2013年07月30日

toujyouka016.jpg 参院選・有権者の責任

7月21日の参院選は投票率が52.61%で、戦後3番目の低さだったのでした。
これはすでに分析があるので、たとえばつぎの記事をご覧になるとよいでしょう。

「【速報】参院選有権者2,000人緊急意識調査」
「参院選を終えて〜これから何をなすべきか」
「参院選の投票率は52.61% 戦後3番目の低さに」

 
前回と前々回の参院選で民主党に投票した人たちは、
その多くが今回は棄権して、一部が維新や共産、自民などの
他党への投票に回ったと考えてよいでしょう。
低投票率と野党票の分散が、今回の参院選で自民が圧勝した
大きな原因であることは、容易に理解できることだと思います。

無党派の多くが棄権したり他党に流れたりすると、
組織力のある自民党が相対的に強くなって圧勝することは
選挙の前からさんざん言われていたことでした。
棄権したり他党に流れたのは、それを承知の上でということになるでしょうから、
彼らは自民党の圧勝に貢献をしたことになると言えます。

棄権した人や他党に流れた人は「自民の補完勢力」ということです。
こういう言いかたをすると、不愉快になる人もいると思いますが、
しばしば「自民の補完勢力」呼ばわりされる共産党や公明党よりも、
はるかに影響が大きいと思いますよ。


自民党に圧勝をさせたくなかったら、不満が多くても民主党か
せめて生活の党に投票せざるをえないのは、あきらかだろうと思います。
その前に、自民党に政権を取ってほしくない人たちは、
批判の余地が多くても、民主党が政権を取っているあいだに、
忍耐強く政権を支えるところだったのでした。

https://twitter.com/IsSheW/status/359587812716191745
https://twitter.com/IsSheW/status/359582215463636992
========
そのためには、多少の失敗で政権から引きずり下ろしたり、
自民党の利権の甘言に乗ったり、新党の真新しさに惑わされることなく、
「脱原発のためには民主党を強く育てて行くしかないんだ」
という信念が必要なのでは?
野球やサッカーのサポーターにはそれができて、なぜ政党では出来ないのでしょう。

「民主党はダメだから政権から落とそう!」と、
みんなで山本太郎みたいな個人やら、真新しい小党に入れて、
間接的に自民党を応援した結果が今のざまです。
========

どんな状況でも順調に政策を進めてみせる
「魔法の政権」なんて、どこにも存在しないですからね。
自分が納得できる政権を持つためには、少々の不満があっても
自分たちが選んだ政権を支え、よりよいものに有権者がみずから
変えて行く必要があるということです。

自分たちが選んだ政権が、順調に政策を進められないからと言って、
早々に見限って他党に移るようでは、支持できる政党はなくなるでしょう。
彼らは「支持できる政党がない」とこぼすのかもしれないですが、
「有権者は自分にふさわしいレベルの政治家を持つ」ですからね。


前にもお話したことがあるのですが、一般に日本の有権者は、
自分たちが選んだ政権を支えるという意識にとぼしいように思います。
政治とは自分たちの日常から乖離した、どこかべつの世界にあるようで、
「選挙で選んだら、あとは政治家におまかせ」という感覚が、
おそらくはあるのではないかと思います。

それで未熟なところの多い政権を、忍耐強く自分たちが手を入れて
育てて行くという発想にならないのかもしれないです。
そして民主党が政権を取っても、気に入らないことがあると
簡単にダメ出しして、棄権したり他党に目移りするのだと思います。

あるいは、彼らは生活の苦労がないか、政治によって
自分の生活を改善してもらおうという意識がなく、
政治が「理想追求ゲーム」のようになっているのかもしれないです。
そうした「ゲーマー」にとっては、自分が責任与党の立場に立ち、
未熟な政権を育てていくなんて、面倒でやっていられないのでしょう。
それよりは政権の批判ばっかりやっていたほうが楽です。

自分の生活がかかってないから、「なんとしてでも自民党政権の
復活を阻止しなければ」という信念にもとぼしいのでしょう。
実際に自民党が圧勝しても、生活と関係ないからたいして気にならないし、
むしろ「自分は信念を貫いた」という自己満足が大事なのだと思います。


自民党は、公共事業を中心とした利権構造が支持層です。
支持者たちにとって、自民党が政権を取るかどうかは、
自分たちの「飯の種」がかかっていることになります。
それでふだんは自民党に不満があって、批判ばっかりしていても、
選挙のときは一致団結して、自民党を支えるようになるということです。

そういう意味では、ダメ出しの早い反自民の支持層とは、
真剣さというか、気合いの入れかたがぜんぜん違うことになります。
さきの参院選は、支持層の気合いの入れかたの違いが出たと言えるでしょう。
反自民勢力が自民党の前に大敗するのも、むべなるかなだと思います。

posted by たんぽぽ at 22:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - 参院選・有権者の責任 web拍手
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック