしたかったのでしょう。
むかしの失敗に終わった議連が、いつまでも問題視されるのも妙ですが、
かくして議連が「とんでも」で潰されたあげく、
「親学議連」という名前が独り歩きして、鈴木寛氏まで「親学」の
信者であるかのように、誤解されたということです。
きのうのエントリで、鈴木寛氏のフェイスブックの記事を紹介しました。
ここには「今日は、発達障害の子供についての心ない話が、
私が言ったこととして拡散されていました」とあります。
これはここで取り上げた、「親学」や「発達障害」のことだと思います。
「表現の自由、そして民主主義を守るために」
付記1:
2007年9月なのでいまから6年前ですが、コミュニティスクールについて
藤原和博と宮台真司の対談形式で行なうシンポジウムがあり、
鈴木寛がその司会を行なったのでした。
当時の安倍政権の教育再生会議も批判しているのですが、
これを見て、鈴木寛はまともなかただと、わたしは思いましたよ。
「藤原和博のシンポジウム (コミュニティスクール、道徳教育etc)」
エントリの最後で、こんなことが書いてあります。
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民主党の鈴木寛議員は、小沢代表や前原さん、色んな人達を
コミュニティスクールに連れていったらしい。
見ると、みな、目からうろこだそうだ。
最大の悲劇は安倍ちゃんを連れていけなかったことだと言っていた(笑)。
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安倍晋三が教育問題でとんでもない方向へ走っていくのを、
鈴木寛氏は意識していたことが伺えます。
付記2:
鈴木寛氏の個人的な思い出を書いたエントリです。
鈴木寛氏が開いた勉強会の受付をなさっていたとあります。
教育問題に熱心で、権力欲や支配欲と無縁な様子が書かれています。
http://mayukakaku.seesaa.net/archives/20130717-1.html
今、選挙状況は苦しいようですが、頑張ってほしいものです。
鈴木寛氏は先週末遊説中に暴徒に襲われて怪我を負われましたそうですね。(鈴木氏だけでなく、鈴木寛氏の支援者の女性も腹部をけられた、とのことです)
選挙期間が後1週間という時に、全治一週間、とのことで心配です。
怪我は痛々しいものの、元気そうな顔を見せていらっしゃいますが。
こういうデマやテロを見ると、なんか安倍自民党の行く先を見るようで、本当に嫌になります。
こちらを先に読んだので気づきませんでした。
いずれにせよ、日本の民主主義の危機、とさえいえる話かと思います。
>科学技術政策にも明るく、その一方で、一般教育、芸術関連も明るい、
>まさに日本の教育界・科学技術政策を背負える人材だと思っています
おお、そうなのですね。
教育や科学技術のことはなんでもわかっている、という感じですね。
というか、きっとそうではないかと思ってました。
(議連の足を引っ張ったらしい下村博文とすごい対照的です。)
エントリでリンクした記事のかたたちもそうだけど、
鈴木寛氏に直接会ったりして、個人的に知っているかたは、
かならずよい評価をなさるようですね。
http://mayukakaku.seesaa.net/article/369510299.html
http://ameblo.jp/jijitsukon/entry-10048002184.html
>今、選挙状況は苦しいようですが、頑張ってほしいものです
わたしもがんばってほしいと思います。
>鈴木寛氏は先週末遊説中に暴徒に襲われて怪我を負われましたそうですね
のっぴきならない事態だと思います。
候補者が演説中に暴行にあうというのですから。
安倍政権らしいというか、いまの風潮らしいものを、わたしも感じます。
日本社会はやはり末期症状なのかと、暗い気持ちになってきます。
>暴徒の話は、たんぽぽさんがひとつ前の記事でお書きになられていましたね
ぜんぜんかまわないですよ。
鈴木寛氏のフェイスブックの記事は、このエントリからもリンクしてますしね。
鈴木さんの名前は、学校の授業再開基準20μSvとしたときのことでかすかに覚えていました。
その時の根拠にされたことの一つに、「障碍を持ったお子さんが避難生活で命を落とした事件」を挙げておられたのが印象に残っていました。
だから、この親学の怪情報には、戸惑いました。
政治に理性を反映させる。。
道のり長いですが、今後もがんばらないと、と思った出来事でした。
わたしのブログにコメントをくださり、ありがとうございます。
>「障碍を持ったお子さんが避難生活で命を落とした事件」
このお話も有名ですね。
http://browse.feedreader.com/c/Merx/501388768
避難生活のストレスのほうが深刻と考えて、やむをえず基準を緩めたのでした。
為政者の立場にあるとこのような判断も必要ということですね。
>この親学の怪情報には、戸惑いました
わたしもじつは最近まで知らなかったんだけど、
鈴木寛氏の評判は聞いていたので、あやしい情報だとは思っていました。
親学の怪情報は(リンク先を見ればわかるけど)、左側の人が好きですよ。
「民主党は信用できない」という彼らの偏見によく合うので、
あたまの中に入って行きやすいのでしょう。
>政治に理性を反映させる。。
鈴木寛氏のことを調べていると、とても意識されることだと思います。
とても大事なことだけど、実行するのはなかなかむずかしいですね。
でも、おたがいがんばりましょう。